カンザス州(21)/アメリカ中西部

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人より牛が多いと揶揄された・「禁酒日」を設ける保守的な土地柄

カンザス州の旗

夏と冬の寒暖差が大きいカンザス州。『オズの魔法使い』で“平らで灰色の土地”と表現されたように、痩せた土壌のグレートプレーン(大平原)がどこまでも広がっている。

カンザス(Kansas)州の基本情報
人口(2022) 2,934,582人
面積 81,736.8mile2
人口密度 (2020) 35.9人/mile
州都 トピーカ(Topeka)
州知事(2024) Laura Kelly(民主党)
州のニックネーム Cornhusker State
人種の割合 白人85.9% / 黒人6.2% / アジア系3.2% / ヒスパニック13% / ネイティブ・アメリカン1.2%
1世帯当たりの平均収入 (2022) $68,925
貧困家庭の割合 (2022) 12.0%
住宅平均価格 (2017-2022) $189,300
平均家賃 (2017-2022) $975
観光情報サイト Kansas Office of Tourism
オフィシャルサイト Kansas.gov

(出典元:U.S. Census Bureau)

バッファロー狩りの最盛期、ワイアット・アープの舞台

16世紀初めにスペイン人が入植したが、支配権は後に移民したフランス人に移っていく。1803年のルイジアナ購入により合衆国の一部に。しかし、1854年から1856年にかけて州境が定まるにつれ、奴隷州になるか自由州になるかを巡って争いが頻発し、南北戦争のきっかけとなった「流血のカンザス」という事件に発展した。そして1861年、正式に自由州として合衆国に加盟した。
 
乾燥した草地では放牧が盛んだ。シカゴと西部を結ぶカンザスパシフィック鉄道(現ユニオンパシフィック鉄道)とサンタフェ鉄道が州内を通過することから、牛輸送の拠点となる。
 
同州は西部劇の舞台としてもよく登場する。映画『ワイアット・アープ』で登場するダッジシティーは、1870年代半ばには西部の無法者の中心地となった。バッファロー狩りの最盛期だった時代、毛皮を持ち込むハンター、賭博や娼婦などの無法地帯となり、ワイアット・アープ、パット・マスターソンらの優秀な保安官が活躍した。

小麦・航空機の生産で世界をリード

産業面では、畜産だけでなく、小麦を始めとする穀物の生産地として世界的に有名だ。開拓当時は”A Hard Land in the Heartland”と呼ばれるほどの厳しい気候と土壌だったが、現在の小麦生産は全米で1、2位を誇る生産規模。食品加工や製パン、製粉の最新技術でも知られる。また、同州最大の都市ウィチタは、現在、ボーイング社、セスナ社、レイセオン社などが拠点を置き、航空機の製造で世界をリードしている。
 
州民のほとんどは19世紀に入ってきた北欧、ドイツ、ロシアからの移民の子孫。保守的な同州では日曜日が「禁酒日」となっており、日曜日は酒店は閉まり、スーパーなどでもアルコール類を販売しない。しかし、酒類の購入が許可される年齢はほとんどの州が21歳以上なのに対し、同州は18歳以上という矛盾した部分もある。

 

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