ファイナンシャル・エイドの基礎知識Q&A

アメリカの大学に進学する際、学費の高さは常に大きな問題となります。大学によっては年間6万ドルにもなる負担を少しでも軽減するために、多くの学生は大学のファイナンシャル・エイドを活用しています。
 
先日大学進学セミナーを行った際、アメリカのある名門私立大学でファイナンシャル・オフィサーとしてアドミッションに関わってこられた専門家に話を聞く機会がありました。今回は、そこでの質疑応答をご紹介します。

Q:ファイナンシャル・エイドにはどんな種類がありますか?

A:次の3つに大別されます。
 
①返済不要なタイプ
奨学金のことです。奨学金には、学生の経済的な必要性に応じて給与されるニーズ・ベースの「グラント」と、学生の評価に応じて給与されるメリット・ベースの「スカラシップ」に大別されます。また、選手として活躍するアスリートに給与される「アスレチック・スカラーシップ」も返済不要です。
 
②返済が必要なタイプ
いわゆる学費ローンです。政府が補助するローンには、学生本人が借りられる無利子の「学生ローン」と、学生の保護者が低金利で借りる「プラスローン」の2種類あります。学生ローンは、初年度は3500ドル、2年目は4500ドル、3年目以降は5500ドルまで借りられます。学生ローンは、大学卒業後半年間は返済義務が発生しません。プラスローンに上限はありませんが、学費に必要な額以上は借りることはできません。これら以外に民間の金融機関のローンもありますが、条件面で不利なのでおすすめはできません。
 
③働いて稼ぐタイプ
大学内でアルバイトをすることで、「ワーク・スタディー」と呼ばれており、これもファイナンシャル・エイドに含まれます。しかし単なるアルバイトではなく、学生が学業の合間に無理なく働けるよう配慮されたプログラムです。

Q:①は誰が負担しているのですか?また奨学金の額は大学により差はありまか?

A:奨学金の大半は、大学が保有する基金(Endowment)から支払われます。基金の大きさは大学により異なり、資金力のある大学はより多額の奨学金を給与できます。また、アメリカ政府や各州政府が負担する奨学金もありますが、これらはすべてグラントです。

Q:ファイナンシャル・エイドの応募方法は?

A:まずは、CSS Profile(www.profileonline.collegeboard.com)とFAFSA(www.fafsa.ed.gov) に登録します。CSS Profileは、12年生の年の10月1日、FAFSAは同じく1月1日以降に登録できます。出願の際はアプリケーションだけでなく、FAFSAとCSS Profileの3つをセットで準備してください。

Q:ファイナンシャル・ニーズの算出方法は?

A:家庭が1年間に負担できる学費の上限を示すEFC(ExpectedFamily Contribution)が年間の学費より少ない場合、学費とEFCの差額がファイナンシャル・ニーズとなります。EFCは、FAFSAに登録された情報を基に計算されます。

Q:ファイナンシャル・エイド・パッケージとは?

A:大学が合格者に対して学費をどのように支払うことができるかを示した書類です。パッケージの中には、大学から給与される奨学金の額に加え、ローン、ワーク・スタディーなども含まれます。ファイナンシャル・エイド・パッケージの作成は毎年1月から始まり、アプリケーション、FAFSA、CSS Profile など必要な情報がすべて揃っている合格者からパッケージ作りを始めます。

Q:ファイナンシャル・エイドの金額が入学後に減ることはありますか?

A:あります。ただし、大学が意図的に減らすわけではありません。例えば、グラントは家庭の経済状況の変化に応じて変動します。スカラーシップは、一定の条件を満たせば翌年度以降も継続されますが、GPA等の基準を満たさなければ打ち切りになったり、額が減ったりする場合があります。
 
当日のセミナーでは、ファイナンシャル・エイドとアドミッションは密接な関係があるため、アドミッションのプロセスに関する質疑応答も行いました。その内容は、次回ご紹介します。
 
(2012年9月16日号掲載)

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