グローバル社会を支える日本の子どもたち

近年、日本の若者の内向き姿勢が顕著になっているとよく耳にします。これを裏付ける調査結果を紹介しましょう。ここ10年で日本からアメリカに来た留学生の数は半数以下に減ったのですが、同期間に韓国やインドからの留学生が5割増え、中国からは3倍以上に増えました。これらを比較すると、日本はグローバル化が進むアジアの潮流に逆行しているように感じられます。

深刻さが増す・グローバル人材不足

少子高齢化が進み、国内市場が飽和する中、日本企業が生き残るにはグローバル化が不可欠です。しかし、日本の産業界は、グローバル化を支える人材が育っていないことに危機感を持っています。日本の大学は、教育のグローバル化を掲げた取り組みを進めていますが、状況は改善されていません。
 
このような深刻な日本の状況を救ってくれるのは、海外で育つ子どもたちかもしれません。アメリカで育つ日本の子どもたちは、日米2つの言語を操り、2つの文化に接しています。それに加え、第3の言語を学ぶ生徒も少なくありません。子どもたちは無意識のうちに国際感覚を身に付け、国際社会へ目を向けています。将来日本で活躍し、日本の社会や経済を支える人材がここから生まれてくることを期待できます。日本の若者の内向きな姿勢は、海外で学ぶ日本の子どもたちにチャンスをもたらしているのです。

高校生と親に広がる日本の大学への危機感

ところが、ここ1、2年で日本に新しい動きが見られるようになりました。日本の高校を卒業した後、日本の大学でなく、アメリカの大学(学部)への留学を目指す学生の増加が顕著になっているのです。少し前までは、留学といっても、語学留学や海外経験をする程度の学生も少なくない時代もありました。しかし最近は、日本の有名大学に進学できるレベルの高校生がアメリカの名門大学を目指す事例が増えています。
 
これまで、日本の有名大学への進学を希望する優秀な学生が多かった進学校では、海外留学を積極的に支援してきませんでした。では、何が彼らの意識を変化させたのでしょうか。私は、学生や保護者の中に広がる「危機感」だと感じています。
 
それは、日本の有名大学の卒業証書だけで将来が約束された時代ではなくなったこと、日本の大学を卒業しても、グローバル時代の中で競争力が身に付かないのではないかという不安に起因していると考えます。「先行き不透明な時代だからこそ、社会や企業が変化しても生き残れる力をつけるべき」と考え、海外に目を向けるのは、自然な流れかもしれません。

アメリカの大学で学ぶ価値とは

真の国際人を目指す学生も増えています。そのような学生にとって、世界中から76万人の留学生が集まるアメリカの大学は魅力的なのです。グローバル社会で活躍できる人材を目指し、積極的に海外にチャレンジする若者が増えていることは大変喜ばしく、この流れはこれから大きく加速するのではないかと感じています。
 
アメリカの大学は、日本とは比べものにならないほど専攻の種類が多く、また進学後も自由に専攻が変えられるなど、学生本位の柔軟なプログラムが提供されています。しかし、日本の高校からアメリカの大学に進学する際のハードルは非常に高いのが現状です。
 
その点、アメリカで育つ子どもたちは、言葉や文化の壁をあまり意識することなく、進学準備が進められるわけですから、恵まれた環境にあると言えます。この環境を最大限に活かして、アメリカの大学にチャレンジして、ぜひ将来の日本を支える人材を目指してください。
 
(2013年12月16日号掲載)

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