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現地情報誌「ライトハウス」が過去に取り上げた、アメリカ芸能界ゴシップ情報や、著名人・有名人へのインタビュー記事など。

ライトハウス編集部
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プロテニスプレイヤー・錦織 圭 選手

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精悍な容姿と落ち着いた口調でインタビューに応じた、プロテニスプレーヤーの錦織圭選手。プロ転向1年目の昨年、「デルレイビーチ国際選手権」で、かつて世界ランキング4位のジェームズ・ブレーク選手(米)を破り、見事ツアー初優勝。久しぶりに登場した世界レベルの男子プレーヤーに、日本中が湧いた。2月9日からサンノゼで始まったSAPオープン直前に、世界の大舞台に立つ弱冠19歳の錦織選手が静かに語ってくれた。


◎にしこり・けい
1989年12月29日、島根県生まれ。5歳からテニスを始め、2003年のテニス留学を機に、現在はフロリダを拠点に活躍。07年にプロに転向し、08年2月開催の「デルレイビーチ国際選手権」でツアー初優勝。日本人男子選手のATPツアー制覇は、92年4月に「韓国オープン」を制した松岡修造選手以来、16年ぶり2人目の快挙。09年1月現在、ATP世界ランキング59位




勝つことで
モチベーションを上げる

「デルレイビーチ国際選手権」での優勝は、いかがでしたか。
錦織(以下・錦):
もちろんとてもうれしかったですが、それ以上に自分でも驚きました。正直言うと、まったく自信がなかったんです。大会の2週間前まで調子が悪く、無我夢中で大会に臨んだだけ。でも、トップ選手に勝つことで、徐々に自信が湧いてきました。

これから始まるSAPオープンの抱負は。
錦:
昨年はアンディー・ロディック選手(米)に負け、2回戦で敗退。でも自分としては、そんなに悪いプレーではありませんでしたし、それはそれで素晴らしい経験だったと思っています。この大会はインドアなので、個人的には得意なコート。今年は優勝を目指します。

現在の目標は?
錦:
できるだけ早く、世界ランキングのトップ50に入りたいです。4大大会でも良い成績を残したいと思っていますが、直近では全仏オープンでの勝利。そして数年後には、世界ナンバー1の選手になりたいと思っています。

ランキングを上げるために、自分に必要なことは?
錦:
僕のプレーは、フォアハンドとスピードが長所。でも、もっとスピードが必要ですし、何よりもサーブの精度を上げ、凡ミスを極力減らすことが重要だと思っています。そこを重点的に鍛えるつもりです。

プロになって、難しいことと楽しいことは?
錦:
昨年はプロ1年目でしたから、当時のランキングは200位前後。そのため、周りの選手のほとんどは「尊敬すべき相手」でした。つまり、「勝つための相手」という認識が希薄だったんです。だから、試合に勝つことがとても難しかった。でも、強い選手に勝っていくことで次第にモチベーションも上がり、その上、上手くなっていく自分に気付き始めました。それが楽しいことでしたね。




1番大事なのは好きでいること

昨年は、身体の不調やケガに悩まされたそうですが。
錦:
ランキングを上げるためには、試合数をこなさなければなりません。だから今年の目標は、ケガをせずにツアーを回ること。昨年末からの集中トレーニングで、かなり身体もできあがってきました。と思った矢先、実は今年に入ってすぐにケガをしちゃって。でもパワフルな選手を相手にする以上、ケガは付きものかなとも思っていますから、それを前提に身体を調整してきます。

先日の全豪オープンは1回戦敗退でしたが、その敗因は?
錦:
100%の力を出し切れなかったですし、相手が仕掛けてきた駆け引きにも対応できず、自分のペースで試合を運べなかったことです。

精神面での強みは?
錦:
昔からそうなのですが、相手にリードされたりマッチポイントを握られたりしても、自分のプレーを変えることなく、アグレッシブに試合を進められるところです。また、1つのスタイルにこだわらず、多様なストロークで相手に挑む精神力も強みだと思っています。これからも、勝ち負けに関わらず、色んなプレーで相手に挑んでいくつもりです。

モチベーションを常に高く保つための秘策は?
錦:
「オン」と「オフ」のメリハリを付けることですね。最近テニス漬けの期間がしばらくあって、寝ても覚めても考えるのはテニスのことばかり。精神的に不安定だなって自分でも感じていた時、コーチが「忘れることも大事だぞ」ってアドバイスをくださって。そうしたら、翌日から一気に
精神状態が安定しました。

景気や社会情勢が不安定な中、錦織さんの活躍に日本人の期待が集中していますが。
錦:
それはあまり感じないですね。と言うか、無意識に感じないようにしているのかな。周りのスタッフも、その期待が僕のプレッシャーにならないように上手く取りはからってくれていて、お陰でプレーに集中できています。

それが、アメリカを拠点にしている理由ですか?
錦:
日本では街を歩くのも大変ですが、アメリカでは僕のことをまだ誰も知りません。だから、こちらの方が良いということもありますが、それ以上に、アメリカにはトッププレーヤーがいることが最大の魅力です。世界各国からトップの選手が集まって来ますから、本来なら絶対に対戦できないような相手と練習や試合ができます。でもやはり、日本に戻りたいって思うこともありますよ。食べ物が最高ですしね(笑)。

錦織選手の活躍は、日本でテニスに励む小中学生の励みになっていますが、彼らへのアドバイスは?
錦:
皆さんと同じで、僕も子供の頃からテニスが好きで仕方なかった。1人で黙々と壁打ちをしたりして、自己練習もたくさんしました。やっぱりテニスを好きでいることが1番大事だと思います。




(2009年2月16日号掲載)









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