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アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

算数の勉強方について教えてください

「日本人は算数がよくできる!」
でも、うちの子は? どうすれば?

松本輝彦(INFOE代表)

次の学年で学ぶ算数の予習を
夏休みの間に、日本語で!

現地校の算数・数学で苦労しているお子さんに、夏休みの間に、次の学年で学ぶ計算問題を、日本語で予習させてあげてください。9月からの勉強が楽になり、お子さんが自信を取り戻すでしょう。

神話と現実?

「日本人の子供はよく勉強し、特に算数・数学がよくできる」。

かつて、日本人の子供の勉強ぶりを評した、現地校の先生方の言葉です。しかし、この言葉は「神話」になってしまい、算数・数学で苦労する日本人の子供が、全米で多くなっているのが「現実」です。

特に、渡航直後の子供への影響が大きくなっています。

教科書の違い

アメリカに来て年数が短い子供が、算数に苦労する理由のひとつは、日本とアメリカの教科書の違いです。

現地校の算数の進み方が、日本の文部科学省が決めた学習進度より、早くなっている学習部分や学年があります。そのため、よくわからない英語の苦労だけではなく、学習内容を英語で理解しなければならないという大きな負担が加わります。

夏休みに予習

夏休み中に、9月から使う現地校の教科書を予習しておくのが、効果的です。

教科書は、書名・著者・出版社がわかれば、普通の書店で注文して購入できます。もし、使用する教科書がわからなかったりして購入できない場合は、大きな本屋か教材専門店で、学年別の問題集などを入手できますので、教科書代わりに使ってください。ほとんどの教科書は、練習問題の半数くらいの解答が巻末に掲載されていますから、活用してください。

その教科書の中の、計算問題だけを予習します。現地校の教科書ですからすべて英語で書かれていますが、解説や応用問題は無視してください。新しい単元で出てくる、新しい計算(掛け算、割り算、分数、小数など)の仕方だけでOKです。

計算の仕方だけを、日本語で教えてあげてください。簡単な内容を日本語で予習させるのですから、お母さん、お父さんでも十分教えられます。もし、親子関係でトラブルようであれば、近所の日本人の高校生にお願いしましょう。

日本の教科書で予習

英語の教科書や教材を使っての予習に抵抗感のある場合は、日本の学校教科書を活用してください。

補習校に通っているお子さんならば、まず、今の学年の算数の教科書の計算の仕方だけを教えてあげてください。

それが済んだら、補習校の先生にお願いして、次の学年の教科書を借りましょう。兄弟や近所のお子さんが使った古い教科書でもOKです。同じ要領で、予習です。

教科書では、練習する問題が少なかったり、解答がないので困る場合は、学習参考書や練習ドリルを、教科書代わりに使うことも可能です。

予習への注意

ここでおすすめしているのは「予習」です。

決して、「勉強したすべてを、完璧に理解させよう」としないでください。月からの新学期が始まった時に、お子さんが「これ見たことがある。やり方知ってる」と思ってくれることが目標です。

先生の英語での説明がよくわからなくても、勉強している内容が少しでも理解できれば、授業中に「お客さん」になりません。初めて、授業中に学び、参加することができるようになります。すると、先生の言っていることややっていることが少しずつわかるようになり、より理解が進み始めます。

算数で自信を!

「算数の計算ができて、先生が褒めてくれたから、子供は現地校に通ってくれた」というのは、アメリカに渡航直後のお子さんの現地校適応を振り返った保護者がよく口にする言葉です。

たった1つでも自信の持てる勉強があれば、ABCのわからない子供でも元気に学校へ行ってくれます。現地校への適応のためにも、「算数の予習」は必要なのです。

アメリカ滞在が長くなった子供にとっても、「A」が取れる教科が1つでもあれば、勉強や自分自身に自信が持てるようになります。

夏休みの算数の予習。お子さんと一緒に実行しましょう。


(2009年7月16日号掲載)