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現地情報誌「ライトハウス」が過去に取り上げた、アメリカ芸能界ゴシップ情報や、著名人・有名人へのインタビュー記事など。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

日本に資産を持っている方の「税金・資産運用」

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日本経済新聞主催・ライトハウス後援
日本経済新聞米国印刷20周年記念セミナー


 去る7月11日水曜日、ライトハウス社屋にて奥村眞吾氏による税金・資産運用のセミナーが開催された。日米両国に資産があるものの、どのように運用したら良いのかわからないといった人から、税金・資産運用の知識を身に付けたいという人まで多数参加。難しい内容もわかりやすく解説され、リラックスした雰囲気のなかで講演が行われた。当日の内容をダイジェストでお伝えする。

おくむら・しんご■1947年大阪府生まれ。現在、(株)奥村企画事務所代表取締役、奥村税務会計事務所所長。東京及び大阪の事務所を拠点に、上場会社をはじめ、医療法人、公益法人など多数の企業の税務や相続税対策に携わっている。ラジオNIKKEIで「資産家のための税金セミナー」のパーソナリティ、NHK文化センター講師等もつとめ、海外にも拠点を置き海外税務も手がける。


居住国の判定と
税金の仕組み

 日本は、日本と韓国、日本と中国、日本とアメリカといった具合に租税条約を結んでいます。租税条約とは、脱税の防止と二重課税の排除などを目的として、主権国家の間で締結される条約を指します。日本と租税条約を結んでいる国は、54カ国あり、約30年前から始まりました。

 日本には3つの税金があります。法人税、所得税、そして相続税です。これを直税三法と言います。直税三法は、アメリカのコロンビア大学教授のシャウプ博士によって定められました。いわば、日本の国の税金の仕組みを決めた人です。ちょうど日本が占領されて、憲法が作られた頃の話です。

 ところが、租税条約は、法人税と所得税の租税条約だったのですが、2年前、これは世界でも非常に画期的なことなのですが、日本とアメリカで相続税の租税条約を結びました。相続税と贈与税の租税条約を結んでいるというのは、全世界で日本とアメリカのみです。

 平成になってから日本の財政が極めて圧迫されてきました。お金がない、とみんなが騒いでいる頃、取れるものは何でも取ろうという考えが出てきまして、住んでいる国に税金を収めるという1番の基本が生まれたわけです。

 つまりこれは、所得税と住民税を収めるということなんですが、グリーンカードの問題もありますが、アメリカには183日基準というのがあります。今住んでいなくても、その年に31日以上住んで、その前年の滞在日数×3分の1、前々年の滞在日数の6分の1、この合計が183日以上あれば、あなたはアメリカの居住者で、アメリカでタックスリターンをしなくてはいけないということになります。

 日本の場合、200日以上住んでいても、居住場所がないということで、アメリカ人の方は日本に税金を納めない人はたくさんいます。アメリカの場合、この半分の日数でもアメリカ居住者になります。

 日本ではアパートや自宅などを持つと居住者扱いになるため、アメリカの大リーガーは、日本で働いても、家は絶対に買わない。ホテルか宿舎で寝泊りするらしいんですよ。それでも日本に5年以上いれば、日本の税金がかかってくるんです。だから5年働いたら終了、ということでアメリカに帰る。そうすると、日本の税金は20%の源泉徴収だけで済むことになります。


日本の相続税と
贈与税

 日本では相続税の徴税コスト(税金を徴収するためにかかる費用)が1番かからないので、相続税を取りやすいんです。日本では消費税だけで、1年間で約11兆円入るんですね。ところが、相続税と贈与税というのは、2兆4千億円入ります。消費税の20%ぐらいですね。日本の11兆円の消費税というのは、日本の国民1億3千万人と、海外から日本に来る人全部合わせて11兆円なんです。2兆4千億円を何人で納めるかというと、約4万人から4万2千人の相続税がかかる遺産を持った人だけなんです。なので、4万人くらいで2兆4千億円っていう金額を払うんですよ。そうなると1人あたり5千万円を超えるということになります。

 2000年に日本だけ相続税、贈与税の条約を変えました。アメリカに長年住んでいても、遺産を相続する場合、日本国籍を持っていれば、日本の相続税、贈与税の納税義務者になるという風に。これは、日本に住んでいなくても税金を払うということで、亡くなった親が日本国籍なら、相続税、贈与税の対象になるということです。亡くなった人の財産がアメリカにあろうが日本にあろうが、全世界にある財産が相続税の課税対象となり、あなたは無制限納税義務者になります。だからアメリカに住んでいる日本人は、日本人であるがためにアメリカでも税金がかかり、日本国籍を持っているからというだけで日本にも行ったこともない人、例えば日系3世や4世の人でも、税金がかかるわけです。

 日本では相続税はその人が亡くなって、10カ月以内にきちんと遺産分割し、申告して終わります。10カ月は非常に短く、そして相続税の調査があります。この調査は相続税の申告から、2年半から3年半の間に行われます。日本では、相続税、贈与税は、「妬み税」と言われています。昨年から廃止になりましたが、納税者番付がありましたよね。そのなかで、第三者通報制度というのがありまして、要するに密告制度です。例えば一軒家を建てた場合、建築基準法に違反しているとか、あれだけの家を建てられるお金を持っているハズがない、脱税しているのではないかとか(笑)。とにかくお金を持っている人から取ったらいいという考えがいまだに見られます。

 日本では個人から財産をもらった場合、もらった人に税金がかかります。これが贈与税です。もらう財産には、現金や預金を始め、土地や建物の不動産、あるいは株券などの種類があります。アメリカと大きく異なるのは、日本ではあげた人に税金がかかるわけではなく、もらった人に税金がかかるのです。従って、もらった人が日本での納税義務者でなければ、誰も税金を払う必要がありません。

 ただ、日本国籍のある人は、たとえアメリカに住んでいても財産をあげる人、財産をもらう人のどちらかが、その贈与日の5年以内に日本に住所を有したことがあれば、無制限納税義務者となり、日本で贈与税を払わなくてはいけないということを認識する必要があるでしょう。

 日本国籍のない人でも、日本の財産の贈与を受ける場合、日本での贈与税の支払いが発生することも覚えておきましょう。