リベラルアーツ・カレッジの特徴と選び方

アメリカの大学が「リベラルアーツ教育」に力を入れていることは、今までも何度かお話ししてきました。質の高いリベラルアーツ教育を提供するリベラルアーツ・カレッジ(LAC)は学生から高い人気を誇り、進学を希望する日本人学生も増えています。今回は、LAC(リベラルアーツ・カレッジ)の特徴と選び方についてお話しします。

学部学生のための教育プログラム

LAC(リベラルアーツ・カレッジ)は、幅広い教養の修得を重視した教育を行い、将来さまざまな分野で活躍できる人材を育てる大学です。特定の職業に直結する専門知識や技術の会得よりも、幅広い学問領域を学び、多分野にまたがる問題を解決する能力を高めることに注力しています。
 
一般的なLAC(リベラルアーツ・カレッジ)の特徴として、以下のような点が挙げられます。
①小規模:全学生数は700から2500人程度で、原則として学部のみ
②少人数制:1クラスのサイズは12から30人程度
③全寮制:大半の学生(70から100%)が寮生活
④個別指導:個々の学生に対するきめ細かいサポート
 
LAC(リベラルアーツ・カレッジ)の根幹をなすのが教職員と学生の密接な関係です。研究系大学がリサーチや大学院教育に注力しているのに対し、LAC(リベラルアーツ・カレッジ)では、全ての教職員は学部学生のためだけに存在します。
 
アイビーリーグをはじめとする大規模大学では、高名な教授が学部のクラスを担当することはめったになく、それどころか、アシスタントの大学院生が学部の授業を担当することもよく見受けられます。これに対し、LAC(リベラルアーツ・カレッジ)では、全てのクラスにおいて担当教授本人から学べます。
 
少人数のクラスでは先生への質問がしやすく、クラスのディスカッションにも参加しやすいなど、学習面で大きなメリットがあります。また、クラスでは全ての学生に気を配った指導が行われるので、単なる教科指導だけでなく、時には学習の進め方や日々の生活についてのアドバイスなども行われます。100人規模の教室でレクチャーを受ける大規模総合大学のクラスでは望むべくもないことです。
 
LAC(リベラルアーツ・カレッジ)では、それぞれの学生に進路カウンセラーが付き、クラスの履修方法や専攻の選び方、将来の進路に至るまで、親身になって相談に乗ってくれます。もし自分に合う専攻がない場合は、新たに専攻を作ってもらうこともできます。また、大学院に進学する学生のサポートも充実しており、一般的な修士課程だけでなく、ロースクールやメディカルスクール、Ph.Dなどを目指す学生の指導なども行われます。

就職にも強いリベラルアーツ・カレッジ

LAC(リベラルアーツ・カレッジ)では専門性が身に付かないので就職に不利だと言う人もいますが、実際はそうではなく、卒業生はあらゆる職種において高い競争力を発揮しています。その理由として、将来性と即戦力の両面で期待できることが挙げられます。
 
LAC(リベラルアーツ・カレッジ)で習得したスキル、例えば論理的な思考力や作文力、コミュニケーション力、問題解決力などは、生涯にわたって学び続けるのに必要な能力であり、就職活動の際に高く評価されます。このような能力を持つ卒業生は、職場でも大きく成長し、重要な役割を担っていくことになるのです。
 
LAC(リベラルアーツ・カレッジ)の卒業生は、即戦力としての価値も高く評価されています。ウィリアムズ大学の調査によると、LAC(リベラルアーツ・カレッジ)の学生は総合大学の学生に比べてインターンシップを通じて1年以上の経験を積んだ学生の割合が高く、また在学中に海外で学ぶ学生の割合も高いそうです。大規模大学の学生がクラスの中だけで学んだ知識よりLAC(リベラルアーツ・カレッジ)の学生が学外で積んださまざまな経験の方が、社会ですぐに役立つというのは頷けます。
 
LAC(リベラルアーツ・カレッジ)は小規模だということもあり、各大学の個性がはっきり出ています。そこで、自分との相性の見極めが非常に重要となりますので、なるべく多くの大学を訪問し、自分自身で判断してください。また、小規模故に、専攻の数や課外活動の種類なども大規模大学と比べると限られているので、自分に必要なサービスが得られるか、しっかり調べましょう。 
学費補助(FA)も、大学選びにおける重要なポイントです。LAC(リベラルアーツ・カレッジ)の奨学金の額は、一般的には州立大学と比べるとはるかに大きいですが、大学により、メリット重視、ニーズ重視など、FAの扱いが異なるので、自分にとってどのようなタイプの大学から奨学金が取りやすいのかも考慮して大学を選ぶことをお薦めします。
 
(2014年10月16日号掲載)

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