ここが知りたい米国税務・会計

現地情報誌「ライトハウス」の人気コラム「石上洋のここが知りたいアメリカ税務・会計」。米国公認会計士・石上洋さんによる日米の税務会計の違いやアメリカならではの税についての解説など、アメリカでのビジネスに役立つ情報をご紹介します。

ライトハウス編集部
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配当金の役割

配当金の役割 株式の配当 配当金の役割 株式の売買にはいくつかの方式があり、購入方法にも違いがあります。その日米での違いを説明すると共に、売却益や配当金の税金の支払いについて説明します。 配当金を控えて節税 近年の税法改正によって、キャピタルゲイン税率の最大税率が、15%から20%に、普通税率の最大税率も35%から39.6%に引き上げられました。加えて、高所 … »ここが知りたい米国税務・会計「配当金の役割」の続きを読む

株式の売買方式と税金

株式の売買にはいくつかの方式があり、購入方法にも違いがあります。その日米での違いを説明すると共に、売却益や配当金の税金の支払いについて説明します。 日米の市場の違い 日本の株式市場には値幅制限があり、「ストップ安」や「ストップ高」と呼ばれる値段に達すると、それ以上その銘柄の取引ができなくなります。加えて、100株や1000株から購入可能といった制限が設けられ … »ここが知りたい米国税務・会計「株式の売買方式と税金」の続きを読む

損失の扱い方

アメリカでは、個人事業、賃貸・投資物件などさまざまな形態で収入を得ている人が多くいます。これらの収入は関連費用を差し引くと赤字になることも。その赤字の税務上の扱い方を解説します。 通常の損失 個人事業、Sコーポレーション、有限責任会社(Limited Liability Company)などで発生した利益は、個人の確定申告上で税務処理を行います。損失が出た場 … »ここが知りたい米国税務・会計「損失の扱い方」の続きを読む

対象資産への給与課税

車やコンピューターのように、ビジネスとプライベートの両方で使用可能な資産を従業員に貸し出す場合、プライベート使用分は給与処理されるのが一般的です。 対象資産 雇用主が保有する、ビジネスとプライベートの両方で使用可能な資産を「対象資産(Listed Property)」と呼びます。車、コンピューター、カメラなどが代表例で、使用した総時間(車は総走行距離)のビジ … »ここが知りたい米国税務・会計「対象資産への給与課税」の続きを読む

健康保険に対するぜいたく税

通称「Cadillac Tax」と呼ばれるぜいたく税は、一般的に必要とされるものよりも高水準の健康保険に加入している場合に、その水準を上回る金額に対して課税されるものです。 導入の経緯 国民が適切な医療行為を受けられるようにと、アメリカでは2014年から国民の健康保険加入が義務付けられました。しかし、今まで健康保険に加入していなかった低所得者層を加入させるに … »ここが知りたい米国税務・会計「健康保険に対するぜいたく税」の続きを読む

固定資産の税務処理と基準の明確化

固定資産の税務処理に関して、米国では2014年1月1日以降の会計年度から、新基準への変更・適用が可能になりました。これにより経費計上可能金額が拡大されるなど、取り扱い方が明確になりました。 固定資産の税務処理と基準の明確化 固定資産とは、1年以上の耐用年数を持つ事業運営に必要な財産のことです。一定の金額を超える固定資産は、取得年度に一括で経費計上せずに、税務 … »ここが知りたい米国税務・会計「固定資産の税務処理と基準の明確化」の続きを読む

税率の低い州への引っ越し

アメリカでは、国税庁が徴収する連邦所得税に加えて、自治権を持つ各州も独自に所得税を徴収する仕組みになっています。そこで、税金の低い州へ引っ越す方も多いようです。 居住地の選択 IT技術の進歩に伴い、必ずしも職場に通える距離に住む必要はなくなりました。在宅勤務が可能な会社では、居住地を自分で選択することができるかもしれません。また、会社経営者や個人事業主であれ … »ここが知りたい米国税務・会計「税率の低い州への引っ越し」の続きを読む

富裕層向けの税法

年間の所得が一定額を超えると、純投資所得税と追加医療保険税が課税される可能性があります。これら富裕層向けの税法に対して、どのような対処法があるかご紹介します。 新しい税法 2013年の税法改正の影響を大きく受けているのは、Sコーポレーションの株主と、有限責任会社(Limited Liability Company/LLC)の所有者「メンバー」かもしれません。 … »ここが知りたい米国税務・会計「富裕層向けの税法」の続きを読む

税金の時効について

確定申告の時効と税務調査 税金の時効について 確定申告の時効と税務調査 確定申告や税金の支払いには時効があることをご存知でしょうか。また、その時効には税務調査も大いに関係してきます。今回は、確定申告の時効と税務調査について解説します。 確定申告の時効 確定申告には時効があり、それは「申告書を提出した日付」と「申告漏れの額」で決まります。2017年の締め切りで … »ここが知りたい米国税務・会計「税金の時効について」の続きを読む

出国時課税の支払いについて

米国籍または永住権所有者が、それを放棄して日本に戻る場合、出国時課税(Expatriate Tax)が発生する場合があります。この税金で注意すべき点を解説します。 日本でも制定へ 出国時課税(ExpatriateTax)は、富裕層の海外移住や、国外への資産持ち出しをけん制する目的で制定されている税法です。現在、米国以外ではカナダ、英国、ドイツ、フランスなどで … »ここが知りたい米国税務・会計「出国時課税の支払いについて」の続きを読む

自宅で家事使用人を雇う場合

共働きの家庭も増え、掃除、洗濯、育児などを個人的にひとに依頼する場合、現金で支払っていませんか?IRSの規定によると、給与処理をして給与税を支払わなければならない可能性があります。 家事使用税 家事使用人雇用に関する税金の正式名称は「Household Employer’sTax(家事使用税)」で、一般的には「Nanny Tax(子守り税)」と呼 … »ここが知りたい米国税務・会計「自宅で家事使用人を雇う場合」の続きを読む

家の購入と賃貸の比較

アメリカでは場所を選ばなければ格安で不動産を購入できますが、一部の人気のある地域では住宅価格の高騰が続いています。「購入」か「賃貸」か、税金面を中心に比べてみましょう。   住宅価格と家賃の比率 アメリカの投資格付け会社、Morningstarの調査(2013年)によると、家賃が物件価格の7%を超える場合は「購入」が有利で、5%を下回る場合は「賃貸」が有利だ … »ここが知りたい米国税務・会計「家の購入と賃貸の比較」の続きを読む

交際費の控除

交際費の控除 交際費の経費計上 交際費(Meals and Entertainment)の控除 経営者や営業職の人にとって顧客や出入り業者と食事を共にすることは日常茶飯事でしょう。では、その経費の扱いは税法上どのようになるのでしょうか。 会社の帳簿(会計上)では、ビジネスで発生した食費、つまり飲食代、チップ、消費税の全てを交際費(Mealsand Enter … »ここが知りたい米国税務・会計「交際費の控除」の続きを読む

拡大する詐欺被害

税務当局を名乗る者からの突然の電話やE-mail。あたかも税務当局であるかのように作成されたウェブサイト。確定申告のこの時期、そこから派生する詐欺が横行しています。今回はこれらへの対策を紹介します。 電話詐欺 数ある確定申告関連の詐欺の中で被害が一番大きいのは、米国国税庁(Internal Revenue Service:IRS)に成りすました電話詐欺と言わ … »ここが知りたい米国税務・会計「拡大する詐欺被害」の続きを読む

還付と納付の原則

確定申告作成の際に一番気になるのは、その年にお金が「返ってくる」か「支払う」かでしょう。なぜ毎年、確定申告で還付になったり納付になったりと違いが出てくるのでしょうか?   確定申告の結果、還付になるか納付になるかは、納税者にとって一大事です。しかし、源泉徴収や予定納税で事前に支払っているものが確定申告時に多いか少ないかで還付・納付が決まるので、最終的な金額は … »ここが知りたい米国税務・会計「還付と納付の原則」の続きを読む

確定申告で必要な情報や書類

確定申告で必要な情報や書類 個人の確定申告作成 確定申告で必要な情報や書類 確定申告の時期が近付いてきました。確定申告にどんな資料が必要か、よく知らない人も多いと思います。今回は、確定申告をする際に、どんな情報や書類の提出が必要になるのかをご紹介します。 1月に入ると確定申告に必要な書類が各機関から送られてきます。今回は、特に個人の確定申告で必要になるものを … »ここが知りたい米国税務・会計「確定申告で必要な情報や書類」の続きを読む

オバマケアと確定申告

オバマケアと確定申告 医療保険未加入の罰金 オバマケアと確定申告 2014年に施行開始され、トランプ大統領が就任直後に改定をほのめかし、その後、考えを改めたとの報道があったAffordable Care Act(通称オバマケア)。確定申告にも関係があるので、どのようなものなのか把握しておきましょう。 オバマケアの対象者は「アメリカの税法上の居住者」です。税法 … »ここが知りたい米国税務・会計「オバマケアと確定申告」の続きを読む

年末に向けた税金対策

今年も残り約2カ月となり、来年の確定申告に向けて、対策 今年も残り約2カ月となり、来年の確定申告に向けて、対策を考え始めている人もいるかもしれません。今からできる税を考え始めている人もいるかもしれません。今からできる税 金対策にはどのようなものがあるのでしょうか?今回は、金対策にはどのようなものがあるのでしょうか?今回は、年末までに可能な投資利益の税金対策を … »ここが知りたい米国税務・会計「年末に向けた税金対策」の続きを読む

アメリカでの老後生活

上手に貯金し、賢く投資をすることで、老後にゆとりある生活を送ることができます。今回は、退職後の生活費の捻出方法について紹介します。 ソーシャルセキュリティー アメリカで10年以上働いている場合、ソーシャルセキュリティー(アメリカの年金)の受給資格があります。給与の額面6.2%のソーシャルセキュリティーを、従業員と雇用主がそれぞれ納め、一般的なアメリカ人は退職 … »ここが知りたい米国税務・会計「アメリカでの老後生活」の続きを読む

新たな貨幣(ビットコイン)の成り立ち

人類が物々交換の代わりに石や貝を通貨として使い始めてから数千年、その後、その形態は進化を遂げ、鋳造硬貨が誕生しました。その起源は紀元前700年前後といわれています。そして中世になると紙幣が登場し始めました。これらの歴史を経て、電子通貨と呼ばれる新たな通貨が誕生。実際の通貨が国境をまたいで複数の種類があるように、電子通貨にも複数の種類が存在します。なかでも有名 … »ここが知りたい米国税務・会計「新たな貨幣(ビットコイン)の成り立ち」の続きを読む

出張にかかる経費

企業の国際化が進む昨今、ビジネスパーソンが世界各地を飛び回ることは半ば日常茶飯事と言えるでしょう。企業が国外に拠点を求めるのにはさまざまな理由がありますが、安価な労働力や新しい市場開拓といったことが主な理由です。1960年から70年代の高度経済成長期には多くの日本企業がここアメリカへ新しい市場を求めて渡ってきました。   そして90年代に入ると、より安価な労 … »ここが知りたい米国税務・会計「出張にかかる経費」の続きを読む

大学の学費に対する援助

アメリカの大学の学費は年々上昇する傾向にあり、特にここカリフォルニア州では、州の財政難などの理由から過去10年で2倍以上に膨れ上がっています。この伸び率は明らかに経済のインフレ率よりも大きいので、家計に占める学費の割合も必然的に大きくなっています。私立大学のみならず公立大学でも年間数万ドルの費用がかかるので、一般家庭の収入では十分な学費を捻出できないことも多 … »ここが知りたい米国税務・会計「大学の学費に対する援助」の続きを読む

定期給与とボーナス

会社を営む際に切っても切り離せないものが経費です。中でも最大の割合を占めるといっても過言でないのが給与です。その中でも多くを占めるのが役員報酬です。他国と比べ、アメリカでは経営陣に多額の報酬を支払うことが多いのですが、その金額は何をもとにしているのでしょうか。 国税庁(IRS)によると、役員は被雇用者として扱われ「妥当な金額」の報酬を受け取る権利があります。 … »ここが知りたい米国税務・会計「定期給与とボーナス」の続きを読む

税務上特殊な扱いをする経費

税務上特殊な扱いをする経費 交通費の税務処理 税務上特殊な扱いをする経費 管理上の経費と税務上の経費が必ずしも一致するとは限りません。その結果、自社で管理している収支と税理士の計算した収支に違いが生じることが多くあります。では、その違いはどのような理由で発生するのでしょうか。 これは、管理上は経費計上可能と判断されても、税務上では制限の設けられている経費が多 … »ここが知りたい米国税務・会計「税務上特殊な扱いをする経費」の続きを読む

ギャンブル、賠償金、FXに対する課税

人生どこでどんな思いがけない収入を得るか分かりません。何もしないで収入を得ることは相続などの特殊なケースを除いてないでしょう。しかし、逆に「何かをすれ」ば思いがけない収入を得る機会があるということ。もしそのような収入を得たら、散財する前に納税の可能性を考えなければなりません。今回は、ギャンブル、賠償金、株などの取引で発生する課税について解説します。 ギャンブ … »ここが知りたい米国税務・会計「ギャンブル、賠償金、FXに対する課税」の続きを読む

FATCA(外国口座税務遵守法)とは

2010年3月、オバマケア成立で世間の声がかまびすしいなか、外国口座税務遵守法(FATCA)が議会を通過しました。賛否両論の法案で、長期にわたる施行延期期間を経ましたが、ついに今年7月1日から施行されます。これにより米国内外の金融機関には大きな波紋が広がっています。このFATCAとはどのような法律なのでしょうか。   FATCAは、オバマ政権の掲げる政策の一 … »ここが知りたい米国税務・会計「FATCA(外国口座税務遵守法)とは」の続きを読む

J-1 ビザ保持者の確定申告

アメリカに来て仕事がしてみたいけれど、アメリカでの職務経験もないし、英語はまだ勉強中。そこで、「J-1(Exchange Visitors)」ビザを取得して渡米したという方も読者の皆さんの中にはいらっしゃるのではないでしょうか。「J-1」ビザは学生、研修生、研究者に対して発行されます。今回は、「J-1ビザ」保持者個人の連邦税(IRS)の確定申告について解説し … »ここが知りたい米国税務・会計「J-1 ビザ保持者の確定申告」の続きを読む

居住者・非居住者・二重ステータスの場合の確定申告

米国市民や永住権保有者はもちろん、アメリカで一定の所得がある人は年に1度、確定申告(Tax Return)をしなければなりません。その際、自身が税法上の居住者(Resident)か非居住者(Non-Resident)かを把握していることは重要です。なぜなら、両者には申告しなければならない所得に大きな隔たりがあるからです。 非居住者の場合は、課税対象がアメリカ … »ここが知りたい米国税務・会計「居住者・非居住者・二重ステータスの場合の確定申告」の続きを読む

税務調査

「税務調査」という言葉を聞くと、あの人気ドラマ『半沢直樹』の片岡愛之助さんが演じたオネェ検査官、黒崎を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。しかし、多くの人が税務調査などドラマの中の話で、まさか自分が調査の対象となるとは考えないでしょう。確かに税務調査の対象となるのは全体のわずか1%だそうです。しかし、調査の基礎知識を持ち、いざという時に備えることは大切 … »ここが知りたい米国税務・会計「税務調査」の続きを読む

計上できる経費

事業に関連する経費は収入と相殺することで、節税につながります。しかし、間違って経費計上して調査対象となると最低過去3年にさかのぼって調査され、追徴課税されることもあります。特に悪質とみなされた場合は、多大な罰金も科されるので気を付けなければなりません。 しかし、IRS(内国歳入庁)の定める経費の定義を理解すれば「何を経費計上してよいか」比較的簡単に判断するこ … »ここが知りたい米国税務・会計「計上できる経費」の続きを読む