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アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

英語が苦手な中学生は、どんな勉強をすればよいか?

渡米して3年目になります。先日、7年生になった息子の現地校の先生との面談で、「『日本人の子供はよく勉強する』と言われるのに、彼は成績を上げようという努力をしない。このままでは、留年の可能性すらある」と言われました。小学校では、成績もそこそこで、楽しくやっていました。今後、どんな指導をしていけばいいのでしょうか。教えてください。

松本輝彦(INFOE代表)

中学の勉強は難しくて当然
親も子も根気よく予習することが大切

 「日本人の子供は、よく勉強し、成績もいい」は、昔、現地校の先生が数多く口にした言葉です。しかし、そのプレッシャーに苦しんだ子供たちがいたものです。こんなことを聞いたのは久しぶりです。ご相談のケースは、もっと具体的にお聞きしなければならない事柄がありますが、ここでは、中学生が抱えるであろう一般的な問題について考えてみましょう。

中学校の授業
 教科担任制の中学校になると、各教科の先生は子供に会うのは1日1コマだけで、1日で100人以上の生徒を指導します。生徒1人ひとりの学習状況を把握しているのは、カウンセラーだけになります。しかし、そのカウンセラーも、何百人もの生徒を担当していて、コンピュータに入力された生徒の学習や出席情報を基に判断するのが精一杯です。
 7年生には、この中学校のシステムに適応できない子供が多くいます。1日中、教室から教室へ移動する学校生活になじめず、勉強への集中力や努力が欠如します。

英語力
 日本の学校での学習同様、現地校でも小学校4、5年生から、書き言葉中心の学習に入ります。この年齢で渡米して、英語の書き言葉での学習に遭遇した子供が、2、3年で周りについていくのは大変です。英語だけではなく、実は日本語すら完成していない、渡米に最も厳しい年齢であることを理解してください。

学習内容
 学校での勉強は、言葉だけではありません。各科目の内容を理解することが要求されます。日本語で学んだことのない、基礎的な術語さえ聞いたことのない内容を、新しい言語で学び、理解するのは、時間をかけて努力するしか方法がありません。

学習は積み重ね
 「日本人の子供は、簡単なエッセイやレポートさえ書けない」と、現地校で教える友人に言われたことがあります。当然です。アメリカ人の子供は、低学年からエッセイを書く基礎的なトレーニングを何度も受けてきているのですから。そんな練習をしたことがない日本人の子供が、いきなり書けるわけがありません。中学校の勉強は、キンダーからのさまざまなトレーニングで得たスキルを前提にしているのですから。

中学生の大変さ
 このように小学校から上がったばかりの中学生は、他の学齢では見られない問題を抱えます。もちろん、この問題に加えて、思春期、反抗期の苦しみが加わります。この年齢の子供の指導には、親の根気と継続した努力が必要です。

最初にすること
 まずは、「自信を持たせる」ことです。英語・社会以外の数学・理科の勉強で成績を上げるサポートを始めてください。ハンデの少ない科目の成績向上で自信を持たせるのです。基礎学力が付いてないからといって、英語の学習をしても即効性はありません。算数か理科の日本語での予習が効果的です。予習がないと、次の日の授業でも何を勉強しているのかわからずに、お客さんになってしまいます。その章で、何を学ぶのか知ることが、第1の目標です。その内容を、日本語で説明してください。

 指導するのは、言葉も学習内容も理解できる日英バイリンガルの家庭教師が最高でしょう。しかし、週1回では効果半減です。図表の簡単な説明や、基礎的な計算問題の解き方は、お父さんやお母さんもできます。親が「苦手だ」と言ってしまっては、子供はやろうとはしません。多分、親にとって1番難しいのは、「子供に冷静に話す」ことでしょう。しかし、その努力が、子供にとってどれほど問題の解決につながるかを想像すれば、声も小さくなるのでは。学校の成績が少しでも上がれば、自信もついてきます。その先は、子供自身の努力に期待です。