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アメリカTV・インタビュー

現地情報誌「ライトハウス」が過去に取り上げた、アメリカで活躍する俳優、監督/プロデューサー、脚本家へのインタビュー記事など。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

プロデューサー ケイ・サムナー

奇跡的な「変身」を目撃できる最高の仕事

Kay Sumner
ミシガン出身。デトロイトの局で営業を経て、プロデューサーに。最初に制作したクイズ番組が大当たり。同番組をカナダでリメイク後、『Any Woman Can Fix It』『Eye Bet』など数々のテレビ番組を制作、ジニー賞候補に。5年かけて映画『Shadow Dancing』を制作したが、テレビ制作のチームワークが忘れられず、2004年『Dog Whisperer』を創作。同作は06、07年と2年連続エミー賞最優秀リアリティー番組候補にあがった。


テレビ芸術科学アカデミー(ATAS)の勉強会で、リアリティー番組『Dog Whisperer』が取り上げられた時のこと。ケイ・サムナーが、同作の目玉ドッグトレーナーのシーザー・ミランを引き連れて登場。その後、『Oprah』で紹介され一躍有名になったシーザーの偉業を、最近National Geographic Channel(NGC)で視聴している。番組のファンとして裏話が聞きたくて、サムナーの職場に足を運んだ。


番組が生まれた経緯は?

サムナー(以下S):愛犬エミーが人に噛みつく上、子犬を生んだばかりで7頭に振り回されていた時、新聞でシーザーの存在を知りました。エネルギーがあり余った落ち着きのない7頭も、シーザーが来て10分後にはソファーで居眠りするほど。目を疑いましたよ、本当に!(笑)。


放送局への売り込みは?

S:NGCの制作担当者が、話題になる「都会的スター」を探していると、勉強会で話していたのでパイロットを見せました。気に入ってもらったのですが、担当者が異動になり、一からやり直し。でも、後任がその場で26本発注! 他社から同一企画が26回も来ていたけれど、パイロットを持ち込んだのは私たちのみだったそうです。


この番組は『Supernanny』のイヌ版では?

S:はい、シーザーも認めています。規則、限度などを示して躾ないと、手が付けられなくなるのは、イヌも子供も同じ。


獰猛なイヌを撮るカメラマン! イヌ好きだから、平気なのでしょうか?

S:問題犬が従順になる「変身」過程が売りなので、シーザーが登場する「変身」前の撮影はどうしても慎重になります。4年目なので、2人とも冷静沈着に臨めるようになってきました。


シーザーが登場すると、「問題犬」を守る飼い主がいますよね?

S:シーザーの能力を疑い、「やれるものならやってみろ!」的態度だと、リハビリは難しいですね。飼い主が「目からウロコ」の瞬間を体験しない限り、問題矯正は不可能です。飼い主が問題の場合がほとんど(笑)。


番組やシーザーの人気は予想通りでしたか?

S:シーザーの稀な才能を世に知らせたいとは思いましたが、ここまで受けるとは夢にも…。シーザーのカリスマ性と裏表のない自然体のお陰? 奇跡的な「変身」を目撃できるのは最高!


番組創作を目指す人にアドバイスを。

S:ユニークな素材を確保するのが第1。第2は類似番組がないことを確認すること。第3は、すべてが固まった時点で制作会社と組むこと。時期尚早だと、盗作される可能性が…。局は、予算、スタッフ採用、経理などを処理でき、しかも実績を目で確かめられる会社を求めます。予算も重要な要素ですから、制作標準価格を調べましょう。企画書ではなく、パイロットを用意すること。長いほど、けなす部分が増えますから、5分以下に収めましょう。毎日、送られて来るパイロットの山は「ダメ」「?」「行けそう!」の3種類に分類されるので、「行けそう!」に入るために、あらゆる意味で最高の作品にしてください。







[業界コボレ話]
 介助犬養成所でボランティアをしていた頃に比べ、LAに越して以来、イヌとの触れ合いの機会が減ってしまった。『Dog Whisperer』を観てから、仕事に生きる今の私には無用の長物と悟った。
 捨てイヌ救出願望の強い私に衝撃的だったのは、女性教師のケース。捨てイヌに「かわいそう」という気持ちで接した結果、「問題犬」に早変わり。イヌは、かわいそう=マイナスのエネルギー=弱味と解釈する。相手が弱いと見ると、イヌは主導権を握ってしまう。
 実はこの先生、恋人救出願望があると告白。シーザーは「弱い男を愛情で強くできないのと同じ」と分析した。目からウロコ! イヌを理解しようと観ているが、人間心理も学習でき、下手なカウンセリングよりためになる。