日本の学校への短期留学について教えてください

Q. 日本の寮がある高校への留学。どんな生徒が、何を目的に参加?

 

A. 海外子女+外国人が留学中。日本語・文化の習得に大きな成果

松本輝彦(INFOE代表)

昨年のこのコラムの「高校生の日本留学」を読んで、全寮制の日本の高校に留学する生徒が出てきました。その高校生たちの留学の目的と学習・生活の様子を紹介しましょう。

明徳「1年留学プログラム」

以前紹介したのは、明徳義塾高校(高知県)の「1年留学プログラム」です。この学校では在校生の9割(約800人)が寮生として、校地に住む教職員(とその家族)と共同生活をしています。また、留学生(300人・日本の高校で最多)向けの基礎日本語から、大学入試向けの高レベルの国語まで、数多くの授業が提供されています。

◎Aさんの場合
アメリカ人・日本人をご両親に持つAさんが、このコラムで明徳のプログラムを知ったのは、高校11年生の初めでした。

バイリンガルに育てたいというご両親の強い希望で、毎年のように、夏休みに日本に滞在していたAさんですが、「日本の高校生活を体験したい」と希望して、11年生の4月から8月の終わりまで、明徳の制服を着て、寮生活を経験しました。

日本語の日常会話には困りませんが、読み書きは小学校3年生程度。日本語クラスで特訓を受けると同時に、留学生と一緒に他教科の勉強もしました。放課後の部活動では「和太鼓」を選び、夢中になって活動を楽しみ、和太鼓大会出場を最後に、アメリカに帰国しました。

12年生の初めから現地校に戻り、アメリカの大学に出願中です。明徳での経験で自信を得て、少なくとも1年は日本の大学で学び、卒業後は日米の橋渡しになるビジネス関係の職業に就きたいと希望しています。

◎B君の場合
ご両親が日本人でロサンゼルス生まれのB君は、メキシコの高校9年生でした。ご両親がサンディエゴで手にしたライトハウスのこのコラムを読んで、B君の明徳への留学が決まりました。

数多くある部活動の見学中に、重量挙げのコーチに「良い体格しているな、少し挙げてみろ」と言われました。初めてリフトしたところ、そのコーチの「重量挙げの才能がある!」の一言で入部。その後の3カ月間の上達ぶりがケタ違いに素晴らしく、オリンピック選手を育てた有名なコーチが東京から高知まで出向いて指導に来るほど。周囲の期待と同時に、「日本のチャンピオンになる」と本人も自信が付いてきました。

大学進学は、「メキシコには大学が少ないので、アメリカの大学へ」と計画していましたが、「勉強と重量挙げの両立を」との希望が強くなり、1年の留学を3年に伸ばし、日本の大学への進学も考え始めました。

◎C君の場合
英語と韓国語のバイリンガルで育った9年生のC君は、3年ほど前から日本文化に興味を持つようになりました。高校の日本語クラスだけでは物足らず、日本語学校に通い、家庭教師にも付いて、日本語・日本文化を学びました。

ある日、明徳のパンフレッ卜を日本語学校で貰って帰って来て、「明徳へ行きたい」と言い出しました。「他の子供と違う教育を」と考えていたご両親にとって、アジアからの留学生が3割を占める明徳のユニークさと、韓国からの留学生も多く、C君が英・韓・日の3カ国語を身に付ける機会は魅力的なので、留学を決めました。

日本語の日常会話がやっとのC君ですが、寮で同室のB君と英語で意思疎通し、日本語のサポートを受けられるので、入学後3カ月で見違えるように日本語力が向上しました。同時に、寮生活を通して、挨拶・食事などの日本的なマナーも身に付き、「留学生が多く、楽しい」と明徳での生活をエンジョイしています。

多様な留学生と目的

昨年始まったばかりの明徳の1年留学プログラムは、ここで紹介したように、多様な子供たちが異なった目的を持って入学しています。しかし、その子供たちに共通するのは、「日本の学校生活を通して、日本語・日本文化を身に付ける」ことです。永住予定や長期滞在の日本人家庭が増えています。その様なご家庭のお子さんたちを「日本人に育てる」例として、ユニークなプログラムで学ぶ生徒を紹介しました。

留学プログラム説明会
ロサンゼルス・オレンジカウンティー地区
2月4日(金)、5日(土)、6日(日)
詳細:明徳義塾ホームページ(www.meitoku-gijuku.ed.jp

(2011年2月1日号掲載)

Q. 日本で短期に学べる学校を教えてください

アメリカ永住予定の高校生です。短期で学べる日本の学校は?

 

A. 高知の明徳義塾は、1年間の留学が可能な、寮のある学校です。

松本輝彦(INFOE代表)

長期滞在・永住の子供の日本語・日本文化の習得

「日本人に育てたい」「日本語・国語の力を伸ばしたい」「日本の習慣・文化をしっかり身に付けさせたい」。

アメリカでの滞在が長くなってきた、または永住予定の保護者の皆さんから、最近よく出る質問です。アメリカでの教育に加えて、日本語や日本の習慣・文化を、子供に身に付けさせたい保護者の希望を反映した言葉です。

日米のバイリンガル、さらには両方の習慣・文化を身に付けることは、ただ単に親の希望だけではなく、子供本人にとって将来の大きな宝になることは、間違いありません。

このような、長期滞在・永住の子供を短期・長期的に受け入れて、「日本人」に育てたいという保護者のニーズに応えてくれるプログラムを持つ、日本の学校を訪問する機会がありましたので紹介しましょう。

明徳義塾の特徴

四国・高知県にある、地元の通学生・日本全国から寮生・外国人留学生・外国からの日本人生徒などの多様なバックグラウンドを持った約900名の生徒が学ぶ中学・高校。数多くのプロ選手を輩出するスポーツ活動で有名です。

この学校は、海外から子供を送り込む保護者にとって大きなメリットとなる、2つの特徴を持っています。

1. 安全な寮生活
第1の特徴は、広大な学校の敷地内で、数多くの寮に住む約800名の中学・高校生と、およそ150名の教職員とその家族が共同で生活し、教育のためのコミュニティーを作り上げていることです。

先生方が生徒を監督するのではなく、朝から夜まで「師弟同行」として生徒と共に生活し、指導しています。

海外から子供を日本に送り込む時に、学業以外の日常生活や環境が心配になります。しかし、この学校は、留学生だけではなく、日本国内から生徒が多く来て寮生活をしていることからわかるように、安心して送り込める寮・指導体制などの環境が整っています。

2. 初歩の日本語から国語まで
第2は、全生徒数のおよそ3割を占めている外国人留学生の存在と、30年間にわたる留学生受入れプログラムです。

「あいうえお」を学んだ経験もない留学生向けの日本語の基礎クラスから、日本の大学入試向けのレベルの高い国語のクラスまで、多くの日本語・国語習得のための授業が提供されており、長年の経験を経て充実した指導が行われています。

海外の子供たちの日本語力には開きがあります。高校生でも、日本の小学校程度の読み書きができるとは限りません。

ところが、帰国生受入校でも、あまりにも低い日本語力を指導できるプログラムを持っている学校はほとんどありません。留学生への指導実績の豊富なこの学校の、幅広いレベルに対応した日本語教育が受けられるのは、海外滞在が長い日本人の子供にとっても大変メリットです。

多様な学習プログラム

明徳義塾は、これらの特長を活かして、海外・帰国生にとってメリットのあるいくつかのプログラムを持っています。

1. サマースクール(体験入学)
サマースクールでは、レベルの異なる日本語・国語クラスと日本文化学習の活動があり、海外から一時帰国した生徒とすでに帰国した生徒が一緒に学んでいました。

公立の小学校・中学では夏の体験入学を受け入れてくれますが、高校生になるとその機会は限られます。寮生活も含めて、日本の高校生活を体験させる良い機会になります。

2. 留学
海外生活が長くなった子供たちが日本語・日本文化を習得するために1年から3年間の留学をする。たとえば、9~12年生の間の1年間であれば、アメリカに帰ってきた後、現地高校の卒業も遅れることなく、大学に進学することも可能です。

子供をアメリカの高校からアメリカの大学に進学させる場合でも、1年間の留学は、日本での生活体験をさせる良い機会となります。

また、高校3年間の留学の後、日本・アメリカを含む海外の大学へ進学することも可能です。

(2009年8月16日号掲載)

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