サンディエゴのセンスと日本の品質が融合「マテュース」

ライトハウス電子版アプリ、始めました

ライトハウス・サンディエゴ版編集長、吉田聡子が、サンディエゴのブランドを訪問。世界に羽ばたいた物から、ローカルにこだわる物まで、名品の背景にある物語を探ります。

 

Matuse / マテュース

マテュースお店

デルマーにある拠点は、事務所であり、ショールームでもあり、小売店でもある。「来店歓迎!」とのこと。

 

Matuseはサンディエゴのサーファーならまず知っているウエットスーツのブランドだ。サーフィン業界のメインストリームにはないが、独自の地位を確立しており、日本のサーファーにも名が知られているその理由は、サンディエゴが生んだ世界的なカリスマ・サーファー、ジョエル・チューダーが広告塔になっているから、というだけではない。Matuseのウエットスーツに使われているジオプレーンという超ハイテク素材を開発したのは大阪にある山本化学工業で、ゆえに親近感を抱いている日本人が多いのだと思う。

 

CEOのジョン(左)と吉田さん

ジョンは沖縄で空手を習っていたこともあり、日本やアジアの文化にも詳しい。Matuseのロゴマークも中国のタオのシンボルからきている。

 

Matuseの創業者であり、CEOであるジョン・キャンベルが、石油でなく石灰岩から作られたゴム、ジオプレーンを知ったのは2005年のこと当時、ライターをしていたジョンがき物のためにリサーチしていた時だ。

 

「見た瞬間、いいブランドを作れるとピンときた。それで、父親と、友人のマット・レーソンとで会社を立ち上げて、山本化学工業に〝イチバン〞の製品を作って、僕たちにアンバサダーをさせてくれって伝えたんだ」(ジョン)。

 

テープ。

無造作に置かれていたテープにもブランドミッションの“イチバン”の文字。

 

そのアイデアに山本化学工業が乗り、Matuseが始まった。ちなみに、〝イチバン〞という 日本語は、Matuseのブランド・ミッションに使われている言葉である。

 

「あえて日本語を使っているのは、日本製の素材を使っているからでもあるけど、ベスト中のベストを作っているっていうことを強調するためでもあるんだ」(ジョン)。

 

展示されたウエットスーツ。

展示されたウエットスーツ。

 

ジオプレーンのウエットスーツは弾力性があり、機能性が高い。加えて、さながらファッションブランドのような都会的な洗練された世界観を構築しているのがMatuseの面白いところだ。

 

「僕らは他のサーフブランドをリスペクトしている。と同時に、他と同じことをしないようにしている。常に新しい何かを探しているんだよ」(ジョン)。

  
 

新作の撮影風景

取材時はちょうど新作の撮影を行っていた。

 

製品ラインナップは、ウエットスーツの枠を飛び出し、ハイテク素材を使ったスポーツアパレルまで広がっている。日本の忍者の衣装にヒントを得たスポーツウエアも構想中だ。

 

「僕らはウエットスーツを作る会社というよりは、アイデア・カンパニーなんだ」というジョンは、20年の東京オリンピックを楽しみにしている。そのタイミングに合わせて何か仕掛けたいと考えているそうだ。

 

◎ Matuse / マテュース (Matuse Black Spot)
1150 Camino Del Mar Suite B, Del Mar
☎ 619-318-0938
https://www.matuse.com

 

(2017年9月号掲載)
 
※このページは「ライトハウス・サンディエゴ版   2017年9月」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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