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アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

2012年以降のUC系入試は?

UCの入学が大変だそうですが来年と2012年からはどうですか?

松本輝彦(INFOE代表)

来年は経済危機の影響が大きく、その後は出願方法が変更されます。

カリフォルニア大学(UC)

カリフォルニア州は、高校生の人口が多いので、カリフォルニア大学(UC−University of California、定員は高校の上位12・5%)・カリフォルニア州立大学(CSU −California State University、上位30%)・コミュニティーカレッジ(学生数200万人)の3つの州立の大学システムを設けています。

そのうち、UCは11のキャンパスを持ち、世界でトップクラスの教育・研究の質と量を誇っており、州内だけではなく他州や世界中の国々から優秀な学生が集まってきています。

現状と来年度は?

州政府の財政危機
世界中の経済不況の中、カリフォルニア州の財政が危機的状態です。この危機を乗り越えるために、税収の増加と大幅な支出削減が避けられません。

州の年間予算の約30%が義務教育(K −12)、約10%が高等(大学)教育に充てられています。州の税金で運営されている公立学校や州立の大学にも、経費削減による深刻な影響が出ています。

UCへの影響
州立大学であるUCシステムへの大幅な経費削減は、入学者数の減少、学費の値上げ、奨学金の減額、クラスの閉講などに現れてきます。

現在12年生の来年秋の入学申し込みは、この11月末で締め切られますが、各キャンパスで入学定員の削減が予想され、入学希望者にとっては厳しい戦いになります。また、入学後も希望のクラスの受講登録が困難になるなど、卒業までの期間が長くなる可能性も高くなります。

授業料値上げの提案
さらに、今後2年間で次の3段階の授業料値上げが検討されています。

〕菁2010年初めの学期から約600ドル
10年秋から約1200ドル
11年秋から約1350ドル

◆↓は現在の授業料の各15%に相当し、11年秋入学から「UCの年間授業料が1万ドル」の時代に入ることになります。これに加え、州外生追加授業料も年間2万ドル以上に値上げされることが予想されています。今後の報道に、十分ご注意ください。

12年からの変更点

上位9%は合格保証
各高校または州全体で上位9%の成績を収めた12年生はUCキャンパスへの進学が保証されることになります(ELCプログラム−Eligibility of Local Content Program)。
 
11年生修了時の受講科目と評点平均(GPA −Grade PontAverage)を各高校が州に報告し、このELCプログラムが適用される生徒が選ばれます。その生徒は希望するUCキャンパスに出願します。入学審査の結果、希望するキャンパスに合格できなかった場合は、別のキャンパスへの進学をすすめられます。

カリフォルニア州の高校卒業生の12・5%が進学できる定員をUCは目標としています。このELCプログラムで上位10%がUCに進学できるよう計画されています。そうすると、その差2・5%の定員枠に、上位9%の成績を取れなかった学生の出願が集中し、入学競争が激化することになります。

SAT Subject Testは不要
現在、UC出願時に提出しているSubject Test2科目の成績提出が必要なくなります。しかし、Reasoning Test (英語・数学・エッセイ)はこれまで通り必要です。

受験科目削減は、高校生の統一試験受験の負担減少、学校での学習成績の重視などが主な理由です。

「楽になる」と喜ぶ日本人生徒も多くいますが、これまでの受験生のように、Subject Testの1つである「Japanese」で高得点を上げてUC入学を有利にするチャンスを失うことになります。出願にあたり「日本語ができる」をアピールしたい高校生は、「AP Japanese」を受験することになるのです。また、試験の数が減ることから、ひとつひとつの試験成績の重要さが増すことにもなります。

9、10年生は注意!
これらの変更は、12年秋の入学生、すなわち現在の10年生から適用されます。ですから、9、10年生は、今受講している科目やその成績がELCプログラムに使われるということをよく理解して、頑張ることが必要です。決して、「先の話」と思わないでください。


(2009年11月1日号掲載)