強みを伸ばす子育て

船津 徹(TLC for Kids代表)

グローバル化の進行に伴い、ヒト・モノ・カネの国境を越えた移動は、もはや一部の人の問題ではなくなりました。世界人口の30人に1人が自国以外に暮らす現在、日本だけがグローバル化の波から逃れることはできません。グローバル化の波はアジア諸国を飲み込みました。韓国では大企業の国際化が進み、英語が話せない人、専門技能・知識を持たない人は、韓国国内トップの大学を卒業しても良い就職口にありつけない状況です。
 
熾烈な国際競争社会で生き残るには、人に負けない「強み」を持つことが必要です。誰にも負けない自分の専門分野を持っていなければ、世界レベルの競争の中で一歩抜きん出ることは困難なのです。
 
集団の和を重視する日本人は「皆と同じであること」に安心感を持ちます。残念ながら、グローバル社会では「皆と同じ」は通用しません。子どもたちの強みを見つけて磨きをかけなければ生き残っていくことができないのです。

強みを言葉で伝えてあげよう!

子どもの「強み」や「長所」は何でしょうか?子どもは自分の強みを知っているでしょうか?子どもが自分で強みに気付くことはできません。だから身近な存在である親が強みを見つけて、言葉で伝えてあげる
ことが大切です。
 
「負けず嫌い」「集中力がある」「優しい」「社交的である」「パズルが得意」「本が好き」「観察力がある」「明るい」など、どの子にも必ず良い部分や人とは違う特徴があります。それが強みです。子どもの強みを見つけたら、きちんと言葉で子どもに伝えてあげてください。
 
「負けず嫌いなのは強みだよ」「集中力があることは武器だよ」「人に優しいのは素晴らしいことよ」「誰とでも仲良くなれるのは才能だよ」という要領で、具体的に伝えてあげてください。すると子どもは自分の強みをより意識するようになり、実際にその部分が伸びていきます。

弱みや短所には触らない

強みと弱みは表裏一体です。「負けず嫌いの子」は「頑固で融通が利かない」という弱みがあります。「集中力がある子」は「夢中になり過ぎる」という弱点があります。「人に優しい子」は「優柔不断で物事を決められない」という欠点があります。
 
子どもの強みを伸ばすポイントは「弱みには触れないこと」です。弱みに触れると弱みが大きくなってしまいます。強みだけに意識を向けて、認めて褒めてあげてください。強みが大きくなれば、弱みは目立たなくなります。
 
「言うことを聞かなくて、ぐずぐずして、乱暴で、本当に困っています」と相談してくる親がいます。子どもの悪い面ばかりに目が向いているのです。そんな方は子どもの強みを紙に書き出してみましょう。子どもの良い面が見えてくるはずです。
 
そして最初は1日で構いませんから、悪い面には一切触れずに、子どもの強みだけを認めて褒めてあげてください。「ゲームばかりしないで!」ではなくて「◯◯ちゃんは好きなことにはすごく集中できるね!すごいね!」というように、伝え方を変えてみましょう。

親が環境を与えることが大切 

子どもの強みを見つけたら、その分野を生かせる課外活動や習い事に参加させてあげましょう。「負けず嫌いの子」であれば、どんなスポーツに参加させても大いに能力を発揮するはずです。「負けず嫌い」はスポーツでは最も大切な素質です。「絶対に負けたくない!」という気持ちが強ければ強いほど、人よりも努力しますから上達が早いのです。
 
また、スポーツに参加すると親以外の大人たち、コーチや周囲の親からも「◯◯ちゃんは負けず嫌いで強いね!」と褒めてもらえます。他者から褒められる経験が強みをさらに大きく伸ばしてくれます。どんな分野でも構いません。「強みを伸ばす子育て」をぜひ実践してください。
 
(2017年1月1日号掲載)

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