アメリカで結婚する

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アメリカで結婚する際に必要な手続きについてまとめてみました。また、在米邦人が米国内でアメリカ市民やグリーンカード(永住権)保持者と結婚する際のグリーンカード取得の流れについても解説します。

※このページは「ライトハウス 2023年春夏の増刊号」掲載の情報を基に作成しています。

挙式は結婚許可証を取得してから行います

アメリカで結婚する場合は、まず結婚許可証(MarriageLicense) を「Clerk’s Office」で取得します。結婚許可証を取得して初めて結婚式を行うことができます。なお、日本ですでに入籍を済ませている場合には、結婚許可証の取得はできません。ビザ取得等でアメリカの婚姻証明が必要な時は、移民法弁護士に相談しましょう。結婚式は宗教施設で司祭や僧侶が行う宗教的な式のほか、州役人の立ち会いによる結婚式を挙げることも可能です。これは「CivilMarriage Ceremony」と呼ばれています。登録課によっては、申請書を受け付けた後、その場でセレモニーができる所もあります。
 
結婚後には、結婚の証明としてMarriage Certificateが必要になります。通常、挙式から2週間ほどで婚姻したことが記録されるので、州の登録課から取り寄せましょう(有料)。これは、ソーシャル・セキュリティーの登録変更などの諸手続きに必要な書類です。日本の婚姻届は、婚姻から3カ月以内に総領事館へ提出します。

結婚による永住権取得大まかな流れ

アメリカ国内でアメリカ市民やグリーンカード(永住権)保持者と結婚し、グリーンカードを申請する場合について見てみましょう。申請の大まかな流れは別表の通りとなります。
 
審査期間は、申請地域やその時々の移民局の状況で変わります。移民局の公式ガイドラインによると、2023年2月時点でシアトルの地域移民局では、約8割のケースが29カ月かかっています。ポートランドでは21カ月、サンフランシスコでは31カ月、南カリフォルニアでは、15.5カ月〜20.5カ月が目安となります。しかし、インタビューが免除されるケースなどでは、これをはるかに下回る場合もあります。
 
婚姻によるグリーンカード申請には、いくつかのカテゴリーがあります。配偶者スポンサーがアメリカ市民の場合、「Immediate Relative」というカテゴリーになります。このカテゴリーはグリーンカードの年間割当制度の対象になりません。配偶者スポンサーがグリーンカード保持者の場合は、「F2A」というカテゴリーになります。このカテゴリーは、グリーンカードの年間割当制度の対象となるため、Priority Date と呼ばれるグリーンカード申請における優先順位が現行(Current)になるまでグリーンカードを取得できません。2023年2月時点で優先順位の待ち時間は発生していませんが、過去には数年発生していた時期もあります。また、PriorityDate は、突然進展したり後退するので、注意を払う必要があります。

条件付きクリーンカードの条件解除をする場合

アメリカ市民やグリーンカード(永住権)保持者との結婚を通してグリーンカードを申請する際、結婚後2年以内にグリーンカードが発行された場合には、2年間のみ有効なグリーンカードが発行されます。これを「Conditional Green Card(条件付きグリーンカード)」、そして条件付きグリーンカード保持者のことを「Conditional Permanent Resident」と言います。
 
有効期限2年間の条件を取り除くためには、条件付きグリーンカードの期限が切れる90日以内に外国人配偶者(本人)とアメリカ市民、またはグリーンカード保持者である配偶者が、共同で条件を取り除くための申請を行わなければなりません。この申請の目的は、移民局が再度結婚の正当性について審査することであり、グリーンカードを得るための偽造結婚ではなかったと証明することができれば、2年間の条件が削除され、通常の10年間有効なグリーンカードが発行されます。
 
もし2年目の申請時に離婚や死別によって、あるいはアメリカ市民やグリーンカード保持者である配偶者から虐待を受けているなどの理由により協力が得られない場合でも、必ずしもグリーンカードが無効になるという訳ではありません。このような場合には、「共同申請からの免除」を申し立てすれば、外国人配偶者(本人)が単独で申請できる場合があります。
 
なお、結婚後2年以上経過してからグリーンカードを取得した場合は、条件付きグリーンカードではなく、初めから通常の10年間有効なグリーンカードが発行されます。

結婚からグリーンカード取得(アメリカ国内)までの大まかな流れ

①結婚
②グリーンカードの申請に必要な書類収集
③移民局に申請を提出
④申請受理書が届く
⑤バイオメトリックス(写真撮影と指紋採取)
⑥インタビュー(夫婦揃って出席)
⑦グリーンカード取得

監修/琴河・五十畑法律事務所 https://www.kandilawyers.com

親しい友人が婚約したらパーティーで祝おう

アメリカでは結婚式を挙げる前に、さまざまなパーティーを開くのも習わしです。手続きや式の形態、式に呼ばれた場合のマナーをまとめてみました。

結婚式の招待状を受け取ったら、なるべく早く返事を出しましょう。招待状に「and guests」などとある場合は、誰かを同伴してもいいということです。結婚祝いは当日持参するより、前もって郵送しておいた方がスマート。送り先は花嫁の家。ギフトレジストリーがある場合は、そのリストの中から品物を選択して購入します。一般的に日本のように現金を贈る習慣はありません。
 
結婚式の1カ月~1週間前に行うブライダルシャワー(Bridal shower)は、ブライドメイドらが企画、運営する習わし。レストランやブライドメイドの自宅が会場になることが多く、参加するのは女性のみ。結婚祝いのプレゼントもここで渡します。
 
男性の場合も、親しい男性の友人たちで祝福するバチェラーパーティー(Bachelor Party)があります。独身への別れを祝う意図から、式の前夜に行うことが多く、レストランやバーで大騒ぎをして夜を過ごすのが一般的です。

アメリカ・結婚用語解説

  • ブライドメイド(Bride’s maid):
    花嫁の付き添い人、立会人として、結婚式で花嫁の側に立つ女性たちのこと
  • メイド・オブ・オナー(Maid of honor):
    ブライドメイドの中でも一番花嫁と親しい友人女性の代表のこと
  • ベストマン(Best Men):
    メイド・オブ・オナーに対し、花婿側の友人男性の代表のこと
  • ギフトレジストリー(Gift Registry):
    お祝いとして欲しい物をリストアップ。場合によっては、お店を指定し、登録しておくこと(贈る側は、式の日程、結婚する人の名前を店に伝えると、リストを閲覧できます。最近は、店のウェブサイトからも閲覧可能です)
  • フローリスト(Florist):
    花嫁花婿の希望や会場、シチュエーションなどを考慮し、結婚式やパーティー全体の装花をプロデュースする人、生花店

婚約から結婚式までの大まかな流れ&スケジュール

婚約成立~6カ月前
□日時の決定と、会場の予約
□メイド・オブ・オナー、ベストマン依頼
□ウェディングドレス探し開始
 
挙式6カ月~3カ月前
□招待客リストアップと、招待状の送付
□ギフトレジストリー手配
□司祭予約
□フォトグラファー、ビデオグラファー予約
□フローリスト(花屋)手配挙式
 
挙式3カ月~1カ月前
□結婚許可証(Marriage License)取得
□ウェディングケーキ予約
 
挙式1カ月~前日
□ブライダルシャワー開催
□バチェラーパーティー開催
 
挙式前日
□リハーサル+リハーサルディナー
 
*このスケジュールはあくまでも目安で、各サービスの利用可能状況を確約するものではありません

 

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