移民法Q&A
合法移民の課題を先決すべき 移民法をめぐる現状と課題
今、移民法改正について多くの人が抗議を行っていますが、何が問題となっているのですか?
ご存知のように、現在、全米の議会やオフィス、路上でも移民法に関する議論がなされています。1958年に出版された上院議員テッド・ケネディの『移民の国家(A Nation of Immigrants)』は、ジョン・F・ケネディ大統領の死の直後に再版されましたが、その本の中でケネディは、「移民政策は寛大・公平・柔軟であるべきだ」と書いています。そして、「そのような政策により、我々は潔白な手と明瞭な良心で、世界と我々の過去に取り組むことができる。今日そして今後、我々が歓迎して受け入れる移民は、この伝統を引き継ぎ、アメリカの精神を維持し、活気づけ、そしてより強固なものにしていくことだろう」と述べています。
私たちは国家として、現在ここにいる何百万もの不法滞在者の問題を解決する必要があります。ケネディの言う「移民の国家」という言葉の前には、「法的な」と加えるべきでしょう。議会はただちに以下について、取り組むべきです。
配偶者でさえ待たされる
家族ベースの永住権取得
母国に残っている移民の家族、および直接構成家族のための移民ビザの未処理や不合理な遅れを解決するべきです。処理時間がより速くなるように、領事館のスタッフを増員し、処理は月および年ではなく、週で測定するべきです。
メキシコでは米国市民権を持つ直接構成家族のいる合法的な移民(市民権保持者の配偶者か子ども、または21 歳以上の市民権保持者の親)は、メキシコ国内で1、2年は待たなければなりません。これでは遅すぎるのです。
日本で暮らす人々は、予約をあらかじめ取っておけば、米国大使館で直接構成家族のための請願を自ら申請できるので、このような長期の待機期間は免れます。しかし、世界中の人々にとってシステムは公平にあるべきで、長い待機期間は解消されなければなりません。
また、優先家族(Preference Relative)は、さらに長く待たなければなりません。永住権保持者の配偶者が米国内で合法的に居住できるまでに、4、5年かかるというのは、あまりにも不合理です。現在の移民法のもとでは、このような立場の配偶者は観光ビザを発給してもらうことも困難です。議会は新しいビザ、例えば、合法的な永住権保持者の配偶者と未婚の子供のためにB3 ビザを
作るのです。そして、B3 ビザ保持者には、労働許可も与えるべきです。
申請手続きが追いつかない
雇用を通じての永住権取得
雇用に基づく永住権申請のバックログ(未処理残留のケース)を解決すべきです。現在の発給割り当て数は14 万件ですが、これには申請者の扶養家族の数も含まれているため、実際には5万人程度の申請者だけが毎年、現行制度のもとで永住権を得ています。
さらに、20 万人を越える人々が、旧システムの下で労働省から永住権申請の最初の部分、労働許可証を得るための申請結果を5年以上も待っています。申請者は通常、移民局へ移民ビザ申請を進める前に、労働省から労働許可証が下りていなければなりません。その後、ステップ2の移民局の段階でも自分の優先日が来るまで、さらに年数がかかります。
PERM で申請したケースも、必ずしも良い状況にあるとは限りません。その申請者がもし、第3優先枠(Skilled Worker/Professional)に該当していれば、その優先日はバックログの中に埋もれてしまっているからです。
この申請に基づいて永住権を何年も待っていなければならないのであれば、仮にPERM で労働認可証を得たとしても、中途半端で無意味なものとなってしまいます。国務省のビザブルティンによると、インド、メキシコを除いた第3優先枠において、現在有効になっている優先日は2001 年5月です。つまり、それ以降の優先日の申請者は、自分の優先日が有効になるまで、何年も待たなければならないということです。
また、H-1B 発給数の限度枠を労働市場の需要に合わせて増加すべきです。6万5000 件は十分ではありません。年度が始まる10 月より6カ月も前に申請を受け付けているため、現在、年度が始まる前に発給限度枠に達しつつありす。実際の雇用は10 月からなのに、4月の時点で申請を開始しなければなりません。
プラクティカルトレーニング中であるF-1 ビザの学生で、H-1B ビザを申請する人のほとんどが、プラクティカルトレーニング期間が10 月1 日より前に終了するため、実際にH- 1B が有効になる10 月とプラクティカルトレーニングの終了する月との間に雇用認可のない空白が生じてしまうでしょう。それにより、H-1B ビザでの雇用が始まる前に、母国に帰らなければならなくなることもあり得ます。
合法的移民の問題解決が先決です。そうすれば、移民問題の半分以上は解決されるでしょう。合法的移民の問題が解決し、申請手続きの未処理残務数がなくなってから、不法移民を支援する方法を検討すべきなのです。先に不法移民に目を向けるというのは、この国が法治国家であることを意味しなくなるでしょう。


