未来型スキルを身に付ける!

船津 徹(TLC for Kids代表)

現代は「先の見えない社会」です。今日正しいことが明日には間違ったことに変わってしまう、そんな常識や価値観の大変動が日常的に起きています。医療やテクノロジーはもちろん、ダイエットから教育まで、日々新しい発見や検証がなされ、今までの常識は一夜にして塗り替えられてしまいます。現代は、一体何を信じればいいのか分からない時代なのです。変化の激しい時代を生きる子どもたちに求められる力が「未来型スキル」です。「未来型スキル」とは、分析力や批判的思考力、創造力、問題解決力などの「考える力」。そして世界中の人たちと友好な人間関係を構築できる「コミュニケーション力」です。

ゴールデンルールは通用しない

「一生懸命勉強して、良い大学に入り、良い企業に就職する」。一昔前まではこのゴールデンルールが通用しました。「読み書き計算」さえしていれば明るい未来が開ける時代だったのです。しかし、今は上場企業でもリストラは当たり前、大企業でもグローバル化に乗り遅れれば外国資本に買収されるご時世です。
ゴールデンルールが通用しない社会で子どもたちがたくましく生きていくには、自分はどういった存在で、何になりたいのか、そして、どんな人生を歩みたいのか、自分の頭で考
えて、自分なりの答えを見つける力を育てておかなければなりません。Google創業者、ラリー・ペイジは「20年後には、今の仕事のほとんどが機械によって代行される」と言います。Microsoft創業者のビル・ゲイツは「創造性を必要としない仕事はテクノロジーに代行される」と言います。世界最先端のITビジネスの牽引者たちが「社会が変わるから教育も変えるべきだ!」と警告しているのです。

答えのない問題に取り組ませる

「未来型スキル」を鍛える効果的な方法が「答えのない質問=オープンエンドの質問」に取り組ませることです。「一番好きな果物は何?」という質問の答えは一つです。でも「自分で新しい果物を作れるとしたら何を作る?」という質問の答えは無限にあります。「リンゴとパイナップルを混ぜたパイナップルリンゴ」、「バナナとイチゴを混ぜたイチゴバナナ!」など、創造力を膨らませることができます。算数もオープンエンドの質問を取り入れます。「5+8=?」という質問の答えは一つです。でも「◯+△=15」、「◯-△=15」、「◯×△=15」という質問であれば、答えは無限にあります。オープンエンドの質問に取り組ませることで、多様な面から物事を見る頭の使い方を身に付けることができます。
小学高学年以上の子どもには「時事問題」について意見交換してみましょう。例えば「原発再稼働」について子どもに意見を聞きます。再稼働に反対か賛成か。なぜ反対か、なぜ賛成か。子どもの考えを尊重しながら「なぜ」を繰り返すことで子どもは思考を深めることができます。

コミュニケーション力を鍛える

日本の子育てや教育では、コミュニケーションの重要性が強調されることはありませんでした。しかし、多様な人たちとの交流が要求されるこれからの社会では、世界標準のコミュニケーション力を身に付けることが不可欠です。
幼い子どものコミュニケーション力を育てる遊びが「ごっこ遊び」です。ままごとや幼稚園ごっこ、ヒーローごっこなどの「ごっこ遊び」は、言語力や表現力、質問力といったコミュニケーション力全般を伸ばしてくれます。
小学生以上の子どもには「演劇」をお勧めします。「演劇」の技術である発声・発音方法、よく伝わる表情の作り方、よく伝わる仕草やジェスチャーを学ぶことで、世界標準のコミュニケーション力を身に付けることができます。また演劇経験者は英語習得のスピードが早いという事実も付け加えておきます。
 
(2016年12月1日号掲載)

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