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アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

永住予定が、突然日本帰国に。 インター校での英語での教育は?

永住予定が、突然日本帰国に。インター校での英語での教育は?

松本輝彦(INFOE代表)

インター校で、帰国子女向けの新しいプログラムが広がる。

永住者の帰国?

北米全域で、5年以上の長期滞在や永住予定の子供たちが増えてきています。その子供たちは、当然、日本語よりも、現地校での英語での教育に力を入れています。しかし、その子供たちの中に、突然日本へ帰国せざるを得ないケースが目立つようになりました。

日本語より英語の方が言語レベルが高く、英語での学習の方が楽な子供たちです。このような子供たちの保護者に、「日本帰国後の教育も英語で」と希望する割合が高くなっています。そのチョイスの1つとして、インターナショナルスクール(インター校)での教育を考えてみましょう。

例:名古屋インター

昨年11月、愛知県からの進出企業の多い中西部の都市で、「愛知県受入校の教育フェア」を実施しました。そのフェアに、名古屋インターナショナルスクール(NIS、名古屋国際学園)のエリック・オルソン・キクチさんが参加され、お話を聞く機会がありました。

1964年創立の名古屋インターは、米国西部地域私立学校大学協会(WASC) と国際バカロレア機構(IBO)の正式認可を受けた、中部地方で唯一のインター校です。卒業すれば、アメリカのハイスクールの卒業資格が得られ、さらに国際バカロレア資格を取得するチャンスもあります。3〜17歳の26カ国の出身国籍を持つ児童生徒約330名が学んでいます。

学校では英語

日本にあるほとんどのインター校は、英語での授業が中心です。名古屋インターでも「授業はすべて英語。保護者との連絡も英語」なので、「『アメリカでの学校教育を、日本帰国後も続けさせたい』と希望する保護者と生徒に入学してほしい」とのエリックさんのお話でした。

しかし、日本語や外国語だけで育った日本在住の子供たちのためESLクラスもあるとのことなので、アメリカの滞在年数の短い子供が入学できる可能性もあるようです。

家庭では日本語

「日本語での教育は、家庭で保護者が責任を持つ」というエリックさんの言葉もありました。バイリンガル教育ではなく、「英語での教育」のためのインター校としては当然です。

しかし、家庭で英語や外国語を話している児童生徒のために、名古屋インターでは3つのレベルの「日本語」クラスを設けています。その授業内容は、北米の補習校で勉強してきた子供にとっては簡単なようです。海外から帰国した在校生の中には、「塾」などで子供のレベルに応じた日本語の勉強を続けて、バイリンガルに育ったケースもあるとのこと。また、IB プログラムのDiplomaで「日本語」を選択すると、日本国内の高校生にとっても大変な内容の資格試験を課されますが、高いレベルの日本語での学習をする機会となります。

世界の大学へ

最近の名古屋インターの卒業生は、アメリカ、カナダ、日本の大学へ進学しています。

名古屋インターで、アメリカのハイスクール、またはIBの卒業資格を取得すれば、英語圏の大学への進学は問題ありません。しかし、これらの資格が取得できないインター校も日本にはありますので、学校選びには注意が必要です。

一方、インター校を卒業しても日本の高校卒業資格は得られませんので、国内生と同様に日本の大学受験はできません。しかし、日本の一部の大学・学部では、「国内の高校卒業生と同等の学力がある」とみなして、さまざまな試験を受験できるようになってきています。

また、名古屋大学では、外国の高校とインター校の卒業生だけのための理科系の特別プログラムを新しく開講し、名古屋インターで説明会を開いたとのことです。日本政府の「留学生30万人計画」推進のために、主要な大学で同様なプログラムの新設が増えています。

◇  ◇  ◇  ◇
アメリカの現地校と同様に、日本帰国後にインター校でも「英語は学校で、日本語は家庭で」の方法が、バイリンガル教育には必要です。そして、英語での学習で身に付いた学力で日本や世界の大学で学べる機会が急激に増えてきています。

インター校は、英語での学習に力を入れてきたお子さんの日本帰国後の学校選びのチョイスになりつつあります。

(2011年2月16日掲載)