山本千尋 / 女優・太極拳選手

武術太極拳選手として活躍を続けると共に、映画『太秦ライ ムライト』以後、女優としても注目を集める山本千尋さん。世界的アクション女優を目指し、2015年からLAのアクティングスクールで学ぶ山本さんにお話を伺いました。

山本千尋◎1996年8月29日兵庫県神戸市生まれ。武術歴13年。2012年第4回世界ジュニア武術選手権大会で、槍術の金メダル、剣術と長拳の銀メダルを獲得。14年公開の『太秦ライムライト』で映画初出演。15年春公開の『新撰組オブ・ ザ・デット』にもヒロイン役として出演。

―太極拳だけでなく、女優活動を始められたきっかけは?

7歳で太極拳を始め、武術に打ち込んで来たのですが、2012年に世界ジュニア武術選手権大会で優勝したのをきっかけに、「かっこいいね」と褒められたり、注目を集めたりするように。太極拳はマイナーなスポーツなので、それまではなかなか認めてもらえることもなく悔しい思いを
してきたのですが、そんな思いをチームにいる小さい子たちにさせたくない、もっと武術を広めたいと思ったんです。それで武術を広めるために思い付いたのが、「アクション女優になる」ことでした。

―14年に、映画『太秦ライムライト』で女優デビューされました。

映画に出させてもらったのは、武術のおかげでした。演技は全く初めてで、オーディションもすごく緊張してしまったのですが、オーディション後、太秦(うずまさ)の道場で30分ほど殺陣を初めて教わったとき、刀を持つと不思議と安心感があって、そのきだけ緊張せず思うように体を動かせたんです。

―撮影現場はいかがでしたか?

毎日すごく刺激的で、早く撮影にならないかなとワクワクして、自分の場面のない時も撮影現場に行っていたくらいでした。太秦の立ち回りの方々は、「見せる」というプロ意識が高く、そこでリアルで見てもらうことと、映像で見てもらうことの違いを学びました。それからは競技として武術の演舞をするときも、どうしたら目を離さずに見てもらえるだろうと考えるようになりました。

―なぜLAで演技を学ぶことに?

女優活動を始めて映画をたくさん見るようになり、私もハリウッドのアクション映画女優のようになりたいと思うように…。そして、14年に『太秦ライムライト』上映でロサンゼルスに来た時、「ハリウッドに行きたい」という思いがとても強くなったのです。

―渡米されるにあたり、不安はありませんでしたか?

不安はゼロではありませんでしたが、不安より楽しみが勝っていました。渡米前、『太秦ライムライト』でお世話になった方々に挨拶に行ったら、福本さんをはじめ 皆さんが「アクションはやはりアメリカだ。頑張っておいで」と。その言葉が大きな支えになっています。英語があまり分からないまま来てしまったので言葉は苦戦していますが、逆に分からないから毎日新鮮で楽しいです。

―英語力向上のために、どんなことをされていますか?

映画を見ることですね。「あ、この言葉、あの映画で言ってた」みたいなことが学校でも日常会話でもあるんです。映画を見るのがすごく好きだし、英語の勉強にも演技の勉強にもなるので、映画を見るのが一番楽しい勉強法ですね。

―目標にされているハリウッド俳優はいますか?

アンジェリーナ・ジョリーにも憧れていますが、レオナルド・ディカプリオがすごく好きなんです。彼の娘役…、うーん彼女役で共演したいです(笑)。でも一番目標にしているのは、真田広之さんや渡辺謙さん、『太秦ライムライト』主演の福本伸三さんといった、日本を代表して、海外で日本の良さを伝えている方々です。そうした方々のように、私も日本の良さを海外で伝えたいと思っています。

―LAではどんな生活をされていますか?

アクティングスクールに通って演技を学びながら、ジムに行ったり武術のトレーニングをしたり。あとはカフェに行くのもビーチに行くのも大好きです。アメリカはカフェに行っただけでも、店員さんがフレンドリーですよね。つたない英語で通じないこともたくさんあるけれど、楽しく対応してくれます。「できなかった」とマイナスに考えるんじゃなくて、「できなかったけれど、楽しかったな。次も挑戦しよう!」と思わせてくれるのは、アメリカ人の人柄かなと思います。あと、ロサンゼルスに来てビックリしたのは、冬は想像以上に寒いですね(笑)。

―今後の予定は?

1年間の留学の予定ですが、ハリウッドでアクション女優として活躍し、日本の良さを伝えられる女優になるために、しっかり学び考える時間にしたいです。日本人の良さを忘れず、かつアメリカ人の良いところを学びながら、ロサンゼルス生活を満喫したいです。
 
(2016年2月16日号掲載)

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