FAFSA最新情報

米国の大学にファイナンシャル・エイドを得て進学を希望する学生が登録するFAFSA(Free Application for Federal Student Aid)が、2016年10月から刷新されます。登録開始時期が3カ月早まるとともに、登録システムにも変更があります。
アメリカの大学の学費は高額なので、多くの学生はファイナンシャル・エイドを得て学費を抑えて大学に進学します。ファイナンシャル・エイドにはさまざまな種類がありますが、その中で、学費全額を自費で支払うのが困難な学生が不足分(ファイナンシャル・ニーズ)の一部を負担してもらう制度が、ファイナンシャル・ニーズベースの奨学金です。そして、このファイナンシャル・ニーズを算出するために最も広く利用されているサービスがFAFSAです。
 
各家庭が1年間に負担できる学費の上限額をEFC(Expected Family Contribution)と言います。このEFCが、1年間にかかる学費の総額(授業料、寮費、食費およびその他の諸経費)を下回る場合、差額がファイナンシャル・ニーズとなります。FAFSAに登録されている家庭の収入や資産の情報を元に、EFCが算出されます。FAFSAに登録するとSAR(StudentAid Report)というレポートが提示され、そのレポートからEFCの額等が分かります。

FAFSA登録開始時期の変更

従来FAFSAの登録開始日は高校最終学年(12年生)の1月1日でしたが、今年度から12年生の10月1日に変更されます。3カ月の前倒しにより、FAFSA登録開始時期が大学出願後から出願前に変わるため、受験生は自分のファイナンシャル・ニーズの額を確認してから出願大学を選べるようになります。
 
登録開始時期の変更に伴い、大学進学年度の前々年のタックス・リターンの情報が必要となります。例えば、17年秋に大学に進学する学生の場合、FAFSAの登録開始は16年10月1日、その際に15年のタックス・リターン情報が必要です。なお、タックス・リターン情報はIRSから直接FAFSAに取り込めるようになるため、FAFSA登録時の入力作業が軽減されます。

大学が得られる情報の制限

FAFSAに登録する際、FAFSAの情報を開示する大学を10校までリストアップできます。このリストに載った大学は、受験生の経済状況を知ることができ、それに応じてファイナンシャル・エイドの額を決めます。
 
従来のFAFSAでは、情報を開示された大学は、その学生が他にリストアップした大学名や大学のリストアップの順番を知れました。そのため、アドミッションが自分の大学を上位にリストアップしている学生を優遇する等の操作を行えました。今年度の変更で、大学は学生がリストアップしている他大学の情報にアクセスできなくなるため、受験生はもう大学の順位を気にする必要はありません。

FAFSAとCSSPROFILE

FAFSAによるEFCの算出方法はFM(Federal Methodology)と呼ばれています。全米で広く利用されていますが、EFCの算出方法はFMだけではありません。ファイナンシャル・エイドが充実している一部の大学では、大学独自の基準でEFCを算出しており、それはIM(Institutional Methodology)と呼ばれています。IMを採用する大学は、主にカレッジボードのCSS PROFILEというサービスを利用しています。
 
FAFSAは米国の市民権または永住権を有する学生が対象であり、非永住の学生は利用できません。従って、FMを採用する大学は、FAFSAの対象とならない学生のファイナンシャル・ニーズは一切考慮しません。これに対し、非永住の学生のファイナンシャル・ニーズも考慮する大学は、IMを採用しています。非永住の学生や外国人留学生にもCSS PROFILEの提出を求める大学は全米で100校以上に上ります。CSS PROFILEの登録開始日も12年生の10月1日です。
米国市民や永住者がIMを採用する大学を受験する場合は、CSS PROFILEに加えて、FAFSAも提示する必要があります。なぜなら、ファイナンシャル・ニーズをカバーする際に、大学独自の奨学金制度だけでなく、Pell Grantのような政府の奨学金制度も使われる可能性があり、その場合はFAFSAの情報が必要となるからです。
 
大学からファイナンシャル・エイドを得ている場合は、大学進学後もFAFSAの情報が使われますので、FAFSAの情報は毎年更新します。年度の途中で家庭の経済状況が大きく変わった場合は、速やかに大学のファイナンシャル・エイドのオフィスに連絡を取り、対応を相談することをおすすめします。
 
(2016年8月16日号掲載)

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