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アメリカTV・インタビュー

現地情報誌「ライトハウス」が過去に取り上げた、アメリカで活躍する俳優、監督/プロデューサー、脚本家へのインタビュー記事など。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

脚本家/ジェームス・ダフ

パイロット16本目にして大成功!

James Duff
役者から出発したが、暇な時に書いた芝居『Home Front』がヨーロッパ・中東・オーストラリアで爆発的ヒット、米国では映画化までされた。映画、テレビに執筆し、エミー賞候補に。連続ドラマ『Popular』『Felicity』『Wolf Lake』『The Agency』などを執筆後、パイロット15本を次々と創作。2005年、TNTのオリジナル刑事モノ『The Closer』を創作、ケーブル史上初の高視聴率番組となった。6月からシーズン2が始まっている。


画期的なオリジナル番組が続々登場するケーブルテレビの中で、ひと際輝くTNTの『The Closer』。放送作家、ジェームス・ダフがユーモアたっぷりに爐任る女瓩鯢舛までの経緯を聞いてみた。


今、最高に面白い『The Closer』の創作者とお話できて光栄です

ダフ(以下D):最高かどうかは別として、役者・演出・脚本、すべてがうまく調和した賜です。私は毎日、シンフォニーを作曲しているような気がします。主演のキラ・セジウィックは演技派の上、人柄も良いのが何より。才能と人柄が一致しない人が多いですからね(笑)。


番組創作の経緯は?

D:TNT局から最高視聴率の『Law & Order』と対になる番組が欲しいと話がありました。LAPDの特別班が良いと思ったのですが、ユニークさが足りないと迷っていたら、プロデューサーのグリアー・シェパードが、女主人公にしたらと提案して、「決まり!」でした。CBSの『Cold Case』も女刑事が主役ですが、まだ同僚と先輩の男性に支えてもらっています。キラが演じるブレンダは、詫びず、媚びず、男を使う役です。


現代女性がリアルに描かれている訳ですね?

D:ブレンダは、子供の頃から抱えている問題に直面したくないから、仕事に逃げています。その分、私生活がおざなりになる悪循環。できる人ほど、悩みは多いものです。


ブレンダは「私の分身」と述べていますね?

D:南部出身、子供の頃各地を転々とした。失恋数回。政治や政府に関心が高い。証明できるまで、信じない。仕事を完璧にしようとするあまり、職場での駆け引きが下手。でも、ブレンダは口が固い…、そこが私と違います(笑)。


視聴者の反応は?

D:「できる女」が主人公なので、中年女性から絶賛されています。従来は男みたいに行動してやっと一人前でしたが、ブレンダは「生意気な女」と言われても、決して引き下がらない現代のヒロインです。女だからこそ成功した好例。毎日女性と働いて気づいたのは、誰も「女らしさ」を家に置いて出勤してこないことです。


ブレンダに年下の恋人の可能性は?

D:1年目はブレンダが逆境をどう乗り切るかが中心でしたが、何回かそれらしき逸話を書きました。40代の大人の女のロマンスを描くのは、結構大変です。大人の女は、見た目ではなく、中味をじっくり吟味しますから、恋人にするかどうか見極めるまでに時間がかかります。


テレビ界に入られたきっかけは?

D:ニューヨークで役者とアルバイトの合間に書いた芝居がウケて、ロンドン、ヨーロッパから全世界で興行に。映画の脚本を書くためにロサンゼルスに越して来て、居ついてしまいましたが、映画になるまでの時間は、氷河が溶けるのを待っている感じで…(笑)。初めて書いたテレビ用脚本がエミー賞候補にあがって、それ以来テレビです。企画の進行が抜群に早くて、物書きには魅力ですが、その分怖いし、挑戦ではありますね。


実際の放送までなかなか漕ぎ着けられない「パイロット工場」だったと聞きましたが?

D:自慢じゃないけど、『The Closer』で16本目の制作です。ほとんどがパイロットだけでポシャりました。やっとケーブル放送まで辿り着いたという感じですね。地上波は、まだ語り口を変えることに抵抗していますから。この番組は良い役者に恵まれたので、手持ちカメラでドキュメンタリー風に録画しています。


貴重なお時間、ありがとうございました

D:インタビューをとりつけるのに、忍耐強く待っていただいて、こちらこそ光栄です。現実から遮断された世界でコツコツ書いていますから、番組への確かな手応えを確認できると、大いに励みになります。スタッフにも伝えます。きっと喜びますよ!





[業界コボレ話]
 昔あれだけ憧れた米国のTV番組が、今の日本ではケーブルや衛星放送で毎日観られる。しかも、米国ではもう観られないものも結構あって、ウハウハ喜んで観ている。大好きだった『Felicity』は週1回、米国では観たことも、聞いたこともない『Bull』は毎日観てしまう。字幕付きで生の声が聞けるもの、吹き替えでも英語で観られるものもある。
 日本の地上波局は、朝から晩まで「大事件!」について井戸端会議を流し、食傷気味の私は、ついケーブルに走る。お陰で昔懐かしい『ドクタースランプ・アラレちゃん』や、友人の俳優のデビュー作まで観る機会に恵まれた。しかも、日本ではアラカルト方式が採用されており、好きな局を追加できる。うらやましい限り!