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アメリカTV・インタビュー

現地情報誌「ライトハウス」が過去に取り上げた、アメリカで活躍する俳優、監督/プロデューサー、脚本家へのインタビュー記事など。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

俳優/解放運動家 キャシー・ナジーミ

自信のない人が煙幕をはるもの

サンディエゴで生まれ育ったレバノン系2世。幼い頃から自作自演が得意で、サンディエゴ州立大学で演劇と女性学を専攻。芝居仲間と書いた『Kathy and Mo』をニューヨークでヒットさせて注目を浴び、1992年映画『Sister Act』で一躍有名に。テレビでは『Veronica's Closet』やアニメ『King of the Hill』のペギー役の声優を経て、2006年11月より『Numb3rs』のフィンチ学部長役で活躍中。子育てと解放運動に多忙なため、今回の脇役は理想的と話す。


 映画『Sister Act』で演じた無邪気なシスター・メアリー・パトリックは、ミッションスクール体験で傷ついた私を癒す力があった。ナジーミもサンディエゴ州立大学(SDSU)が母校と聞いてますます親近感を感じ、長年インタビューしたいと思っていた。画面で観る前向きの姿勢と逞しさは本物で、すっかり元気をいただいてしまった。


『Numb3rs』のフィンチ博士はバランスのとれた素敵な女性ですね。

ナジーミ(以下N):子育てに忙しくて、TV出演は考えていなかったのですが、嘘がないミリーに惚れました。「デキる女」は皆、ネコに囲まれて、寂しく冷凍食品を食べてる訳じゃないのよ! と、表現したくて(笑)。


創作者に会って感激したので、欠かさず観ています。

N:内容が内容だから、時々訳がわからなくなったりするけれど、「数学って意外と面白い!」と思わせるのは、並大抵の仕事ではありません。創作者の頭が良いってことね。


芝居への興味はいつ頃から?

N:歌ったり、踊ったりが好きで、政治に興味がある変な子でした。SDSUに入った時には、信条を芝居で表現したいという野望があって、演劇と女性学を専攻。"Sisters on Stage"という女性解放が目的の劇団で芝居をしましたが、大学でも演劇部の芝居には配役されませんでした。だから、友達のモー・ギャフニーと、ウーマンリブを面白おかしく描いた『Kathy and Mo』を書き下ろし、サンディエゴで2年上演して、ニューヨークに乗り込みました。最初はキャバレーで上演して、オフ・ブロードウェイからHBOスペシャルになりました。


女性以外にも、数々の団体のために奔走しておられますね?

N:ある程度名前が知れたので、今のうちって感じで、あちこちで講演したり、アラブ系アメリカ人、ゲイ、動物など、さまざまな団体の支援をしています。サンディエゴは、「ビキニ姿の金髪美女が日光浴している」イメージで、そこから外れるとよそ者扱いされるビーチタウン。子供の頃、「絶対に成功しない人」というレッテルを貼られ、学芸会に出してもらえない、演劇の授業さえ受けられないのけ者でした。「今に見ていろ!」と、劇場の案内係のバイトをして、プロの芝居をいっぱい観て、自作自演しかないと学びました。私の思春期の70年代は、ウーマンリブや人権運動華やかなりし頃で、体制に疑問を抱くこと、変えようと運動を始めることが奨励された時代だったから、活動することが当たり前になってしまいました。


日本人の俳優志望者に先輩からひと言。

N:尊敬する人が、いかにそこまで辿り着いたか研究することをおすすめします。100万人に1人しかハリウッドでは成功しない、型にはまらないからダメと、頭から否定的な業界人がごまんといますが、あれは「自分の仕事を取られるのでは」と、自信のない人が煙幕をはっているだけ。人生一度、可能性は無限!を信じて、挑戦しましょう。私でさえ「隙間」を見つけたのですから、誰でもやればできるはず。絶対に諦めないで!









[業界コボレ話]
 3時間近く惨殺と謎解きを見せられた挙句、「えっ? 結局、何なの?」と、時間を無駄にされた映画『Zodiac』。
テレビ映画でも最近は2時間がせいぜい。面白くなければ、チャンネルを替えれば良い。おまけにテレビは無料だし、出かける手間も一切不要。
 イベント性が良いと映画好きは言うに違いないが、忙しい私にはイベントもへったくれもない。さらに、「なぜ」を追求したがる日本人の悪い癖が遺伝子に組み込まれているせいか、猟奇殺人犯の動機が提示されないと、不満が募るだけ。
 終止符を打つことが生きて行く上で大切と悟った今、1話完結型の人間ドラマ『Cold Case』や『Without a Trace』が、ますます光り輝いている。