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アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

子供を米大学に進学させたい

子供を米大学に進学させたい
小・中の子供と親がすることは?

松本輝彦(INFOE代表)

子供は現地校の勉強
親は情報収集と教育費の準備

子供:現地校の勉強

世界中のどこに住んでいても、大学進学を目指す子供たち(たとえ小学生・中学生でも)がすることは、学校での勉強をしっかりすることです。大学は、出願者が小学校から高校までに身に付けた総合的な学力を評価して入学させます。学力の基本は学校の勉強です。

特に、アメリカの大学では、高校での学業成績中心の入学者選考を行います。カリフォルニア大学(UC)では、2012年から、10・11年生で受講したUC認定クラス数と成績の平均点(GPA)が同じ高校の同学年の上位9%に入っていれば、10校あるUCキャンパスのいずれかへの合格を保証します。学校の成績のみでの大学合格です。

また、アメリカのほとんどの4年制大学の入学者選考では、学校の成績に統一試験(SATやACT)の得点を加えて評価します。これらの試験では高校での学習内容が出題されますので、高得点を狙う最も効果的な方法は、高校での勉強をしっかりすることです。 

保護者の皆さんが経験された筆記試験の成績で合否が決まる日本のような大学入試は、アメリカにはありません。お子さんたちが小学校で身に付けた読書力、中学校でのエッセイを書く力などが、学力の基礎です。その基礎の上に立って、高校で「目一杯」勉強した高校生を、大学は求めています。

日々の学校の勉強を大切にして、努力することが大学進学への近道です。



保護者:情報とお金

子供が勉強を頑張っている間に、保護者のすることは大学進学の情報収集と大学での学費の準備です。

●大学について知る
日米の大学の入学選考の考え方・方法は大きく異なります。ほとんどの保護者はアメリカの大学で学んだ経験がないと思います。しかし、アメリカの大学教育の仕組みや実態、出願・入学の手順や現状、さらには大学卒業後の進路の傾向などについて保護者自身が知らないと、大学選びや出願で子供の質問に答えたりアドバイスしたりできません。

日本の大学へ進学する場合も同じです。海外の高校卒業生は「帰国子女入試」を受けることになり、受験時期や入試科目などが日本国内の受験生とは異なりますので、情報や実態をよく把握することが大切です。 

子供の希望を尊重することは大切ですが、保護者としての意見を持つことも重要です。そのためには、教育・大学情報や体験者の話に注意を向け、自分自身でも積極的に情報を収集するなど、保護者自身の(子供たちと同じ)日々の努力が必要です。

●学費の準備
カリフォルニアでは州立大学の学費の値上げが続いています。

州立大学は州民が納めた税金で運営されています。経済危機に端を発する州財政の悪化で、州立大学の経済状況が非常に厳しくなっています。UCの場合、今後の2年間で約30%の授業料値上げが予定されており、年間授業料が約1万ドルに達します。UCに比べ授業料の安い、カリフォルニア州立大学(CSU)や2年制のコミュニティーカレッジでも同様な現象が起きています。

一方、全米の主な私立大学の授業料の平均は3万5千ドルです。アメリカの私立大学は、州立に比べて少人数教育を行っており、日本のような税金からの補助金がありませんので、州立大学の学費と比べて高額になっています。 大学生活には、授業料のほかに、寮生活では年間約1万5千ドルの住居・食事などのための生活費が必要です。

大学4年間のこれらの費用を合計すると、自宅通学で州立大学に通学した場合の約4万ドルから、私立大学で寮生活の20万ドル以上までの学費がかかります。

また、州立大学の場合、お子さんがアメリカ市民や永住権保持者でないと州外からの学生とみなされ、年間2万ドル以上の追加授業料も必要となります。

学費の準備は皆さんの仕事です。「子供はアメリカの大学へ」と希望されるならば、早速、ご準備を!


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
新年初めてのコラムが厳しいお話になりました。しかし、「1年の計は…」と言いますので、ご勘弁を。

最後になりましたが、新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。


(2010年1月1日号掲載)