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アメリカTV・インタビュー

現地情報誌「ライトハウス」が過去に取り上げた、アメリカで活躍する俳優、監督/プロデューサー、脚本家へのインタビュー記事など。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

衣装デザイナー キャサリン・ジェーン・ブライアント

芸者に夢中だった子供時代

Katherine Jane Bryant
 テネシー州出身。幼い頃からファッションに興味を示し、8歳でサンドレスを縫製。ジョージア州立大学で美術、応用美術大学でファッション史を専攻し、主席で卒業後パリでも勉強。ニューヨークでは、ジョン・シェアーに弟子入りしてデザインを学ぶ。
 90年代よりCFや映画を数々手がけ、LAに本拠地を移したが、テレビ『Big Apple』でNYに逆戻り。2004〜06年に手がけた『Deadwood』でエミー賞受賞。現在『Mad Men』の衣装デザイナーとして活躍中。


『Mad Men』で、60年代ファッションを再現するキャサリン・ジェーン・ブライアント。『Deadwood』でヴィクトリア朝時代を再現しつつ、キャストの個性を引き出し、エミー賞を獲得。売れっ子デザイナーのブライアントにデザイン工程や芸能界を選んだ理由を尋ねた。


『Mad Men』の仕事はどういった経緯で?

ブライアント(以下B):シリーズ化が決まった時、パイロットの監督、アラン・テイラーから、創作者マシュー・ワイナーに推薦していただきました。


デザイナーの責任範囲は?

B:番組のカラーを決める責任者。主役から背景まで、すべてデザインし、衣装部主任がどの縫子に任せるか、ヴィンテージ購入か、レンタルかを決めます。エキストラ100人余りは、要点のみ伝えて部下に任せ、衣装合わせの写真を見て修正します。私は主役担当ですが、群像劇は出演者が多いので、微妙なニュアンスを伝えるのにひと苦労。


時代劇では、「歴史に忠実に」がモットーですか?

B:60年代の世界に視聴者を引き込むのに、衣装が当時と異なるわけにはいきません。とはいえ、現代人のフィルターがかかるし、セットデザイナーに「○色の衣装が欲しい」と言われると、要求を飲まなければなりませんから、常に歴史に忠実とは言えません。


女性のファッションは、随分変わりましたね?

B:ストッキングを履いてガードルで腰を細く、胸が前に突き出すように円錐形のブラを着けていました。円錐の形状は第2次世界大戦時の戦闘機の機首を真似たもの。ハリウッドのセックスシンボル、ジェーン・マンスフィールドやマリリン・モンローがぴったりしたセーターを着て人気爆発。


「デキル女」など、誰も想像しなかった時代ですね?

B:女性は観賞の対象でしかなかった頃。秘書ジョーンのように体型を活かして出世する時代だったので、タイトスカートや薄手の生地のドレスが主流。


デザインの工程は?

B:脚本を読み返す度に湧いてくるイメージを丁寧に記録して、図書館やWestern Costume社の資料室を使ってリサーチ。スケッチかコラージュで各キャラクターを描写し、色パレットを配分します。


8歳の頃から、手製の服を着ておられるそうですが、今でも?

B:最近は忙しくてそれどころでは。小さい頃は、アジア人女性が世界一キレイ! と憧れ、夢中で描いたのが芸者のスケッチばかり! 祖父は大恐慌の最中にソックス工場を作り、祖母は母の衣類を縫い、母も私たちの服を縫ってくれました。ミシンは子守りのお姉さんに教わりました。


芸能界と結び付いたのは?

B:パーティーで衣装デザイナーに会って「これだ!」と。役柄や過去、現在の気持ちを衣類で表現するのは奥が深いと思いました。時代劇は、専攻のファッション史が役立つ願ってもない仕事。でも、この業界はジプシー生活。時間は不規則、プロジェクトが終わったら仕事を探して流浪の旅に出るので、安定を求める人には向かないかも…。私はそこが大好き!(笑)






[業界コボレ話]
 U-verseのキャンペーンで、主要ケーブル局が入るように。10月まで月39ドルと割安で、7月からケーブル局の新シーズンが観られるが、当座、再放送権を購入した地上波番組を観ている。
 昔大好きだった番組の中で、最近、価値を再確認した『Providence』。LAで整形外科医として華やかな生活を送っていたシドニー・ハンセン(メリーナ・カナカレデス)が故郷プロビデンスに戻り、一家をまとめるべく大奮闘。年配の男性評論家に「甘ったるい」と言わせた本作は、リアルが売りの昨今のドラマに比べると、往年の家族ドラマっぽい。仕事に生きる姉と子育てに奮闘する妹の関係は、笑えて、ホロリとする「癒し」だ。FitTVのヨガ教室が入らなくなった代償なのか?