健康食、きのこを世界に発信!「ホクト・キノコ・カンパニー」

ライトハウス電子版アプリ、始めました

ライトハウス・サンディエゴ版編集長、吉田聡子が、サンディエゴのブランドを訪問。世界に羽ばたいた物から、ローカルにこだわる物まで、名品の背景にある物語を探ります。

 

Hokto Kinoko Company / ホクト・キノコ・カンパニー

重田社長

重田社長。壁にかけられている写真は創業者、故・水野正幸氏。

 

日系スーパーやナチュラル系のスーパーのきのこ売り場で見かけるHoktoの文字。ホクトが日本の会社であることは知っている方も多いと思うが、アメリカで売られているホクトの栽培生産がサンディエゴはサンマルコスで行われていることは意外と知られていないのではないだろうか。メイド・イン・サンディエゴのきのこ。であれば、ぜひとも取材させていただきたい。そうお願いすると、日本のホクト株式会社の取締役とサンマルコスのHOKTOKINOKO COMPANYの代表取締役社長を兼任する重田克己社長に光栄にもお会いする機会をいただいた。

 

HOKTO KINOKO COMPANYはホクト株式会社の海外展開の一貫として、2006年に設立された。サンマルコスの地を選んだのは、「たまたま」。以前、提携していたきのこの栽培業者がここにあり、その縁で土地を買い取ることになったのが経緯である。

 

重田克己さん(左)吉田聡子さん(右)

海外戦略としてアメリカに第2の拠点を作る計画が進行している。どこにするか、場所は協議している最中だそう。
きのこのマット

エントランスのマットも当然のようにきのこ。

 

当時も今もアメリカできのこといえばボタンマッシュルームが主流。マイタケやブナシメジ、ホクトが開発した白いブナシメジ「ブナピー」などを知る人はまだ少ない。そんな中でHOKTO KINOKO COMPANYは、まずアジア系米国人に向け、日本で流しているのと同じCMを打って、認知度の拡大を目指した。その後、クチコミで徐々にアジア系以外のマーケットにもきのこが知られるようになった。同時に、シェフを集めて食べ方を紹介したり、料理学校でメニューを教えたりと、地道にきのこの宣伝を続け、ここ数年は非アジア系の売り上げがアジア系を上回ってきたと言う。

 

生育室

生育室の様子。きのこの季節である秋の温度と湿度を維持することで年中栽培が可能。
収穫に回るエリンギ。

収穫に回るエリンギ。ホクトはこの独特の栽培用ビンを開発したことで、きのこの大量生産を可能にした。

 

このように、きのこを生産、販売するだけでなく、きのこ市場を広げるべく啓蒙活動にも力を注いでいるのが同グループのユニークな点だ。日本にはきのこの総合研究所があり、例えば最近では、二日酔いの予防に良いとされるオルニチンが、ブナシメジにはシジミの7倍も含まれていることが同研究所の研究で明らかになった。そのような健康食としてのきのこをアメリカをはじめ世界に発信していくこともホクトのグループとしてのビジョンに含まれている。

 

最後に、重田社長に「一番好きなきのこは?」という実に幼稚な質問をしてみたら、「マイタケの天ぷらが好きですね」と快く答えてくださった。もちろん、その日は迷わずマイタケを買って帰った。

 

◎ Hokto Kinoko Company / ホクト・キノコ・カンパニー
2033 Marilyn Ln., San Marcos
http://www.hokto-kinoko.com
※上記住所は社屋、および、きのこの生産施設で、一般公開や販売はしていません。

 

(2017年8月号掲載)
 
※このページは「ライトハウス・サンディエゴ版   2017年8月」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

 

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