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アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

日本の高校に行かせたい。受け入れ態勢は? 準備は大変?

息子は小学校6年生でアメリカに来て3年が経ちます。夫の帰任時期はまだわかりませんが、高校は日本で行かせたいと思っています。日本の高校の帰国生受け入れはどのようになっているのでしょう? また、どのような準備をすればよいですか?

松本輝彦(INFOE代表)

現地校の成績、日本語での学力を
見極めて慎重な学校選びを

帰国子女受入校とは?

 2001年の文部科学省の政策変更で公的な「受入校」の制度がなくなりました。これにより、一部の地方自治体の指定によるもの以外、公立の「帰国子女受入校」はなくなりました。私立の学校では、自らが名乗れば「帰国子女受入校」になるというのが現状です。ここ1、2年、海外の子供たちの受け入れに積極的な私立の「帰国子女受入校」が増えてきています。なかには児童生徒の教育を真剣に考え実行している学校も多くありますが、少子化による児童生徒数の減少を海外子女で埋め合わせようとする学校も、残念ながら増えてきています。

 「帰国子女受入校」として紹介されている学校は、帰国子女の比較的多い公立の学校、在籍している帰国児童生徒数には関係なく「帰国子女を受け入れる」と表明している学校という程度の理解で、過度に期待しないのが無難です。その上で、それぞれの学校の教育目標・入学後の指導方法・受け入れなどの実態を知る必要があるでしょう。

受入校の入試タイプ

 ここでは、受験準備に大きな違いが出る入学試験のタイプ別に分けてみます。

現地校の成績重視
 現地校での学習成績を重視し、作文・面接で合格判定。
例:国際基督教大学高校、啓明学園、玉川学園、立命館宇治高校、千里国際学園

帰国生に特別配慮した入試
 科目の筆記試験を実施するが、帰国生用の問題を出題したり国内受験生と配点を変えたりして、帰国生に配慮した入試をする学校。
例:,粒惺察∵溪学園、一部の公立高校

国内受験と同じ入試
 国内受験生とまったく同じ試験科目、配点で入試をする学校。


海外入試の選択肢も

 帰国入試の一部として、海外へ出向いて入学・編入試験をする学校があります。例えば、千里国際学園(中・高)・立命館宇治(中・高)・玉川学園(小・中・高)・啓明学園(小・中・高)・同志社国際(中・高)など。学校により異なりますが、11、12月に受験、そのほぼ1カ月前に出願、試験会場はニューヨーク・シカゴ・サンノゼ・ロサンゼルス。現地校出身者の場合、作文・面接だけで受験できます。
 受験のための日本帰国が必要なく、合格後の入学できる期間が半年から1年と長いことが大きなメリットです。

帰国しての高校進学は大変

 「渡米経験のない5年生の男の子を連れてくるのが1番大変」。これは私の経験から言えることです。ご相談のケースは、これに近いものです。大変な理由は、高校入試です。

‖敲藤廓で、英語力がこれから伸びる時期。現地校の成績だけでの合格は大変。
日本語が確実に身につく前の学年で渡米したので、高校入試の問題を解くのは大変。
F学しても、たった3年後の大学入試ではもう帰国子女枠は使えない。

 どうしても高校で帰さなければならないならば、現地校の成績、日本語での学力を見極めて、慎重な学校選びが必要です。今すぐ、受入校の情報収集を始めてください。
 「夫の帰任時期はまだわかりません」とのことですので、個人的には、大学で日本へ帰す可能性も検討されることをおすすめします。

々盥撮嫁生夏以降の帰国ならば、帰国子女枠で大学受験ができる。
高校3年の夏まで、編入を受け入れてくれる高校がある。
5国子女大学入試は海外での学習で得たものを最大に評価するので、現地校の学習で十分で受験が楽。

 以上が大きな理由です。
 高校途中で日本へ帰国命令の出たご家族が高校生のお子さんを、学生ビザが取得できて子供だけが残せる現地の私立高校(ロサンゼルス地区ではロサンゼルス国際学園)に編入させ、1年後に帰国子女大学入試を受験して、日本の大学へ進学させるケースも多くあります。
 選択の幅を、もう1度広げて、お子さんの日本帰国後の教育の可能性を検討してみてください。