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アメリカTV・インタビュー

現地情報誌「ライトハウス」が過去に取り上げた、アメリカで活躍する俳優、監督/プロデューサー、脚本家へのインタビュー記事など。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

脚本家/シェリル・ヒュートン

脚本家が実権を握れるテレビ業界が面白い

Cheryl Heuton
 ロサンゼルス生まれ、サンディエゴ育ち。UCSD文学部を卒業後、サンディエゴで長年新聞記者を勤めた後、業界誌『Media Week』の編集長として活躍。84年以降、ロサンゼルスに戻り、夫のニック・ファラッチと10本余りの映画用脚本を書き、制作されたものも多数ある。コメディー『Outfoxed』と『Wild Man』、スリラー『The Janine Brookner Story』の3本の映画を現在抱えているが、テレビ番組のシリーズ制作は今回が初めて。

Photo: Vivian Zink/Paramount ©2005 Paramount Television.


パイロット4作目でやっとシリーズ化にこぎつけ、意欲満々の元ジャーナリスト。役作りに熱心な俳優と制作パートナーの夫、ニック・ファラッチに支えられて、04年のヒット作にますます磨きをかけて行く。


『Numb3rs』誕生までの経緯を聞かせてください。

ヒュートン(以下H):主人と数学の本を読んでいて、思考回路がユニークな数学者をドラマにできないか? と発想しました。脚本を書く時は、実際に犯罪を想定して、数学をいかに応用できるかを学者に相談したり、理論から犯罪をどう映像化するかを考えたり、色々です。


アイデアから制作・放映までは?

H:03年10月にCBSに売り込んで、パイロット(番組の試作品)の脚本を書くギャラが出ました。04年1月にパイロット制作費がおりて、3月に撮影。CBSの要望でチャーリーの兄と父親の配役を変更して撮り直し、04年1月にデビューしました。普通、秋の新番組は3月に撮影して9月放映ですが、翌年の1月まで余裕があったので、良い番組になったと思います。


主役のデビッドにとって、エップス教授はハマリ役ですね。

H:夏休みぐらいは仕事を忘れたいのが普通ですが、デビッドはこの役に惚れ込んでいるので、仕事に戻りたくて、うずうずしていました。今秋から教授部屋が登場するので、美術部がデビッドに相談したいと電話したら何と2時間後には現れてびっくり(笑)。


昔から脚本家を目指していた?

H:小さい時から書くことは好きでした。ジャーナリストを長年して、いずれは小説を書こうと。まさかテレビ業界に落ち着くとは…。


どこでどう間違った(笑)?

H:主人と映画の脚本を何本も書きましたが、エージェントから「テレビに書いてみたら?」と言われて始めました。やってみたら面白くて。テレビでは脚本家が実権を握っていますからね。映画とは大違い!


ご夫婦チームで、プロジェクトが何本もあると聞いています。

H:去年は13本、今年は倍近く制作しなければならないので、テレビに専念です。アイデアを映像化する機会をもらったので、頑張らなくちゃ!(笑)


ずっとご主人と一緒ですか?

H:映画を書いている時は四六時中一緒でしたが、この番組を制作するようになってからは、事務所は別々。主人は撮影現場が好きだし、私は概念とか創作とかが好きなので。


お手本は誰かいますか?

H:祖父です。コロラドの牧場がかんばつで破産。5人兄妹のうち3人は病死、大恐慌を乗りこえ苦労して、夢を実現するためにカリフォルニアに来ました。パイオニア精神に満ちた、楽観的な人で、単純なことに生きる喜びを見つけることが得意でした。


業界で仕事をするためには?

H:まず、広範囲に読書すること。好みの映画やテレビを研究して、なぜ面白いのか、どの表現がどういう感情をかき立てるのかを分析します。そのままコピーするのではなくて、自分らしいものを作り出す土台にします。そして、情熱をかき立てられる仕事を選ぶことですね。





[業界コボレ話]
 番組を観ていて心に響く言葉やイメージは十人十色。メディア内見会で『Numb3rs』が紹介された時、数学が苦手な私は「?」程度だったが、創作者の話は「!」だった。番組を観て「!!!」になり、今では金曜日が待ち遠しい。
 同じパターンがNBCの『Medium』である。霊視能力を持つ主婦の公私を描くが、開けてびっくり玉手箱的番組だ。昔一世を風靡した『Moonlighting』のプロデューサーの創作と聞いて納得。感動した番組の制作陣を調べると、「やっぱり、あの人!」と思うことが多い。プロデューサーの信条やカラーは自ずと作品に出るものだ。
 シェリル・ヒュートンは、『Medium』のグレン・ゴードン・キャロンの作風が好きだと言う。キャロンは『Numb3rs』のファンだと言う。類は類を呼ぶとは言い得て妙だ。