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アメリカTV・インタビュー

現地情報誌「ライトハウス」が過去に取り上げた、アメリカで活躍する俳優、監督/プロデューサー、脚本家へのインタビュー記事など。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

俳優/監督/プロデューサー デビット・ジェームス・エリオット

「変な癖」がないのを買われて

カナダ生まれ、1989年にロサンゼルスに移住。ジュリアードに匹敵するライヤーソン・ポリテクニック学院演劇科を卒業した正統派。『Street Legal』『The Untouchables』『Melrose Place』を経て、『Seinfeld』のゲスト出演が引き金となり、95年から『JAG』のハーモン・ラブ役を10年。2005年『JAG』完了後、NBCの『Medium』のゲスト出演を経て、06年より『Close to Home』のコンロン検事役で活躍中。TV映画やシリーズの企画・制作・監督も手がける。


100万ドルの笑顔に魅せられ、『JAG』ファンになった私。初対面は、昨夏『Close to Home』に登板が決まった時だったが、インタビューに漕ぎ着くまで半年。役者など考えたこともなかったと話すが、幸運の女神もエリオットの笑顔に誘われて、微笑みっぱなしのキャリアだ。

Photo: Al Silfen, Robert Voets/CBS


なぜ、『JAG』は2年目からCBSに移ったのですか?

エリオット(以下E):NBC版はゲスト出演の俳優が目玉の1話完結方式で、相棒・メグが僕の演じたラブと議論できない上下関係の設定が弱点でした。人間ドラマに変えたから、CBSでは長寿番組になりました。


10年も同じ役って、飽きませんか?

E:アクション、ミステリー、ロマンスと3拍子揃っていたし、海兵隊に入りたかったので、夢が叶った仕事。でも、脚本執筆や監督もさせてもらったし、米軍がからむ事件を語り尽くしたので潮時だと。「まだやってるの?」って言われて数年なんて潔くないし、後悔する作品を残したくなかったので…。


番組完了とともに、髪を伸ばされましたね?

E:週に1回クルーカットにした反動。短い髪型は老けて見えるし(笑)。ドラマとは言え、軍規でがんじがらめでした。
昨年パイロットに名前が挙がっていましたね。


昨年パイロットに名前が挙がっていましたね。

E:SFドラマ『Sixty Minute Man』のパイロットに出ましたが、残念ながらシリーズになりませんでした。将棋の駒のまま歳をとるのも芸がないから、今後は友達と共作の企画を持ち込んで、制作側に転身中です。


『Close to Home』の検事役は、『Medium』のアリソンの夢の中の夫・ダナム弁護士とそっくりですね?

E:2人ともひと筋縄ではいかない野心家。陰のある男は役者として演じ甲斐があります。


高校を中退して、ロックバンドで食べていく計画だったそうですが?

E:昼間はベルト工場で働き音楽活動をしましたが、見切りをつけて復学。演劇史の授業で生まれて初めて『リア王』を読んだら、先生に見込みがあると言われ、演劇学校の名門を受験しました。1千人受けて30人が合格、卒業した6人のうち、役者で食べているのは僕だけ。子役から演劇を目指していた受験生と違って、「変な癖がついてない」のが良かったらしいです(笑)。卒業後は、しばらく舞台。カナダ最大のヒット劇で、ドサ回りを2年しましたが、テレビに抜擢されて、5年間レギュラー出演しました。ハリウッドに越して来たのは89年です。


『Seinfeld』の端役が引き金になったとか?

E:『The Untouchables』『Melrose Place』など順調に歩んで来ましたが、カール役で運が変わりましたね。直後に『JAG』のオーディションに受かって10年ですから。


お手本は誰ですか?

E:率直で頼りになる父から、人間として大切なことを学びました。


日本人俳優にアドバイスを。

E:諦められるなら1日も早い方が(笑)。「絶対に諦めないぞ!」という気力と、常に勉強して技を磨くことが大切。これで良いと満足しないこと。





[業界コボレ話]
 伝染病のように日本を襲った中学生の自殺。親はオロオロ、政治家は法律でいじめを規制しようと焦り、教育者は責任逃れに忙しい。
 答えを模索していた私は、正月に放送されたオープラの「Challenge Day」にびっくり。デトロイトの高校での実験は、口をきいたこともない同級生60人が、秘密を明かすのが第1歩。誰もが家族という名の重荷を背負い、傷つき、孤独感にさいなまれていることを体験。「優等生」「いじめっ子」「金持ち」等のレッテルの下には、傷だらけの仲間がいるのを目の当たりにして、人種、性別、貧富の差を越えた共通点に気づく。
 外観はどうであれ、人間は似たようなものだと子供たちに実感させることが、解決の糸口かも知れない。