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現地情報誌「ライトハウス」が過去に取り上げた、アメリカ芸能界ゴシップ情報や、著名人・有名人へのインタビュー記事など。

ライトハウス編集部
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ライトハウス 創刊20周年記念イベント 第12弾
フジコ・ヘミング ソロピアノ・リサイタル ロサンゼルス

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インタビュー・レポート
ピアニスト フジコ・ヘミング


去る7月24日、26日の2日間、The Broad Stage at Santa Monica College Performing Arts Centerにて、フジコ・ヘミングさんのソロピアノ・リサイタルを開催した。両日とも540席が完売。ベートーベンの『テンペスト』やショパンのエチュード、そしてトリにはフジコさんを一躍有名にしたリストの『ラ・カンパネラ』が演奏され、観客は一様に、情感あふれる、力強い演奏に感動した。最終日の終演直後に、フジコさんに話をうかがった。

フジコ・ヘミング(Ingrid Fuzjko Hemming)
日本人ピアニストの母と、スウェーデン人建築家の父の下、ベルリンで生まれる。10歳からレオニード・クロイツァーに師事。毎日コンクール入賞、文化放送音楽賞を受賞するなど注目を浴びる。28歳の時にベルリンへ留学。風邪による高熱で聴力を失い、スウェーデンへ移住。再びドイツへ戻り、音楽教師をしながら演奏活動を行う。1999年にNHKで放送されたドキュメンタリーをきっかけに大ブレイク。デビューアルバム『La Campanella』は200万枚を売り上げ、日本ゴールドディスク大賞を4度受賞。2008年にアメリカにて"Fuzjko Label"を設立、アメリカデビューを果たす




私の公演は、いつもソールドアウトであってほしい

今回の公演を終えて、感想は?
 
今日は素晴らしい演奏ができました。自分の出来というのは自分にしかわからないものですが、すごくうれしいです。最近はすごく調子が上向きで、度胸も付いて、完全な演奏ができるようになりました。すごく満足しています。
 
この前ロスで弾いた時(2007年の公演)は、2千人か3千人くらい入る会場が完売になったんですが、ああいうのは向いていないかもしれません。私にはもっとこぢんまりした所が向いているし、お客さんが喜んでくれているのもわかるし。今回のような会場で2〜3回演奏した方がいいです。お金のない苦学生とかを対象に、タダの演奏会をしたっていいわ。
 
今回のプログラムは、あんまり欲張って、色々とやらない方が良いと思ってレパートリーを決めました。ただ、『ハンガリアン・ラプソディー』は、今回弾くはずだったのだけど、ちょっと手を痛めて止めたんですよ。昨年12月にロンドンで、新しいフジコレーベルのCDを録音しました。そこはビートルズを育てた大物プロデューサーが作った素晴らしいスタジオで、「神の手」と言われるロンドンの技師たちが録音に携わってくださって。今までにないような音響のCDなので、皆さん興味を持っていただけると思います。


アンコールの2曲は、どちらもしっとりしていますが、何か意図はありましたか?
 
『ラ・カンパネラ』を弾いた後で、もう1回ブラボーが出るような曲を弾いてもしょうがないから、わざとしっとりした曲にしたの(笑)。お客さんが静かなのは感動と関係ないから。


今回も非常にパワフルな情感溢れる演奏でしたが、そのパワーの源はどこにありますか?
 
私は神様を信じているから、弾く時にはいつも「お守りください、お守りください」とお祈りしています。だから神様はちゃんと守ってくださるし、信仰は大切ですよね。
 
曲と曲の間で黙想しているのも、実は心配なんです。私、歳を取ってきているから、背中が丸くなっておばあさんみたいに見えないかしらと思って。カッコ悪いかなとか、そんなことばかり考えています(笑)。だから一所懸命、背筋を伸ばして。私の公演は、いつもソールドアウトであってほしいですから。もし将来聴く人がいなくなったら、ネコと犬のためだけに弾きますよ(笑)。


今回のお召し物は大変素敵ですね。いつもそのような装いで演奏されるんですか?
 
私のお世話をしてくれている友達が、京都などで芸者さんのお古などを探してくるんですよ。昔の着物の色って素晴らしいですからね。染め物も、私は好んでいます。海外で公演する時は、現地の方は絶対に着物がいいと言います。日本人はあまり喜びませんが(苦笑)。でも日本人、特に男の人はもっと着物を着てほしい。とても似合うから。

もうハッタリでは弾かない飾るから滑稽になるロサンゼルスの印象はいかがでしたか?
 
日本で言えば、軽井沢みたいにお洒落な街だし、歩いている人もお洒落な人が多いですね。私はアメリカ人が好きで、アメリカに憧れていました。だけども、昔は全然お金がなかったから。渡米しようと大使館に行っても、「いくらお金を持っているか?」と聞かれると、預金通帳も持ってなかった状態でしたので、仕方なくヨーロッパに留まったんです。
 
(指揮者の)小澤(征爾)さんにヨーロッパで会ったことがあるけど、モヤモヤしてたの。彼はそれでアメリカに来て、初めてパワーアップしたんですよね。アメリカ人てすごく寛大で、人間としては世界最高だと思います。


媚を売らないで、もっと純粋でありたい

フジコさんは、音楽を通して何を伝えたいですか?
 
さあ、何でしょうね。何で皆さんが私の演奏会に来るのかわかりません(笑)。ただ、ほかの演奏家からは、「フジコのピアノは深い」って言われたりします。きっと、信仰があるから深いんじゃない?深みとかは自然に出るもので、私は「作る」ことが全然できません。
 
この間、華道の大家の假かりやざき屋崎省吾さんの知り合いで、パリコレにも出たすごくきれいな女優さんがいて、彼女の首が痛くて回らなかったんですって。ところが私の演奏会に来て、「ラ・カンパネラ」を聴いたら、帰る時には首が治ってしまったと、私に言ってくれました。病院にいる人が私のCDを聴いたら、どういうわけか治っちゃったとか、そういう話をよく聞くから、どうもウソじゃないらしいわ。きっと私があまりにも神様に祈りながら弾いているから、それで効くのかな。薬みたいなものよね。


フジコさんにとってピアノや音楽とはどういうものですか?
 
私にとって、ピアノは人を慰めるものです。私も慰められているし、最近はお金も入って来るから、毎年、ユニセフにも寄付しています。(日本の自宅がある)下北沢辺りの野良ネコも助けることができました(笑)。すごくうれしい。
 
ピアノはお客さんが入る限りやりますよ。あとはネコと犬のためにね。ネコも結構、聴いているんですよ。人間と同じで、ネコにも色々いて、音楽なんか聴かずに尻尾巻いて逃げて行っちゃうのもいるしね(笑)。
 
今まではハッタリ。「こうやったらウケる」といったことばかりを考えていたけれど、バカバカしくなって。最近はいっぱいバッハを弾くようになりました。バッハなんてハッタリが利かないですからね。だから私は、媚を売らないでもっと純粋でありたいと思います。
 
東京では私のバッハをとても感激したとみんなが言ってくださったから、同じ曲をパリの友達のピアニストに「弾いてみな」と言ったの。そうしたら、まるでチョコレートみたいなバッハを弾いたから。飾るから滑稽になっちゃうのよね。
 
来年あたりから、全米ツアーもやる予定です。私、飛行機がダメなので、大きな車を借りてアメリカ横断するみたいだから、すごく楽しいと思います。やれるうちに早くやっておかないとね。


ロサンゼルス公演 演奏プログラム
(2009年7月24日/26日)

DEBUSSY Clair de Lune(De "Suite Bergamasque")
Jardin Sous la Pluie("Estampes")
BEETHOVEN Piano Sonata No. 17 in D Minor,Op. 31-2(Tempest)
CHOPIN Nocturne in E Flat Major, Op.9-2
Waltz in E Flat Major,Op.18-1(Grande Valse Brillante)
Étude in E Major, Op.10-3(Chanson de L'adieu)
Étude in G Flat Major, Op.10-5(Black Keys)
Étude in C Minor, Op.10-12(Revolutionary)
BACH Jesu, Joy of Man's Desiring( Aria)
LISZT Un Sospiro(3 Études de Concert S144-3)
Frühlingsnacht(Schumann Transcription)
Grandes Études D'après Paganini No.6 S.141-6
La Campanella (Grandes Études D'après Paganini No.3 S.141-3)
Encore
CHOPIN Nocturne No.1 in B Flat Minor Op.9-1
J.M. Ravel Pavane pour une Infante Defaunte



フジコヘミングのロサンゼルス公演の情報満載
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■フジコへミング公演トピックス
www.lighthousela.net/bbs/detail/bt_seq:275

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(2009年8月16日号掲載)