大学後の進路〜大学院進卒業学〜

昨年末にアメリカの大学を受験した12年生の多くは、3月末には合否の結果が出揃います。この時点で多くの合格通知を受け取っている場合は、合格した各大学を4月中に訪問して自分との相性を再度見極めて、ベストな大学を5月1日までに選んで進学先を決めることになります。
 
しかし、中には満足のいく結果が得られなかった方や、将来の進路で迷っている間にアプリケーションの時期を逃してしまった方もいると思います。今回は、受験で失敗してしまった時の対応の仕方をお話しします。

アメリカの大学院の特徴

アメリカの大学院教育は、専門分野をより深く学習するためのプログラムです。多くの場合、独自研究に基づいた論文の作成と発表が求められます。学問を追求する一般の大学院(グラジュエイト・スクール)に対して、特定のキャリア・トレーニングを目的とした大学院はプロフェッショナル・スクールと呼ばれます。弁護士を目指す学生のための法科大学院(ロースクール)や医学を学ぶ医学大学院(メディカルスクール)などがこれにあたります。
 
大学院の専攻が学部と同じである必要はないので、大学院で学部とは異なる分野を学び、将来の進路の方向転換を図ることも可能です。特にプロフェッショナル・スクールでは、学部の専攻についての制約は一切ありません。例えば、学部で工学を学んだ学生が法科大学院に進学したり、学部で経済を学んだ学生が医学大学院に進学することは、決して珍しくありません。
 
アメリカの大学院の入学審査では、大学の成績とエッセイ、推薦状およびGRE(Graduate Record Exam)のテストスコアを提出します。また、面接を受ける場合もあります。一連の流れは大学(学部)の入学審査とよく似ています。大学院では、学部のような一本化された入学審査は行われず、各学部ごとに独自の入学審査が行われます。プロフェッショナル・スクールの入学審査では、GREの代わりに指定されたテストのスコアを提出します。

プロフェッショナル・スクールの入学審査で提出するテスト

法科大学院 LSAT(Law School Admission TEST)
医学大学院 MCAT(Medical College Admission TEST)
歯学大学院 DAT(Dental Admission TEST)
眼科学大学院 OAT(Optometry Admission TEST)
薬学大学院 PCAT(Pharmacy Admission TEST)
経営学大学院 GCAT(Graduate Admission TEST)

ただし、多くの経営学大学院ではGMATの代わりにGREを提出できる

大学院を視野に入れた大学選び

自然科学や工学、教育学など、アメリカで就職する際に修士レベルの学位が求められる分野も多く、大学院進学を前提とした大学進学をする学生も多く見受けられます。この場合は、学部教育は大学院進学の準備という側面もあるため、大学選びにも工夫が必要です。
 
学力の高い学生は、大学選びで知名度の高い大学に目が行きがちですが、必ずしもそれがベストな方法とは限りません。難関大学に進学しても、そこで満足のいく成績が残せなければ、大学院進学で不利になります。逆に、小規模で無名なリベラルアーツ・カレッジに進学しても、そこで手厚いサポートを受けて好成績を修めることができれば、大学院進学の選択肢は大いに広がります。
 
最終的に大学院まで進学する学生は、学部選びの際に専攻分野の評判などを気にする必要はありません。専門分野を極めるのは大学院に進学してからとなるわけですから、大学院選びの際に、自分の専門領域に力を入れている学校を探せば十分です。学部教育では問題の多い大規模州立大学も、大学院では質の高い教育プログラムを有している場合が多いです。大学院は高度な教育を受けて自分の専門分野を極める機関です。言い換えれば、明確な目標を持った学生が学ぶところです。「大学を卒業しても、就職先ややりたいことが見つからないから、とりあえず大学院に進学する」ような、曖昧な気持ちで進学しても、問題を先送りするだけで、満足のいく成果にはつながりにくいものです。大学院は、自分の目標が明確になり、必要に迫られた場合に進学を検討することをお勧めします。
 
(2016年5月16日号掲載)

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