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アメリカ生活大事典

現地情報誌「ライトハウス」が提供するアメリカ生活大事典。アメリカへの移住や、現地生活に必要な自動車の購入・運転、出産・育児・子育て、教育・就職、住まい・住居、引っ越し、安全・安心な暮らし方などを徹底解説。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

5人の子どもをかかえる母に救いの手

 46 歳の キム・ワシントン さんは、最近までフロリダ州で恋人と同居していました。しかし、彼からの家庭内暴力(DV)がひどく、キムさんの職場にも現れて問題を起こし、彼女は職を失ってしまうまでに。そんな恋人に耐えきれず、ついにある日、キムさんは3人の子どもと2人の孫、最低限の荷物だけを車に載せ、故郷のミネソタ州セントポール市に向かうことにしました。
 キムさんは道中、DV 被害者向けのホームレスシェルターをあたりましたが、残念ながらどこも満員で受け入れてもらえません。ミネソタに到着し、仕方なく車内で寝泊りしていたのですが、警察には 近所の住民からの苦情の電話が相次いでしまいました。

不信感から信頼へ変わるきっかけ

 ある日、住民からの通報を受け、様子を見に来た警官が近づいてくるのを見てキムさんは、「あーまたいろいろ言われるんだわ…」と内心思っていました。しかし、予想とは裏腹にこの警官は彼女の状況に理解を示してくれ、5人の子どもを持つシングルマザーに何かできないかと署内で相談し、食べ物や絵本、さらに、一時的にモーテルに泊まれるほどの寄付金を集めてくれたのです。
 ホームレスになってから、近づいてくる警官は皆、 まるで キムさんたちが 法律を犯しているかのような態度だったので、 これまで警察にあまり良い印象を持っていなかったというキムさん。精神的にも肉体的にも弱り、 しかも世間から冷たい視線を浴びせられたら、本来なら味方になってくれるはずの人への信頼も失ってしまうのも無理ありませんが、 自分のために宿を用意してくれたり、洗濯をさせてくれたりした 地元警官たちの 思わぬ優しさに胸を打たれ、警察への信頼も高まったと、地元テレビ局KMSP のインタビューに対して答える様子が2014 年9 月15 日に放送されました。


(2014年11月16日号)