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アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

小学生2人。夏に自宅で指導できる日本語力向上の良い方法は?

小学生2人。夏に自宅で指導できる日本語力向上の良い方法は?

松本輝彦(INFOE代表)

読み聞かせ、書き写しがおすすめ「継続は力」で、習慣付けを

夏休みです。子供に「勉強しなさい」と言っても、「夏休みは遊ぶためにあるんだよ」と切り返されるのが落ちです。「勉強」と考えずに、「日本語に毎日触れる習慣付け」を目標にしてみませんか。その方法として、幼児、低学年の子供には「読み聞かせ」を、4年生以上には「書き写し」をすすめます。

読み聞かせ簡単です。毎日決まった時間に、少なくとも30分位、日本語の本をお母さんが読んで聞かせるだけです。クッションのよくきいたソファーに子供と一緒に座って、子供が選んだ本を読んであげるのです。

 低学年の子供は、まだ字を拾い読みです。「うちの子はもう本が読めるから」と言わずに読んであげて、書かれた日本語のリズムや言葉のイントネーションをお母さんが口移しで教え、言葉の意味を説明してあげるのです。

 始めは、子供が絵本や童話を選んでも気にしないで続けます。子供は同じ本を何度も持ってきまので、お母さんの頑張りどころです。短い文章でも、大げさに演技して読んであげましょう。しばらくしたら、「この本、お母さんが子供の頃読んだけど面白いよ」とそっとお母さんの好みの本を出してみましょう。そして、お母さん自身も楽しみましょう。

 我が家の3人娘は、小学校高学年になるまで、母親にほとんど毎日「読み聞かせ」をしてもらいました。「読み聞かせで、日本語の基礎、日本の文化や習慣を日本語で学んだ。そして、日本に興味を持ち続けることができた」は、バイリンガル・バイカルチャーに成人した娘たちの言葉です。

書き写し

 3、4年生からは子供に日本語の本を選ばせて、その本を1日に原稿用紙1枚(400字程度)書き写させるだけです。

 家庭での会話が日本語でも、バイリンガルとなるためには書かれた日本語を読めるようになることが必要です。書き写す作業を通して、日本語を読み書く基礎を作ることが目的です。あまり難しく考えないで、「書かれた日本語に触れる」が当面の目標と考えてください。

 場所はキッチンやリビングルームのテーブルなどでOKです。できれば、お母さんも付き合ってください。お母さんが台所仕事をしながら「やりなさい」では、子供のやる気はもうひとつ。

お母さんのやってはいけないこと。

 その1。「何これ。もっときれいに書きなさいよ!」とは絶対に言わないこと。毎日漢字を書いていない子供が、お母さんが満足するレベルの字を書けるわけがありません。やんわりと「丁寧に書こうね」ぐらいで辛抱してください。

 その2。「教科書を書き写しなさい」もダメです。子供の好きな本はOKです。最初は、ひらがなばかりの本を子供が選んでも、ニッコリと。教科書は、お母さんは教育上良いからと思われるでしょうが、子供にとっては大嫌いな本の一つです。子供が喜ばない本を選ばないこと。絵本から写し始めてもOKです。ただし、「マンガ以外ね」とルールを決めます。

 中・高校生には、『天声人語・英文対照版』がベストです。朝日新聞に掲載された「天声人語」とその英訳が見開きで掲載されています。英語の方が得意な子供は、英文で内容を理解してから日本文を書き写します。日本文は800字程度ですから、書き写し2回分です。漢字に振り仮名が打たれ、簡単な用語解説も付いていますので、自習用に最適です。

 「書き写し」は勉強とは呼べないかもしれませんが、私自身の経験で、帰国子女大学入試を目指す高校生、日本の大学を目指す外国人留学生に活用してもらって大きな成果を上げています。

継続は力
 「読み聞かせ」「書き写し」は単純な作業です。単純だからこそ、工夫すれば長続きします。その継続の中で、子供の日本語力、日本語での知識が身に付いていきます。1日の書き写しを完璧にやらせるよりも、「50点、60点の書き写しを30日続けさせる」と考えてください。 

 そのためには、お父さんの参加も大切です。帰宅したお父さんが、子供が書き写した原稿用紙の隅っこに「見たよ。Very good」と書いてあげるだけで、継続する力となります。頑張ってください。