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アメリカTV・インタビュー

現地情報誌「ライトハウス」が過去に取り上げた、アメリカで活躍する俳優、監督/プロデューサー、脚本家へのインタビュー記事など。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

俳優/フェリシティ・ハフマン

まだまだ、学ぶことがいっぱい!

離婚した母親と兄姉の頑張りを見て育った。8人兄姉の末っ子。10歳で劇団キャンプに入団し、演劇に病みつきに。NYUで演劇を勉強した後、20年余り舞台、映画で活躍。1998年、テレビ『Sports Night』で実力を発揮、『Frasier』『The West Wing』のゲスト出演を経て、2004年から『Desperate Housewives』のリネット役で活躍中。05年エミー賞、06年映画『Transamerica』でゴールデングローブ賞等、数々の演技賞を受賞。


TV界を揺さぶった『Desperate Housewives』で、キャリア組からの転身主婦・リネットを演じ、数々の演技賞を受賞したフェリシティ・ハフマン。今や押しも押されぬ実力派だが、腰の低さと誠実さは業界一と言っても過言ではない。


リネットは1番現実的な役と言えますね?

ハフマン(以下H):きりきり舞いしていても、絶対に助けを求めないタイプ。嫉妬深いし、窮地に追い込まれたら、卑怯なこともやってのけるから、台本読みで「そんなことしちゃうの!」とびっくり。ドラマではありだけど、私にはできません。


今シーズンのヤマ場は、夢見る夫・トムをどうするかですね?

H:結婚前の夢を実現させようと、しゃかりきになっている中年男…。「こんな状況、現実味があるの?」と思いながら演じていますが、「ウチもそうだったのよ!」と、体験者から反響を呼んでいます。脚本が良く書けているということね!(笑)。


俳優になりたいと思ったのは?

H:7歳の頃、母の出張中に姉たちが『ロミオとジュリエット』に連れて行ってくれ、オリビア・ハッシーに憧れました。もっとも私はおしゃべりが過ぎて、母に劇団に押し込まれて病みつきになった口ですが。ヘレン・ミレンやダイアン・ウィーストをお手本にしてきました。


長年の下積み中、「諦めなくて良かった!」と思った瞬間は?

H:マドンナの代役のリハーサルで、監督に「それ、それ!」と褒められた時。『Cryptogram』のドニー役でOBIE賞をいただいた時は、先輩から「君もプロだよ」と言われたようでうれしかったわ。SAGカードはまぐれでもらった訳じゃない! って感じ(笑)。


リネット同様、家族優先の毎日ですか?

H:中年になると女は「内」に、男は「外」に目を向けるとか。でも、自分のことを考えるだけで、後ろめたくなりますね。自分優先を悪びれずにできる女性は、優雅で良いなと思う反面、どこか非難している自分がいて。家族のためには、自分優先が1番だとはわかっていますが、まだまだ修業が足りない。


憂さ晴らしは?

H:やることは山とあるし、家族サービスもしたい…と思いながら読書。フィクションの世界に浸るのが贅沢な時間ですが、すぐに現実に引き戻されてしまって。昔は買い物で憂さ晴らしできたのに、興味がなくなって。物欲は卒業したのかな?


俳優はフリーの職人と位置づけておられますが、アドバイスを。

H:未熟な私は、失敗の繰り返し。しょっちゅうつまずいては、立ち上がって歩き始めます。


誰でも失敗して成長するものですね?

H:人間って苦しまないと変わらないし、大人にならない生き物。子供のあどけない顔を見ると、「可哀想に、これから苦しいわよ!」って思ってしまうの(笑)。中年になると凝り固まってしまうから、心も身体も柔軟にと心がけています。傷つくまいとすると、こぢんまりまとまって、徐々に自分が死んでいくもの。大きく羽ばたくことも忘れないようにしています。未知の危険にも挑戦しないとね。まだまだ、学ぶことがいっぱい!!

Photo: ©2006 American Broadcasting Companies, Inc.






[業界コボレ話]
 テレビ東京の『ソロモン流』は、旬の人を取りあげるドキュメンタリー番組。なかでも料理愛好家・平野レミさんは刺激的だった。高校を中退すると言うレミさんに、反対するどころか「好きなことをやりなさい」と言ったお父さん。シャンソン歌手を目指したが、鳴かず飛ばずで廃業、ひょんなことから料理分野で活躍するようになった。
 料理の大家になった今、06年12月シャンソンCD発表に漕ぎ着けた。異分野での大活躍は、好きなシャンソンに行き着くための遠回りだった。この道は行き止まりとか、楽しくないと思ったら、しなやかに方向を変えてみよう。本当に好きなことなら、いずれゴールに行き着くもの。私もこんな「偉大な父親」が欲しかった!