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テルコ・ゴルノーのきままなスクラップブック

生活に「手作り」をたくさん取り入れたブログでお馴染みの作者 テルコさんの「手作りの宝物」をご紹介します。

テルコ・ゴルノー
テルコ・ゴルノー

2003年よりLA在住。趣味は陶芸・編み物・水泳・サルサなど。旅行も好きで今まで訪れた国は62カ国。

Vol.33)土曜のジレンマ その①

そのシロアリの害だらけの家を自分たちで改造することにしたのは、人を雇うお金がなかったのと、修理そのものが面白そうだと思ったから。私も夫もやりだすとトコトンのめり込む性質で、6年目の現在も半分ほどしか終わっていません。あまりに手を加え過ぎて、もう売れないし、売りたくない家になってしまいました。なぜかって?家中にモザイクを施してしまったからです。まるで身体中にタトゥーを入れてしまったような、良く言えば個性的、悪く言えば万人受けしない家。買った当初の白いペンキの外壁を見て、何色に塗り替えたら良いかピンと来なくて、「それならカラフルなタイルを貼ってしまおう」と思ったのがモザイクを始めたきっかけです。それからはモザイク狂まっしぐら。

最初の数年は、2人で毎週末を工事に充てていました。リビングとベッドルームが終わって、次はバスルームの番という時、もう諦めていたのに妊娠がわかり、人生がガラリと変わる分岐点に立ちました。大きなお腹で作業着がピチピチで入らなくなるまでモザイクしながらも、この先をどうするのか考えていたけれど、何事も計画通りにはいかないものです。

ソフィが生まれてからは、工事は二の次。でも、家はお風呂もなく壁も穴だらけ、赤ん坊と暮らすには難しい状態のままです。だから産後の体調が戻ったら、タイル貼りや地面掘りなど、娘を椅子に座らせて少しずつ始めました。1歳まではそれで何とかなったのですが、いったん歩き出すと危険があちこちに転がっています。釘、パワーツール、埃、どれもヨタヨタ歩きの幼児には危な過ぎます。お父さんっ子のソフィは、工事をする夫の腕にぶら下がって遊びたい。工事が思うように進まないのと娘に申し訳ないのとで、思いがけないジレンマを抱えてしまったのでした。


何か解決策はないかと話し合った結果、土曜日のデイケアを探して娘を預かってもらい、その間に私たちが工事をして、日曜日は工事をせずに家族の日にしよう、ということにしました。そうすれば少しずつながら工事も進むし、娘を危険な環境から守ることができる。日曜日には思いっきり遊んであげられるし、ケンカも減るでしょう、と。

アイデアは良かったのだけど「土曜のデイケア」を見つけるのが難関でした。1歳児ですから補習校というわけにいかないし、半日では足りない。信頼できる経験のある人を見つけるべく市に問い合わせ、もらったリストに片っ端から電話してみました。たった1つだけ条件に合ったユニークなデイケアが、この後のソフィの性格と、我が家の工事に大きな影響を与える出会いになったのでした。

次号をお楽しみに!




生後8ヶ月のソフィを小さな椅子に座らせながら、私は壁にタイル貼り。
1歳3ヶ月の頃、レンガを壊すジャックハンマーに興味津々。
古いキッチンキャビネットを壊す時に中に入ってかくれんぼ。
壊したレンガを拾うお手伝い。素手じゃ危ないのよ。
お父さんっ子のソフィは抱っこしてもらえるとハッピー。
木の枠組みを作るのに、小さな手で押さえて手伝ってくれます。


●テルコさんのホームページはこちら
 →「Sunny's Laboratory」


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