キンダーに就学できる年齢は?歯科検査が必要って本当?

Q. 子供をキンダーに就学させられる年齢を教えてください。

この夏に渡米しました。友人から、長女が「9月からキンダーに入学する年齢だ」と言われたのですが…。

A. 12月2日以前に5歳になる子供が対象です。

松本輝彦(INFOE代表)

小・中学校での英語教育

「保護者は、子供をキンダー(Kindergarten)に就学させる義務はない。しかし、保護者が希望すれば、12月2日以前に5歳になる子供を、学校開始時か子供が編入して来た時に、学校は受け入れなければならない」とカリフォルニア州の法律で決められています。

入学手続き
まず、通学校区になっている小学校に出向き、事務室で入学手続きについて聞いてください。もし、学校が夏休みで閉まっているならば、学校区(School District Office)へ行ってください。具体的な入学手続きについて教えてもらうには、お子さんの年齢と居住地を証明する書類が必要です。法律で決められた予防接種を受けていれば、必要書類に記入し提出して、入学手続き完了です。

学校区にもよりますが、先生が子供にインタビューをして、指導・授業についていける学力や英語力を判定します。知的発達や共同生活へのトレーニングが不十分で、キンダーへの入学を1年延ばすようにすすめられることもあります。

●キンダーの生活
キンダーは公立小学校に併設されており、幼児の安全のためのキンダー専用の校舎や遊び場などが作られています。授業開始は小学校と同じ時刻で、午前中の4時間が指導に当てられ、お昼に下校します。保護者が送迎するのが基本です。

●キンダーでの教育
キンダーでの教育は、「子供の社会的・感情的・身体的・知的な成長を最大限伸ばす」のが目的です。そのため、教員資格を持った先生がクラス担任となって、継続した指導を行います。カリフォルニア州がガイドラインで決めた基本的なカリキュラムは、日本とよく似ています。従って、日本からの保護者が、キンダーでの日常の指導に大きな違和感を持つことは少ないと思われます。

ただ、日本以上に、先生の判断で具体的な内容が決められることが多く、クラス・先生ごとの指導内容の違いとなって現れます。また、最近のアメリカ全体の傾向で、知的発達に重点を置く指導が増えています。

●1日キンダー?
全米規模での幼児早期教育(Early Childhood Education)の流れを反映して、指導時間の長い教育(Extended-day Kindergarten)を提供するキンダーが、1998年で約半数と、増えています。一般に1日キンダー(Full-day Kindergarten)と呼ばれ、通常4時間の半日でなく、小学校低学年と同じ下校時刻まで指導時間を延ばすプログラムです。

その目的は、指導時間を長くすることで、短時間の指導より教育内容の充実を図ろうとするものです。また、働く保護者の送迎の便宜に応える意図もあります。この時間延長に必要な州からの財政援助(先生の給与など)はありません。実際の時間延長は、学校区の判断に任され、各学校区の財政状況などに応じて、指導の時間延長が決められます。お子さんが通学するキンダーで時間延長指導があるか、確認してください。

●私立のキンダー
私立のキンダーも多くあります。上で紹介したプログラムを基本として、各キンダーの特徴的なプログラムを加えています。例えば、英語に加えて日本語の指導をする、また、公立キンダー以上のレベルの学習内容を教える私立のキンダーなどがあります。働く両親の時間に合わせて、夜まで保育をするキンダーや、昼の下校時にキンダーに子供を迎えに来て、午後、子供の面倒を見る私立のデイケア施設もあります。

●アメリカでの教育の始まり
キンダーは、アメリカでの義務教育の始まりです。公立学校での義務教育は「良きアメリカ市民を育てる」のが目的の1つで、さまざまな内容・工夫・仕掛けが、キンダーの教育指導に散りばめられています。幼児の教育として、知的な指導、マナーなど、アメリカでの社会生活の基本を指導されます。

その日々の指導が、「日本人に育てる」ための日本人家庭の教育内容と異なり、戸惑いが出てきます。その違いを受け止め、乗り越えて、海外で子育てをするには、「お子さんと一緒に、保護者もアメリカの教育について学ぶこと」が必要です。

子供にとってキンダーでの教育の始まりは、保護者にとってもアメリカでの教育の始まりです。頑張ってください。

(2008年8月16日号掲載)

Q. キンダーに入るのに、歯の検査が必要だと言われました。どうすれば良いですか?なぜ必要なのですか?

 

A. 加州の法律で、キンダー入学前に歯の検診が必要です

松本輝彦(INFOE代表)

2007年1月施行の州法で、キンダーか1年生入学前か在学中に、歯の検診(Dental Checkup)を受けることが義務付けられています。

●検診の時期
歯の検診は、次のどちらかの期間に受けてください。
①キンダーか1年生に入学前の1年以内
②キンダーか1年生に入学している子供は、その学年が終わる前の5月31日まで

●フォーム
現地校で「Oral Health Assessment/Waver Request Form」をもらい、検診した歯医者さんに必要事項を記入してもらいます。

このフォームは、通常、入学案内のセットの中に入っています。見あたらない場合は、学校の事務室にお聞きください。

●検査内容
フォームの歯医者さんの記入欄を見ると、「目に見える虫歯はありますか?」「歯に詰め物はありますか?」「治療の必要性は?」といった質問だけで、虫歯の有無を目で見るだけの簡単な検診で済むと思われます。

●提出
歯医者さんに記入してもらったフォームは、学校へ提出してください。

●検診費用
検診の費用は、自己負担です。必要なら、カリフォルニア州などからサポートが受けられますので、学校からの案内をご覧ください。

詳細については、次のホームページを参照してください。
California Department of Education:
www.cde.ca.gov/ls/he/hn/oralhealth.asp

California Dental Association:
www.cda.org

☆☆☆

なぜ、歯の検診?

「ギャングや非行少年・少女の中に、虫歯が多かったり歯のケアが不十分な子供が多い」「歯のケアの不十分な子供は、学校を欠席することが多い」。

実は、近年の調査や研究で、このような「歯やあごの健康」と「子供の生活・健康・学業」との関係が明らかになってきました。また、最近は、脳の働きの研究からも「かむ回数が多いと、脳の活動が活発になる」などの見解も出てきています。

そんな事情に詳しい歯医者さんたちの運動が実って、「キンダー入学前の歯の検診を義務付ける」法律の条項が、カリフォルニア州の教育関連法の中に入れられました。このような法律はアメリカでは初めてでしょう。しかし、ヨーロッパのいくつかの国では、子供の健康・教育向上のために、「子供の歯の無料定期検診」を行っている国もあります。

●日本では
日本では、「歯医者に行くのは、虫歯の治療」だけと考えている人が多いようです。歯列矯正中の子供の数も、アメリカの方がずっと多いことに、皆さんも気付いておられるでしょう。アメリカ人の矯正の多さは、「歯並びの美しさ」だけではなく、健康を大切にしているからなのです。

歯のケアに熱心でない日本人の口の中を見た、欧米の人たち(特に歯医者さん)の間では、「日本人は、歯の手入れが悪い」と言われているそうです。しかし「食育」がブームですので、健康や教育という観点からも「歯のケア」を考えてみることが、大切ではないでしょうか。歯がないと食べられませんから(笑)!

●乳歯を大切に!
私は、日本の歯医者さんと協力して、「歯育-歯のケアを通して、知的発達を促す」という、若いお母さんたちが対象のプロジェクト(www.nobukids.com)で活動をしています。

その活動を通して、「乳歯とそのケアの大切さ」を痛感しています。例えば、「お母さんの口の中でかみ砕いたり柔らかくしたりした食べ物を、赤ちゃんや乳児に与えると、大人の虫歯菌を口の中に移してしまう」「歯のかみ合わせの悪い子供は、学業成績が悪いという統計結果がある」などです。

お子さんの歯を大切にしてあげてください。

(2009年2月16日号掲載)

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