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アメリカ生活大事典

現地情報誌「ライトハウス」が提供するアメリカ生活大事典。アメリカへの移住や、現地生活に必要な自動車の購入・運転、出産・育児・子育て、教育・就職、住まい・住居、引っ越し、安全・安心な暮らし方などを徹底解説。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

100年生きて初めて見た海

 日本で生まれ育った人にとっても、アメリカ西海岸に住む人にとっても、海は身近な存在ですよね。しかし、この大きなアメリカ大陸の内陸部に生まれた人の中には、海辺へ行く機会が少ない人もいるそうです。今回は、11月下旬、複数のメディアで話題になった、ある女性と海にまつわるエピソードを紹介します。
 ルビー・ホルトさんは御年100歳。アメリカ南部のテネシー州生まれです。内陸の農場で働きながら、4人の子どもを育てていたので、遠くへ旅行する時間もお金も満足になく、故郷を離れたのは人生で一度きり。しかし、周りから「海ってきれいなのよ」と聞かされ、いつかビーチへ行き、裸足で砂浜を歩きたいと望んでいました。
 ある日、ルビーさんが入居する老人施設で働くスタッフがその願いを耳にし、ルビーさんを海に連れて行くことを計画。ルビーさんとスタッフの旅行費は集められた寄付金でまかなわれ、一行はテネシー州の南、アラバマ州のオレンジ・ビーチへ。ついに彼女の夢が叶ったのです。

冷たい海の感触

 ルビーさんは、砂の上でもスムーズに進むように通常よりも大きなタイヤを装着した特別な車いすに乗り、膝の上には「ビーチ行き」と書かれたサインを持っていざ海へ。
 波際に到着し、裸足になると、2人のケアギバーに支えられながら水の中へ足をそっと入れました。もうすぐ101歳になるルビーさんにとって11月の海は冷たかったようですが、打ち寄せる波の感触に声を出して笑いました。
 初めて目にする大海原を前にルビーさんは「こんなに(海ほど)大きなものは見たことがないわ」と長年の夢が叶った喜びに溢れんばかりの笑顔で話したそうです。


(2014年12月16日号)