ユタ州(44)/アメリカ西部

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保守的な風土を築くモルモン教の総本山

ユタ州の旗

州都・ソルトレイクシティーにそびえるのは、モルモン教の総本山、テンプル。40年の歳月と350万ドルをかけて建立され、1万1623本のパイプからなるパイプオルガンを備えている。

ユタ(Utah)州の基本情報
人口(2022) 3,337,975人
面積 82,355.1mile2
人口密度 (2020) 39.7人/mile
州都 ソルトレイクシティ(Salt Lake City)
州知事(2024) Spencer James Cox(共和党)
州のニックネーム Beehive State, Mormon State
人種の割合 白人 90.0% / 黒人1.6% / アメリカインディアン 1.5% / アジア人 2.8% / ヒスパニック 15.1%
1世帯当たりの平均収入 (2022) $89,168
貧困家庭の割合 (2022) 8%
住宅平均価格 (2017-2022) $408,500
平均家賃 (2017-2022) $1,372
観光情報サイト Visit Utah
オフィシャルサイト Utah.gov

(出典元:U.S. Census Bureau)

モルモン教徒が切り開いた歴史

ユタ州に人が住んでいた痕跡は、1万2000年前まで遡る。州の名前もユテ族(山の人の意)に由来し、シエラネバダ山脈とロッキー山脈に挟まれた高地。ザイオン国立公園やブライス国立公園、アーチーズ国立公園など数々の名国立公園を有し、1996年にはクリントン大統領によってグランドステアケース・エスカレート・ナショナルモニュメントにも指定された。もともと連邦政府の公有地だったこともあり、現在でも州の65%が国有地だ。
 
スペイン領、メキシコ領となった後にアメリカに譲渡されたが、本格的な歴史の幕開けは、モルモン教徒の到来を待つことになる。1820年、ニューイングランドの農民の子、ジョセフ・スミスは神からの啓示を受けたが、迫害され西へ移動した後、イリノイで殺された。後継者となった教祖、ブリガム・ヤングが1万5000人の信者を連れてさらに西へ大移動し、1847年、ついにグレートソルトレイクに辿り着き、ソルトレイクシティーの建設に着手した。

良質のパウダースノー。冬季オリンピックも開催

モルモン教徒は同性愛、妊娠中絶、酒、タバコ、婚前交渉、ギャンブルに加え、カフェインも禁止する厳格な規律を持ち、勤勉さを重視する。1863年に銀が発見されてモルモン教以外の人も増えたが、現在でもモルモン教徒が州人口の約70%を占める。合衆国に正式に加盟したのは1896年、45番目だった。
 
第2次世界大戦後は化学兵器の実験や弾道ミサイル開発の一大拠点となった。しかし、隣州のコロラドにあるロッキー山脈軍需工場から廃棄される核廃棄物の問題などで、近年住民の反発を引き起こしている。
 
高度が高いことからスキー場は良質のパウダースノーを誇り、2002年には冬季オリンピックも開催された。オリンピック会場にもなったパークシティーは、「サンダンス映画祭」の開催地としても有名だ。

 

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