新型コロナウイルス禍におけるアメリカの救済措置&失業保険

ライトハウス電子版アプリ、始めました

新型コロナウイルス(COVID-19)による経済的打撃から、会社や個人を守るべく、現在、アメリカではさまざまな救済措置が発表されています。そこで、本特集では、現時点(2020年4月23日)で分かっている国や州による主な支援プログラムから従来の失業保険の変更点まで、その内容を分かりやすく紹介します。

(2020年5月1日号ライトハウス・ロサンゼルス版掲載)

融資プログラム

現在、連邦政府が定めたCARES Actの中でも注目したいものの一つに、中小企業を対象にした融資プログラムがあります。これらは全てSBA(米国中小企業庁)のネットワークに加盟する金融機関を通して進めます。全米の州と地域が対象となります。

返済免除額あり!従業員の給与を守るプログラム「PPP」
「ペイチェック・プロテクション・プログラム(PPP:Paycheck Protection Program)」は、CARES Actの中でもベネフィットが大きい融資プログラムで、従業員の雇用や給与額を維持することを目的としています。従業員500人以下の会社(条件によっては500人以上も可。また個人事業主や自営業も可)が対象となります。

最大1000万ドル(または正社員合計給与の月額平均の2.5カ月分)まで借り入れが可能ですが、2020年2月15日~6月30日までの従業員の給与や賃料などの支払いのために充てた一部または全額の返済が免除となります。例えば、100万ドルを借り入れた場合で、うち30万ドルを従業員の給与などに充てると、30万ドルは返済免除、残り70万ドルは最長2年以内に年利1%で返済していくことになります。返済免除の対象は、以下のような人件費(Payroll Cost)や、その他の諸経費です。

もし、2月15日以降に、新型コロナウイルスの影響で、いったん、従業員数や給与額が減ったとしても、6月30日までに元の状態に戻っていれば、借り入れ金の返済は免除可能となります。このプログラムは、SBA(米国中小企業庁)の管轄ですが、申請は認定の金融機関を通して行うため、まずは取り引き先の銀行などに相談を。プログラムの予算には限度があるため、できるだけ早めの申請をおすすめします(4月21日時点で、追加法案が上院で可決され、PPPには、約3100億ドルの予算が追加される予定。詳細はニュースなどで確認を)。また、20年2月15日からの給与計算が必要となるため、会計士にも確認してください。

返済免除となる対象の内訳(一部)

◉給与(休暇やシックリーブの費用を含む)
◉健康保険
◉年金プラン
◉退職金
◉給与税(州税・地方税)
◉オフィス賃料
◉電気・ガスなどの光熱費 
ローンの借り入れ額や免除額の算出方法は、財務省がガイドラインを発表する予定です(20年4月13日現在)。

融資却下でも、補助金1万ドルは返済不要!「EIDL」
「エコノミック・インジュリー・ディザスター・ローン(EIDL:Economic Injury Disaster Loans)」は、20年1月1日まで遡って、そこから新型コロナウイルスが理由で、経営に影響が出ている中小企業を対象にした融資プログラムです。申請から3日以内に、EIDL補助金(EIDL Grant)として1万ドルを受け取ることができます。さらに、運転資金として、最大200万ドルまで、3.75%(非営利団体は2.75%)の金利で、最大30年ローンを組むことが可能です。

特筆すべきは、EIDL補助金の1万ドルは、融資が受けられない場合でも、返済の必要がないことです。また、EIDLとPPPの両方に同時に申請することは可能ですが、その場合、EIDLの借り入れ金額は、PPPの返済免除額から差し引かれることになります。

条件などは、SBA公式ウェブサイト「Disaster Loan Applications(https://tinyurl.com/ustqjz8)」で閲覧でき、一部はGoogle翻訳(日本語)が利用できます。融資は、金融機関が行うため、銀行などにも詳細を確認しましょう。

届いていますか? 現金給付1人当たり1200ドル!

IRSは、4月半ばから、「Economic Impact Payment」と呼ばれる給付金を支払っています。対象は、アメリカにおける税務上の居住者で、確定申告の年収が独身者7万5000ドル以下、夫婦の場合は合算で年収が15万ドル以下であれば、大人1人あたり1200ドル、子ども1人につき500ドルを受給できます。また、非婚で扶養家族がいる世帯主で年収が11万2500ドル以下の場合も1200ドルを受給できます。

2018年度、2019年度の確定申告に基づいて行われますが、まだ2019年度の確定申告をしていない場合で、その間に子どもが生まれている人は、2020年度の確定申告時に調整されます。この「Economic Impact Payment」は、銀行口座を利用して納税している場合は、直接振り込まれます。そうでない場合は小切手が郵送されてきます。ソーシャル・セキュリティー・ナンバー(SSN)保持者で、無収入のため確定申告をしていない人は、IRSの公式ウェブサイト「Non-Filers: Enter Payment Info Here (https://tinyurl.com/sz9l387)」で登録する必要があります。

注意!
IRSの名を語った電話やテキスト、SNS詐欺が横行しています。IRSによると、小切手の確認などで、IRSから個人に電話をかけることはありません。また、これらの詐欺では、正式名称「Economic Impact Payment」の代わりに、“Stimulus Check” や”Stimulus Payment”などの名称を使うケースが多いとしています。税金関連の詐欺や個人情報の漏洩につながる恐れがあるので、くれぐれも注意を!

税務控除・納税猶予

今回のCARES Actには、所得税や給与税、消費税における、税額控除や納税猶予といった措置が含まれています。法人向けはもちろんですが、個人を対象とした給付金や退職年金プランのペナルティーの免除など、そのプログラムは多岐にわたっているのが特徴です。

約9カ月間の給与税を控除!全ての会社を対象とする「ERC」
給与税は会社、そして従業員が連邦と州に収める税金ですが、IRSは、この給与税を控除できる「エンプロイー・リテンション・クレジット(Employee Retention Credit)」という救済措置を発表しました。2020年3月から約9カ月間にわたり、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、業務を停止または一部停止しなければならなくなった会社を対象(会社の規模は問わない)としています。また20年の売り上げが、前年の該当四半期と比べて、半分以下に減った場合も対象になります。

控除される税金は、四半期ごとに従業員1人につき、最大1万ドルの給与に対し50%、つまり最大5000ドルとなります。20年3月12日~21年1月1日以前に支払われた給与が対象です。給与税はいったん支払わなければなりませんが、20年度の確定申告時に調整され返金されます。

もし支払えない場合は、IRSから先に返金してもらうことも可能です。なお、融資プログラム「PPP」との併用はできません。詳細や申請方法は、IRSの公式ウェブサイト(https://tinyurl.com/ukepnmo)で確認してください。

給与税から消費税まで税延長措置について
また、CARES Actが可決された3月27日以降に発生した給与税は、一部の支払いを延長することができます(Payroll Tax Delay)。支払い期限ですが、50%は21年12月31日まで、残り50%は22年12月31日までとなります。個人事業主も対象になるようですが、20年4月13日時点では算出方法が出ていません。雇用を維持するために給与税を控除できる「エンプロイー・リテンション・クレジット」に対して、Payroll Tax Delayは、もし従業員を解雇しても、それまでの給与税の一部の支払いを遅らせることができます。ですので、状況によって、どちらかまたは併用することを検討する必要があります。

そして、第一四半期に続き、第二四半期の予定納税日も、20年6月15日から7月15日に延長されました。これによって、最新予定納税日は、以下のようになります。
◉第一四半期:7月15日
◉第二四半期:7月15日
◉第三四半期:9月15日
◉第四四半期:21年1月15日

さらに、カリフォルニア州は、中小企業を対象として、20年第一四半期の消費税(Sales Tax)の納税期日を、4月30日から7月31日に延長しています。ただし納税金額が100万ドルを超えるケースはこれに該当しません。
また、延長期間を過ぎても支払えない場合の救済措置として、最大5万ドルの納税分に対し、無金利・罰金なしで、12カ月間の分割払いの交渉を認めています。この救済措置に対する申請は、カリフォルニア州税金管理局(CDTFA:California Department of Tax and Fee Administration)で行えます。公式ウェブサイト:(www.cdtfa.ca.gov)。

IRA転換の見直しを!

2020年度は、新型コロナウイルスの影響で、税率や株価の大きな変動が起きているので、条件によっては、Roth IRAへの転換(コンバージョン)を検討したほうが良いかもしれません。例えば、税率が低くなる場合は、 Traditional IRAよりも、積み立て時に納税し引き出す際に無税となるRoth IRAが有利です。一度、ファイナンシャル・プランナーや会計士に相談してみてください。(石上洋会計士)

休職制度

雇用を維持しつつ、従業員が就労から外れることができる休職制度。有給のものと無給のものに分けられ、その種類はたくさんありますが、今回、全米における新型コロナウイルス拡大の被害により、連邦政府による新たな制度が導入されています(注:州法レベルでは、現時点で休職制度の条件・申請の変更はありませんが、今後、既存の制度にも影響を及ぼす可能性があります)。

有給休暇で、働く従業員を守る時限立法「FFCRA」
「ファミリー・ファースト・新型コロナウイルス対策法(FFCRA:Families First Coronavirus Response Act)」は、急遽制定された連邦法で、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために発令された州や自治体の条例によって仕事ができない場合に対応するものです。有給で、最大80時間のシックリーブや、最長12週間にわたって休校中の18歳未満の子ども(障がいを持っている場合は、18歳以上でも可)の世話のための休職を付与するもので、「EPSLA:Emergency Paid Sick Leave Act」と「EFMLA:Expanded Family and Medical Leave Act」の2つの対策があります。
従業員500人未満の会社が対象で、そこで働く従業員を守るための時限立法です。施行期間は2020年4月1日~12月31日です。

エマージェンシー・ペイド・シック・リーブ・アクト(Emergency Paid Sick Leave Act)
従来のシックリーブに加えて、会社が従業員に対して2週間(最大80時間)の有給休暇を与えるもの。従業員が新型コロナウイルスに感染し、在宅もしくは隔離されている場合は、2週間の有給休暇を与え、家族などに感染者がいて世話をしているか、あるいは休校中の18歳未満の子どもの世話をしている場合は、給与(通常レート)の3分の2の金額(1日最大200ドル/2週間の合計最大2000ドル)を支払う必要があります。

どう対応する? 外出禁止令が解けた後の働き方 (HRM Partners, Inc.)

州や自治体による外出禁止令が解けても、会社によって、すぐに出社を再開させるのか、しばらく在宅勤務を続けるのか、違ってくるでしょう。ただ、いずれにしても以下のような準備をしておく必要があります。

◉出社の場合
労働安全衛生局:OSHA(Occupational Safety and Health Administration)によると「会社は、安全で快適な職場を従業員に提供しなければならない」としています。一方、カリフォルニア州にも、「IIPP: Injury and Illness Prevention Program」と呼ばれる疾病傷害予防プログラムなどがあり、従業員の安全と健康が守られています。今後、在宅勤務から出社に切り替わった後でも、新型コロナウイルスの感染を防ぐために、会社の備品や救急キットとして、マスクやゴーグル、手袋、消毒液などを過不足のないように、今からでも補充しておいた方が良いでしょう。

◉在宅勤務の場合
「Time Doctor」などの勤怠管理や在宅での仕事ぶりをリアルタイムで確認できるアプリの導入も積極的に検討するべきです。

◉従業員が在宅勤務を望んだ場合
会社が出社再開を願っても、健康・安全面で不安がある、または在宅勤務の方が生産性が上がると主張してくる従業員が出てくる可能性も。在宅勤務を認める場合は、新たに在宅勤務に向けたポリシーを確立し、従業員ハンドブックに追加して、再度従業員からの署名を得ておきましょう。いったん認可してしまうと撤回するのが難しくなるので、週に1~2日など試験的に始めてみるのも良いでしょう。新型コロナウイルスの影響により、一時的に在宅勤務を許可する旨の文書を発行し、その文書に終了期限も記しておけば、スムーズに厄災以前の勤務状態に戻すことができるでしょう。

エクスパンデット・ファミリー・アンド・メディカル・リーブ・アクト(Expanded Family and Medical Leave Act)
従来の「ファミリー・メディカル・リーブ・アクト(FMLA:Family Medical Leave Act)」の部分的改正措置です。新型コロナウイルスを理由とした休校により、18歳未満の子どもの世話が必要な場合、会社が、最長12週間(「Emergency Paid Sick Leave」の2週間に加えて10週間)の有給休暇を与えるものです。またその間は、給与(通常レート)の3分の2の金額(1日最大200ドル、12週間の合計最大1万2000ドル)を支払う必要があります。適用するには、従業員が、その会社で30日間以上働いていることが条件です。

なお、FFCRAで、会社が負担した給与は、IRSに指定のフォームを提出し、確定申告時に申請することで、所得税払い戻しの対象となります。ちなみに、FFCRAと「(エンプロイー・リテンション・クレジット(ERC:Employee Retention Credit)」は併用できないため注意してください。FFCRAでカバーされない分を「エンプロイー・リテンション・クレジット」で補うことは可能です。また、従業員50人以下の会社は、有給休暇付与によって経営が悪化する場合、適用外となることがあります。詳細は、アメリカ合衆国労働省の公式ウェブサイト「Families First Coronavirus Response Act: Employer Paid Leave Requirements(https://tinyurl.com/qn9jwmr)」にて。

LA市が、500人以上の会社を対象に独自の休職制度を制定
休職制度は、自治体や会社によって異なりますが、ロサンゼルス市は、新型コロナウイルス対策として、4月9日に「サプリメント・ペイド・シック・リーブ(Supplement Paid Sick Leave)」が付与される条例を制定しています。これは、FFCRAそして既存のPaid Sick Leaveに加えて付与されるものです。ロサンゼルス市内で従業員500人以上、または全米で2000人を超える会社が対象になっており、FFCRA同様、今回の緊急事態から従業員を守る時限立法で、以下のいずれかを満たすことが条件です。

◉新型コロナウイルスで隔離されている。
◉65歳以上または既往症がある。
◉家族が病気ではないものの、隔離の必要がある。

この制度では、フルタイム従業員は最長2週間(80時間)、パートタイム従業員は勤務時間に応じて有給休暇を受け取ることができ、ロサンゼルス市が緊急事態を終了した2週間後までを有効としています。1日最高511ドル、2週間合計で最大5110ドルが支払われます。FFCRAでは従業員500人以下の会社が対象となっていましたが、この制度によって、ロサンゼルス市では、ほぼ全ての会社が新型コロナウイルス禍に即した有給休暇を提供することになります。

既存の休職制度「PFL」保障内容に追加。最大6週間の受給可
従業員50人以下の会社の場合は、「有給家族休暇(PFL:Paid Family Leave)」を申請することができます。これは、従業員が家族の世話、育児、介護のために休職できるカリフォルニア州の制度で、医師の診断書が必要です。

これまでにも「州障がい保険:SDI(State Disability Insurance)」に属する形で、以前から提供されていますが、給与から源泉徴収されるSDIは、所得税を支払っている従業員が職務以外のケガや病気で働けなくなった場合の所得補償保険であるのに対し、PFLは、従業員の家族が働けなくなり、介護のため休職する場合の補償制度です。

今回、新型コロナウイルスに感染した家族の世話で休職を余儀なくされた人も対象となり、給与の全部または一部が、最長6週間にわたり給付金として受給できます。給付される金額は収入によりますが、60~70%で、50~1300ドル/週です。申請は、SDIオンライン(https://tinyurl.com/v9buqul)を利用するか、指定フォームに記入し郵送する方法があります。

詳細は、「雇用開発局(EDD: Employment Development Department」の公式ウェブサイト(https://edd.ca.gov)を参照してください。なお、今回の救済措置に関連するプログラムやFFCRAとの兼ね合いで、今後も既存の制度に変更が出ることが予想され、このPFLにも何らかの新しい規定が付加される可能性があります。

非常事態で、解雇通知もデジタル化。雇用主/被雇用主共に、迅速な対応を

本来、解雇の申し渡しは対面方式で行われるべき重要な手続きですが、外出禁止令が出されている現状では、SkypeやZoomなどのオンラインツールを利用したウェブ面談方式による通達が全米中で広く採用されています。会社または雇用主は、ウェブ面談の開始直前に、解雇する従業員に対して必要書類(PDF版)と共に解雇通知書をEメールで送り、次いで解雇当日まで働いた給与分を、チェックまたは電子送金で同日までに従業員のもとに届くように手配する必要があります。

また、被雇用者は、通常なら1週間ある待機期間が一時的に撤廃されている失業保険の申請あるいは給付方法を予め調べておき、解雇された場合、1日でも早く給付金を受給できるように準備しておくことが賢明です。現在、窓口であるEDD(雇用開発局)は非常に混んでおり、申請が1日遅れると、失業保険の給付金はそれ以上に遅れることが常だからです。(HRM Partners, Inc.)

失業保険

カリフォルニア州には、雇用開発局(EDD:Employment Development Department)という失業保険申請や州障害保険を管轄する政府機関があります。同局によると、2020年3月29日~4月4日の週で、失業保険の受理件数は92万5450件。これは前年の同じ週に受理された申請数から約25倍増加しています。

待機期間免除! 失業保険は最長39週間に
失業保険の給付金額は、申請者の所得によって細かく分かれており、現在カリフォルニア州で定められている給付金は、40~450ドル/週です。
しかし、今回のCARES Actにより、失業保険の内容が新たに拡充されています。まず、通常は申請を受理されても1週間の待機期間が設けられているのですが、これが免除され、1週目から給付されます。そして、失業保険受給権がある人であれば、7月31日までは、週450ドルの給付金に、週600ドルが追加されます。さらに、通常はこれまで26週間だった給付期間は、13週間延長され最長39週間となります。

また、新型コロナウイルスが理由で、労働時間の短縮や業務停止した場合も、失業保険を申請できます(給付金は40~450ドル/週)。もし、従業員が新型コロナウイルスに感染して仕事ができない場合は、医師の診断書があれば、「州障がい保険」に給付の申請ができます。障害保険は、給与の全部または一部が、ケガや病気、妊娠で失われた場合に適用されるもので、給付額は収入によるものの、給与の約60~70%で、50~1300ドル/週です。給付期間は、ケガや病気の状態によりますが、最長52週間です。

SDIオンラインで指定フォームから申請できますが、申請する前に公式ウェブサイト「SDIオンライン(https://edd.ca.gov/Disability/SDI_Online.htm)」や、申請方法を解説したビデオ(shorturl.at/cjCZ4)で、申請に必要な情報を確認しておきましょう。失業保険同様、1週間の待機期間は免除されています。また、子どもの学校が休校の場合も、失業保険の給付を受けることは可能ですが、在宅勤務ができない、ほかに選択肢がないといった場合に限られます。申請後、EDDの担当者が、受給資格の有無を電話インタビューで判断します。

失業保険オンライン申請は日本語で可能!

EDD(雇用開発局)公式ウェブサイト
https://edd.ca.gov
失業保険申請は、EDDの公式ウェブサイトから行えるほか、「COVID-19への対応」などの情報が掲載されています。サイトの内容は、全て日本語で閲覧可能です。画面右下(スマホは画面一番下)のPowered by Google Translateで「Japanese」を選んでください。

自営業やフリーランスでも申請可能に!
CARES Actの一環である「パンデミック失業支援(PUA:Pandemic Unemployment Assistance」プログラムでは、通常は失業保険を申請できない個人事業主(フリーランス、自営業、個人請負業者)にも失業保険が適用されます。新型コロナウイルスの影響を受けた時期に応じて、2020年2月2日~12月31日の間で、最長39週間まで給付金を受けることができます。また、「パンデミック追加補償プログラム(CARES Act Pandemic Additional Compensation Program)」で、会社の従業員と同じように、基本の週給付金に600ドル追加されます(20年3月29日~7月31日までの申請が600ドル追加支払いの対象)。申請方法や条件については、EDDの公式ウェブサイト「パンデミック失業支援(Pandemic Unemployment Assistance:https://tinyurl.com/uvmabmw)」を確認してください。

受給までに時間がかかるケースも。早目の申請を
失業保険を申請後、受理されて実際に給付金を受給できるまでの期間は、通常であれば10日間ほどです。しかし、現在EDDは、たくさんの失業保険申請に対し処理しきれない状態で、申請をしても給付金を受け取るまでにはかなり時間がかかっているケースが多いようです。失業保険申請を行うと、元/現雇用主に申請の確認の手紙が届くのですが、その確認作業でさえ遅れがちなので、できるだけ早めに申請した方が良いでしょう。EDDでは、公式ウェブサイトからの申請をすすめており、「UIオンライン(www.edd.ca.gov/Unemployment/UI_Online.htm)」で手続きが可能です。なお、従来通り、いったん受給が始まると、受給者は、2週間に1度、継続申請(Continued Claim Form)を提出しなければなりません。

失業保険の内容は変わる可能性あり!

CARES Actは、有効期限の定められている時限立法なので、状況によっては延長や内容が変更されることも考えられます。受給期間中でも、随時、情報収集に努めましょう。

取材協力

◎石上、石上&越智公認会計事務所
公認会計士・石上洋さん
2377 Crenshaw Blvd., #315,Torrance
☎ 424-247-2014
▶ Email:contact@iiocpa.com
www.iiocpa.com
◎HRM Partners, Inc.
(人事労務管理コンサルティング会社)
970 W. 190th St., #660, Torrance
☎ 310-543-8700
▶ Email:contact@iiocpa.com
www.hrm-partners.com

※このページは「2020年5月1日号ライトハウス・ロサンゼルス版」掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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