コミュニティーカレッジの復活

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(2024年3月号掲載)

減り続けた学生数

近年、大学に進学する学生は減少傾向にありましたが、2023年秋は増加に転じました。パンデミック以降、コミュニティーカレッジに進学する学生が大幅に減りましたが、23年秋は2.6%増と、わずかながら上向いています。

パンデミックを機に、難関大学のアプリケーションが急増し、アメリカの大学全体が活気づいていると思われがちですが、アメリカの大学の学部学生は過去5年間で100万人以上減っています。学生減の影響を最も受けるのが、経営基盤の弱い小規模大学やコミュニティーカレッジです。23年は20校以上の大学が統廃合でなくなりました。

学生減の要因は進学率の低下です。National Center for Education Statistics(NCES)によると、18〜24歳の大学進学率が11年は42%でしたが、21年は38%でした。2年制大学の進学率低下の影響が大きかったので、在籍学生数が上向きになったことは、コミュニティーカレッジにとって、光が見えてきた感じでしょうか。

職業訓練ニーズの高まり

中でも職業訓練のプログラムに重点を置いたコミュニティーカレッジは高い成長を遂げ、23年秋の学生数は、前年比16%増となりました。対照的に4年制大学へのトランスファーに重点を置くコミュニティーカレッジの学生数は依然として、19年を下回っています。

コロンビア大学でコミュニティーカレッジについて研究を行うトーマス・ブロック氏は「今日の学生は非常に現実的な思考を持ち、仕事に直結するスキルを獲得して、より良い仕事に就き、キャリアを積んでいくことに目を向けている」と述べています。

幅広い世代の教育を担うプログラム

高校生が大学レベルのクラスを履修し、高校と大学の単位取得を目指す際の教育機関としてコミュニティーカレッジで学ぶケースが増えています。23年秋は、このデュアルエンロールメントの履修者が前年比5.2%増と大きな伸びを示しました。さらに、スキルアップを目指す30歳以上の大人も、23年秋は前年比2.2%増となりました。パンデミックを経て、コミュニティーカレッジはオンラインやハイブリッド型のプログラムに注力してきました。その結果、高収入の仕事につながる新しいスキルを習得したい社会人に魅力的な教育の場になったと考えられます。一方で、高校を卒業して入学した新入生の23年の伸び率は、わずか0.8%でした。

4年制のコミュニティーカレッジ

オレゴン州、ワシントン州など全米24州ではコミュニティーカレッジで4年制学位を授与することが認められています。カリフォルニア州では、21年より、コミュニティーカレッジが4年制の学位を授与する教育機関として正式に認められました。「歯科衛生」「健康情報管理」「自動車技術」など、職業訓練にフォーカスした10分野で4年制プログラムを提供しています。4年間の授業料の総額が約1万ドルとリーズナブルで、72%の学生が、学資ローンを利用せずに卒業しているそうです。

幅広い世代に対し魅力的な教育機関として、コミュニティーカレッジの価値が今後ますます高まることが期待できそうです。

(2024年3月号掲載)

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