メリット・スカラーシップの獲得戦略

アメリカの大学に進学する上で、高額な学費は大きなハードルです。大学によっては年間6万ドルにもなる学費を全額払って進学するのは現実的ではなく、各大学はさまざまなファイナンシャル・エイドを提供して、多くの学生に進学の機会を与えています。中でも、メリット・スカラーシップの獲得は全ての学生が対象になるという点で、最も重要な方法と言えるでしょう。今回はメリット・スカラーシップの概要と獲得方法についてお話しします。

個人の評価で決まる奨学金

メリット・スカラーシップは、学力やリーダーシップなど学生個人の評価として提供される奨学金で、その金額は、2千ドル程度からフルスカラーシップ(学費全額免除)までさまざまです。中には入学する学生全員に同額を給与する大学もありますが、基本的には、大学がその学生をどれくらい欲しているかによって金額が定められるため、その額は一人一人異なります。
 
メリット・スカラーシップは、家庭の経済的ニーズの有無にかかわらず給与されます。また、原則として国籍やビザの種類も問わないため、非永住者や外国人留学生も対象となります。メリット・スカラーシップは、合格者に対して入学を促すためのツールとして利用されるため、合格通知と同時期にオファーされるのが一般的です。一定の条件を満たすことを条件に4年間同額が給与されます。なお他の奨学金と同様返済不要です。

自分を差別化できる大学選び

アドミッションを有利に進めるには他の学生との差別化が重要ですが、それは奨学金獲得でも当てはまります。自分を差別化できる大学、つまり自分が特別な存在になれる大学を選ぶことがポイントです。難関大学を避けて成績など学力面で他の学生と差別化できる大学を選ぶのは最もポピュラーな方法です。
 
「自分の成績では差別化は難しい」と悲観的になることはありません。自分が特別な存在になる方法は、成績以外にもいろいろあります。例えば、アドミッションにおいてダイバーシティは常に最重要テーマのひとつであり、少数派の学生は優遇されます。例えば、リベラルアーツ・カレッジでは男子学生が優遇され、工科大学では女子学生が優遇されます。同様に、白人比率の高い大学では、アジア系学生というだけで優遇されたり、中にはアジア系学生のためのメリット・スカラーシップを別途用意している大学もあります。

出願時期や大学数も重要

締切直前に願書を提出する学生よりも、早期に提出する学生の方が評価が高くなることは以前お話ししましたが、その評価の違いは奨学金の額にも影響します。早期にアプライする学生は自分の大学に高い関心を持っているので、メリット・スカラーシップを弾んで入学の意思を確実にしたいという意図が大学側に働きます。また、学生の評価が同じでも、アプライする時期によりメリット・スカラーシップの金額が異なる場合があります。奨学金の予算は限られているので、終盤になれば財布の紐は固くなりがちです。
Rolling Admissionを採用する大学では締切日は明確に定められていませんが、メリット・スカラーシップで有利な条件を得るためには少しでも早くアプライすることを心がけてください。また、早期締切(Early Action)が設定されている大学にアプライする場合は、ぜひこの制度を利用しましょう。
 
自分の強みを評価してくれる大学は必ずあるはずですが、どの大学が評価してくれるかを予測するのは困難です。そこで、なるべく多くの大学にアプライすることをお勧めします。もちろん、闇雲に受けるのではなく、自分に合ったプログラムがあり、かつ自分の強みを評価してくれそうな大学に狙いを定めて数多く受けてください。

自分の価値を明確に伝える

素晴らしいスキルや経験があっても、その価値が大学に伝わらなければ評価につながりません。アプリケーションのエッセイ等を利用し、自分の強みをきちんと大学に伝えましょう。自分がどのように成長してきたのか、またその成長が大学生活にどう活かされるのかを明確にしてください。
 
スポーツや芸術など特別な能力を持つ学生には、別途タレントベースの奨学金が用意されている場合が多いですが、メリット・スカラーシップの中でまとめて評価する大学もあります。いずれの場合でもアドミッションが自分の価値をしっかり認識していることが極めて重要なので、出願時期を待たずアドミッションと連絡を取り合うことも大切です。
 
(2015年7月16日号掲載)

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