アメリカンドリーマーズ
シルク・ド・ソレイユ『KĀ』・パフォーマー【バックナンバー】
高橋典子
どんなことが起きようとそれを受け入れ、学んで
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内容も役も知らされず
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ショーは緊張の連続。終わった後は1番ホッとしますね(笑)
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バトンを始めたのは6歳の時。そのうちに世界大会にも出るようになって、91年に日本人として初めて、世界大会で金メダルをいただいたんです。それから何回か優勝することがあって、もっと芸術的な部分を含めて、何かをしていきたいなと思っていました。その時に、ちょうどシルク・ド・ソレイユから、バトントワラーが欲しいという話がありまして。各国から選ばれた人が、演技のビデオと履歴書を送ったんです。でも、結局、その話はなくなってしまいました。
ショーのことも半ば忘れかけていたある時、1通のEメールが届きました。差出人が知らない人だったので、「怪しい」と思って、そのまま開けずに放っておいたんですね。夜中にアドレスを見たら、「〜〜@cirquedusoleil.com」だったんです。で、「新しいショーがあるのですが、興味があったら出ませんか?」みたいな感じで、2行くらい。詳しいことはまったく書いてありません。でも、何か新しいことをしたかったので、ぜひぜひというメールを書いて。それが『KĀ』との出会いです。後から知ったんですが、本当は最初のクリエーションの時点から、「この人を使おう」と決めてたみたい。
それから1年以上経った04年2月に、やっとトレーニングセンターのあるモントリオールに行くことに。それまでは、具体的にどういうことをやるか全然教えてくれないんですよ。自分がソロということも、ショー自体がどういうものかも。「秘密だから」っていうので、両親にも言えなかったんです。それに、この話自体がウソだったら困ると思って(笑)。
他のメンバーは03年の10月か11月にトレーニングに入っていましたので、私を見て「あっ! この人なのー!?」みたいな話をしてるんです。振り付けの人もいて、「あなたはソロでバトンをやる人だよね?」って言われて、「えっ? そうなんですか?」って。キャラクターであるということは、契約書の中に入っていたんですけれども、バトンをするとはなかったですし、ストーリーのあるショーの中での猝鬮瓩あるとは、知らなかったんです。
モントリオールでは、自分のパートの振り付けと、高い所から落ちる練習をしました。安全ネットがいつも敷いてあるんですけれども、そこにきれいに落ちないと怪我をするので。だから10メートル上から落ちる練習とかをよくしました。振り付けとか、自分以外のメンバーのシーンがあるので、学ぶことはたくさんあって。
『KĀ』は、舞台装置がすごいので、なかなかでき上がらなかった。やっと舞台ができて、最初に通し稽古をしたら、8時間以上かかったんです。
例えば、空中に浮いているような舞台装置があるのですが、それを使うあるシーンの練習。私の出番は初めのほんの一瞬、舞台側面の中だったんですが、舞台上のクリエーションがなかなか終わらず、ずっと中で待たされて。トイレに行きたい共演の友人もいて、「私たち、何時間待ってると思う?」って。結局、舞台が下に降りて、外に出たら、2時間半も狭い中にいたことがわかりました。その夜も同じ練習があって、また入って、その後1時間半。そういう感じ。
不測の事態に対応するため
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©Tomas Muscionico
Costumes by Marie-Chantale Vaillancourt. Cirque du Soleil Inc. |
大会に出て演技するのと、ショーでするのとでは基本的には同じ。だけど、ショーはストーリーを語らなければならない。だから、表現する部分が多いですね。台詞がないので、感情を表現するという演技の部分が大きいかも。演技とかは、これまでしてこなかったので、「これでいいんだろうか?」って、常に気を遣うというか、どういう風にするのが正解かっていうのが、未だにわからない。自分でショーのビデオを見て、「何してるかわからないじゃん」って思ったら、変えていったり。自分ができることを精一杯、毎日やるしかない。日々学びながらやるしかないんですね。
ショーをやっている中で1番難しいことは、ライブなので何が起きるかわからないこと。そこにいかに普通に対応していくかってことですかね。常に感覚を研ぎ澄ましておかないと、不測の事態に反応できない。だからそういう意味では楽しいし、緊迫感がありますよね。自分のキャラクターをもちろん持ちつつ、何が起きても対応できるように心構えをしている状態です。
今はショーに出る毎日、毎日が本番という生活なので、「毎日、なんで自分はこんなに緊張して生活しなきゃいけないんだろう」って思うことはよくあります。自分が舞台に立っていて、何かが起きた時っていうのは、本当にドキドキしますね。だから、1番ホッとするのは、ショーが終わった後なんです(笑)。いつまでもこのホッとしたのが続くといいなって。
日々ベストを尽くせば
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