コミュニティカレッジから4年制大学への編入で注意することとは?

A. 1年間で4年制大学への進学が決まる。英語のエッセイが鍵

松本輝彦(INFOE代表)

高校卒業後、コミュニティカレッジで学び、4年制大学(以下、大学)に編入(転入学)する人へのアドバイスです。

コミュニティカレッジから4年制大学への編入のステップ

編入とは、通常、コミュニティカレッジで2年間の学習後、大学の3年生として転入することです。大学は、編入後の学業に困らないように、その大学の学部や専攻の1、2年生が学ぶのと同等の内容やレベルの学習を済ませてきたコミュニティカレッジ生を受け入れます。
 
コミュニティカレッジと地元の大学が編入の協定を結んでいるのが一般的です。その協定には、希望の学部・専攻に編入するためには、コミュニティカレッジでどのクラスを受講し、何単位を取得し、最低どのくらいの成績平均点(GPA)を取る必要があるのかなどが細かく決められています。
 
編入を希望するコミュニティカレッジ生は、大学に転入学するまでに決められた入学条件が満たされる段階になったら、大学に出願します。大学の入学時期は月ならば、出願は前年の冬(11、12月)となります。出願後、コミュニティカレッジの残りのクラスを受けながら、春(3月頃)まで入学合否の通知が届くのを待ちます。いくつかの大学に出願するのが普通ですので、入学許可が出た大学を選び、進学する旨を連絡します。コミュニティカレッジの授業がすべて完了したら、最終の成績書を大学に提出し、秋から3年生として大学で学ぶことになります。
 
以上が、コミュニティカレッジから大学への編入の一般的な流れですが、冬以外の時期に編入する場合や、地元にはない遠隔地の大学へ進学する場合は、手続きが異なります。

コミュニティカレッジからの編入における注意点

コミュニティカレッジ2年から大学3年への編入に成功するためには、次の点に注意してください。
 
①コミュニティカレッジとは
2年制のコミュニティカレッジは、4年制大学への転編入の基礎学習の場であると同時に、社会人の生涯学習や職業訓練のための学習の機会も提供しています。そのため、年齢も目的も大きく異なる人たちが、同じ授業を受けています。
 
30人くらいのクラスであれば、真剣に大学への編入を目指している人の数は、1割にも満たないと思ってください。その中で緊張感を持って、編入のための勉学を続けるのは、あなた自身の強い意志が必要です。
 
②1年目で決まる
大学への出願は2年目の秋ですので、実際に大学へ送られる成績は1年目のものだけです。最初の1年間(2、3セメスター)の成績で、大学への編入が決まることを頭に叩き込んでください。
 
また、大学の出願条件の一つに成績平均点があります。コミュニティカレッジで「A」または「B」の成績が必要で、「C」はまともな成績とはみなされない、と考えてください。

高校のプレッシャーから解放されて、自由な雰囲気のコミュニティカレッジで「ゆっくりスタート」した最初のセメスターで1つでも「D」や「F」を取ったら、編入は「夢」に終わってしまいます。
 
③エッセイが大変
コミュニティカレッジ、大学での学習に最も大切なのが「エッセイ力」です。「フレッシュマン・エッセイ」は、大学生の学習に欠かせないこの力を身に付けさせるために必修科目とされているのです。

他の科目、例えば「ミクロ経済学」「社会学概論」などの科目は未だ学んだことのない内容なので、コミュニティカレッジでの授業を一生懸命頑張るしかありません。数学や理科系科目では自分のレベルに合ったクラスを取ることができます。
 
しかし、「英語」クラスでのエッセイ力は、小学校から高校までの学習で積み重ねてきたものです。多くのコミュニティカレッジ生が「英語」で成績を落としてしまいます。エッセイ力が弱いと感じている人は、コミュニティカレッジが始まる直前の夏休み中に、真剣に復習しておくことを強くすすめます。
 
◇  ◇  ◇
 
12年生の皆さんの中に、希望する大学の入学許可を勝ち取れなかったので、コミュニティカレッジで学び、4年制大学に再挑戦する人も多いと思います。
 
アメリカは、大学での教育にも「セカンド・チャンス」を与えてくれる国です。自分自身の高校卒業までの学習を反省して、そのチャンスを活かせるように、全力で頑張ってください。
 
(2011年4月16日号掲載)

Q. 編入(転入学)の際のコミュニティカレッジの役割とは?

12年生の息子が、卒業後、コミュニティカレッジからUCに編入を希望しています。コミュニティカレッジの役割とは?

A. 学校教育で「セカンドチャンス」を与えることです

松本輝彦(INFOE代表)

コミュニティカレッジからの編入制度の背景

カリフォルニア州の高校卒業生のトップ10%程度がUCに、トップ35%程度がCal Stateの各キャンパスに進学します。これらの大学の合格を勝ち取るためには、高校3年間の高い学業成績(GPA)と統一試験の高得点が要求されます。さらに、入学後の学習も厳しく、良好な成績(GPA)を維持しないと退学処分になります。
 
そのため、2年次終了時点で、各大学で3割から半数近くの学生が学業を断念するか、ほかの大学へ移ります。欠員を補充するため、コミュニティカレッジからの編入(転入学)制度があります。

編入へのステップ

各コミュニティカレッジの学生が、それぞれの4年制大学(以下、大学)に編入するための条件を取り決めた協定が、コミュニティカレッジと大学の間で結ばれています。
 
① 受け入れる大学の各専攻・学部の1・2年生が受講するのと同等のレベル・内容のコミュニティカレッジの科目・クラス。
② それらのクラスの必要単位数と、平均成績(GPA)や最低基準(B以上等)。
 
大学に編入を希望するコミュニティカレッジの学生は、コミュニティカレッジの授業スケジュールから、編入の協定で指定された科目・クラスの授業を受けます。通常、クラスの受講には2年かかります。コミュニティカレッジ入学時点で実施されるクラス分け試験(Placement Test)の成績が良くないと、指定科目の基礎的な内容を学習するレベルのクラスを取るよう指示されます。数学の基礎クラスや英語の入門クラス(ESL含む)を受講する場合は、3年以上かかることもあります。
 
指定科目のクラスの受講を完了して、基準の成績をあげた学生は、希望の大学に出願し、入学許可の判定を受けます。合格すれば、大学の3年生として勉強することになります。

コミュニティカレッジのメリット

① 大学編入向けのクラスでは、大学レベルの授業の学力・スキルを基礎から身に付けさせるのが、コミュニティカレッジの目標。高校の学習が十分でない学生には、基礎力を補充するカリキュラムが組まれ、丁寧な指導をする教員が多く見られる。
② 高校卒業が、コミュニティカレッジ入学の基本的な資格。高校で悪い成績でも入学は許可。
③ 1単位20ドル(加州民の場合)、1セメスターに通常12単位程度受講。この授業料は、UCの約8千ドル、CSUの約5千ドルの年間授業料に比べて、非常に安い。
④ どのコミュニティカレッジも、UC(UCLAやUC Berkeley含む)とCSUへの編入がほぼ可能。
⑤ 南カリフォルニアには非常に数多くのコミュニティカレッジのキャンパスがあり、日夜、クラスを開講している。学生の生活に合わせた受講が可能。
⑥ 大学の授業は高校と違い、自分の興味のある科目・内容のクラスを自由に選べる。また、授業も週に1・2回のものが多く、自分の勉強時間が増える。

編入希望者への注意

「GPA 4.0」が編入への目標です。それぞれに4年制大学が求めている科目ですべて「A」を取れば、必ずその大学に編入できます。例え世界でトップレベルのUC BerkeleyやUCLAであっても、必ずコミュニティカレッジから編入させてくれます。
 
コミュニティカレッジは、コミュニティーの人たちの学習の場として、若者から退職者まで幅広い年齢や職業の人が、実用からアカデミックな内容までのさまざまなクラスを受講しています。大学編入のための一部のクラスを除けば、編入を希望する学生も、先に述べた多くの人たちと一緒のクラスで授業を受けることになります。のんびりしたクラスの雰囲気に流されずに、「大学編入」という目標を明確にした勉強を続けなければなりません。
 
そのためには、高校時の勉強方法を大きく変えることです。コミュニティカレッジで授業に出る時間は高校の時の数分の一で、自分の勉強に使える時間が大幅に増えます。この時間を友人と楽しく過ごしていたのでは、大学編入は叶いません。
 
すべてのクラスで「A」が取れる勉強を「やってみよう」「やってみたい」という人が、大学への編入ができます。成績(GPA)だけで決まるのが編入です。どんなことをしても「A」が取れれば成功するのです。やる気のある人だけに与えられるのが、「セカンドチャンス」です。
 
(2008年8月1日号掲載)

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