ジョージア州(30)/アメリカ南部

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アメリカの郷愁を誘うサザンホスピタリティー

ジョージア州の旗

ミシシッピ以東最大のジョージア州。面積は日本国土の40%に相当する。北にはブルーリッジ山脈を抱え、南にはワニが生息するオケフェノキー沼、東は太平洋に面している。

ジョージア(Georgia)州の基本情報
人口(2022) 10,799,566人
面積 57,701.1mile2
人口密度 (2020) 185.6人/mile
州都 アトランタ (Atlanta)
州知事(2024) Brian P. Kemp(共和党)
州のニックネーム Peach State
人種の割合 白人59.0% / 黒人33.1% / ネイティブ・アメリカン0.6% / アジア系4.8% / ヒスパニック10.5%
1世帯当たりの平均収入 (2022) $72,837
貧困家庭の割合 (2022) 12.7%
住宅平均価格 (2017-2022) $245,900
平均家賃 (2017-2022) $1,269
観光情報サイト Explore Georgia
オフィシャルサイト Georgia.gov

(出典元:U.S. Census Bureau)

南北戦争で伝統が崩壊。アフリカ系エリートの誕生

ジョージアといえば、『風と共に去りぬ』を思い浮かべる人も多いだろう。1800年代前半は綿花王国として君臨、多くの大農場が生まれた。綿織機の発明で綿花栽培は利潤の高い産業となったが、一方、広大な農場で働く多くの人手が必要となり、奴隷取引に拍車をかけた。
 
リンカーン大統領の奴隷解放政策に反発し、1860年連邦から脱退。「南部同盟」を結成する。翌61年、南北戦争が勃発。首都アトランタは焦土と化し、州のほぼ全域が破壊された。
 
敗戦によって、南部奴隷州としての価値と生活様式が根底から覆されたが、反面優秀なアフリカ系エリートを数多く生み出した。マーチン・ルーサー・キング牧師もアトランタ出身。1971年にアトランタ市長に当選したメイナード・ジャクソンは、南北戦争復興以来、南部で初めて誕生したアフリカ系市長だ。以来アトランタ市長はアフリカ系が続き、市議会、警察署長もアフリカ系で占められている。

近代都市に残るアメリカの郷愁

大豆、トウモロコシ、ピーカン、ピーナツなどの農業や牧畜も盛ん。ジョージアが生んだ大統領、ジミー・カーターもピーナツ農園の息子だった。南北戦争後もプランテーション経済は維持され、繊維産業を中心に発展。1960年代以降は、ノースカロライナからテネシー、ジョージア、アーカンソー以南を通りカリフォルニアへと続く「サンベルト」に乗った工業化が進み、アトランタ市は高層ビルが建ち並ぶ近代都市となり、コカコーラ本社やCNNセンターがある。
 
南北戦争で徹底的な焦土作戦に遭ったため、南部の歴史を残した街並はない。しかし、サザンベルと呼ばれる南部美人を賞賛した騎士道的な精神や、客人を温かくもてなすサザンホスピタリティーは今でも根強く残っている。州歌となったレイ・チャールズの『我が心のジョージア』とともに、アメリカ人の郷愁を駆り立てている。

 

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