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アメリカTV・インタビュー

現地情報誌「ライトハウス」が過去に取り上げた、アメリカで活躍する俳優、監督/プロデューサー、脚本家へのインタビュー記事など。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

俳優 ジェームス・サイトウ

アンバランスが面白い役

James Saito
LA出身。12歳で芝居に魅せられ、芸能界で活躍していた兄姉に励まされ、UCLAで演劇を専攻。1976年、テレビ映画『Farewell to Manzanar』でデビュー。『M*A*S*H』『Airwolf』『Law & Order』『Third Watch』等、ゲスト出演は数え切れない。映画『The Thomas Crown Affair』『Pearl Harbor』、舞台でも活躍。88年以来、本拠地はニューヨーク。現在話題作『Eli Stone』のドクター・チェン役で活躍中。


春の新番組の中できらっと輝く『Eli Stone』は、『Ally McBeal』の男版と言われるが、『Ally…』に欠けていた人生観が散りばめられた、味わい深いドラマ。人生の意味を紐解こうとする主人公の唯一の理解者で、知恵を授けるドクター・チェンを演じるジェームス・サイトウ。役者経験豊かな日系3世のサイトウに、真理を語る賢人役の醍醐味を聞いてみた。


本作が初めてのレギュラー出演とうかがいましたが。

サイトウ(以下S):初レギュラーが、秀作の異色の役どころなんて、願ってもないこと! 鍼を打っている時はぶっきらぼうで、英語がしゃべれない振りをしているドクター・チェンですが、私生活は流れに任せて生きる、悟りを開いた人間というアンバランスが面白くてね。


人生観を解き明かす、心と魂に響くドラマですね?

S:キリスト教徒として育てられましたが、ドクター・チェンがイーライに諭す「生きる」意味や知恵は、私の信条と同じです。台詞を覚えて演技するという感覚ではなく、友達と話しているような楽しさがあります。


デビューは?

S:1976年に『Farewell to Manzanar』というテレビ映画で、リチャード・ワカツキを演じたのが最初。収容所に送られた日系家族のドラマです。


40年間に日系、中国、韓国、ベトナム人など幅広く演じておられますが、今回も日系ではない役。平気ですか?

S:今回の役は、ユダヤ+中国系で毛色が違うので、全然気になりません。昨年オービー賞をいただいた『Durango』では韓国人役でした。リアルに描かれている複雑な役なら、日系でも、中国人でも何でも構いません。


日本のイメージって、相変わらず時代錯誤で、指摘しても聞く耳持たぬアメリカ人が多いのにはびっくりします。どうしたものですかね?

S:事実は指摘すべきですが、決定権は資金を出している側にありますからね(笑)。日系の若い監督やプロデューサーがどんどん出ていますから、日本文化を正しく映像化してくれると期待しています。


俳優の道を選ばれたのは?

S:中学校で演劇の授業を取るハメになり、友達に冷やかされたので、最初は抜け出そうと思いました。先生に励まされて、年に2回芝居に出てみて、イベント性と脚光を浴びるのが面白くて病みつきに。フットボールの試合が終わると、急いでシャワーを浴びて稽古に駆けつけたものです。兄の映画を観て育ったし、姉も芸能界にいたので、違和感がなかったのかもしれません。


ご両親の反対はありませんでしたか?

S:友達は「時間の無駄」「まともに就職しなさい」と言われて落ち込んでいましたが、うちの親は一切文句を言わず、いつも応援してくれましたね。


俳優を目指している日本人にアドバイスを。

S:私が駆け出しの頃と比べたら、テレビもアジア系が増えましたから、チャンスは増えています。でも、まともに英語がしゃべれないとお話になりません。アメリカ人並に英語ができないと仕事の枠が広がりませんよ。






[業界コボレ話]
 WGA(脚本家組合)のストは長期戦になるという情報が飛び交っている。11月にはデモ行進する放送作家に同情して、クラクションを鳴らして支持を表明していたが、最近では「いい加減にして!」と脇を走り抜ける。
 ストのとばっちりを受けて大道具、小道具、照明など何千人単位の職人が失業中。働かなければ収入がない、でも稼ぎようがない。私も他人事ではない。コネ作りの場であるプレスツアーがキャンセルされ、放送作家はもちろん、プロデューサーやSAG(俳優組合)会員の役者もインタビューに応じない。死活問題だ。ゴールデン・グローブ授賞式中止、アカデミー賞まで危ういでは、ハリウッドを支える周辺産業まで立ち行かなくなってしまう。