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アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

日本の中学校の授業内容、 教科書が変わる?

中学校では新指導要領を全面実施中1、2で武道とダンスが必修に

松本輝彦(INFOE代表)

新指導要領の全面実施

小学校学習指導要領の完全実施から2年、この4月から中学校の新指導要領が全面的に実施されます。新指導要領は、教育のグローバル化に対応した「知識基盤社会」の中での「生きる力」の育成を目指しています。

中学校では、学習時間数の増加に伴って、学習内容が増やされます。

この全面実施で学習内容、特に数学や理科では2年前から移行措置が取られてきていますので、お子さんが大きく変わったと混乱することはないと思われます。しかし、中学生にとっては初めての授業が加わります。

武道・ダンスの必修化

この指導要領の全面実施で、4月から中学1・2年の男女全員が武道とダンスを学ぶことになりました。

武道

「武道は、武技、武術などから発生した我が国固有の文化」で、「子供の体力低下」や「モラル欠如」を正すとして、この指導要領で必修となりました。

武道の種目は柔道・剣道・相撲の中から設備や指導者などの状況を判断して、各中学校が選びます。また、それぞれの地域の特徴ある伝統的な武道の種目を選ぶことも可能とされています。

全国の公立中学校の種目選択状況を調べた文部省の調査によると、柔道64%が最多で、剣道38%、相撲3%の順になっています。地域別では、柔道は秋田・岐阜両県で選択率が100%、剣道は岐阜県(95%)、沖縄県では空手道(90%)など、地域による差が大きくなっています。武道の必修化にあたっては、武道用具(柔道着・柔道畳・剣道防具・竹刀等)などの購入や武道場の整備などが必要ですので、私立中学も含めて、地域・学校により種目の差が大きいのが現状のようです。

そんな中、高知市の公立中学校のいくつかでの「相撲を女子にも必修化」の決定に対して、「相撲がある日は休む」という女子生徒の声や「セクハラだ」という母親の抗議などが紹介され、武道の実施そのものへの疑問も含めて報道され、話題になりました。また、武道、特に採用率の高い柔道の授業での安全確保を懸念する声が大きく、教育委員会や都道府県単位で行われている指導教員研修の報道も多くなっています。

日本では、もう武道の授業が始まっていますが、年間授業13時間という回数も含めて、どのようなインパクトがあるのでしょうか。

ダンス

「ダンスは、『創作ダンス』 『フォークダンス』 『現代的なリズムのダンス』 で構成され、イメージをとらえた表現や踊りを通した交流を通して仲間とのコミュニケーションを豊かにすることを重視する運動です」と文部科学省のパンフレットで紹介されています。

先の文科省の調査では、ダンスの種目別の実施状況は、現代的なリズムのダンス66%、創作ダンス49%、フォークダンス39%の順となっていました。

「創作ダンス」や「フォークダンス」を、学校で経験された保護者の皆さんは多いと思いますが、「現代的なリズムのダンス」はいかがですか?この現代的なダンスは、サンバやヒップホップ、ロックなどの音楽に合わせてリズムの特徴を捉えダンスをするというものです。文化祭などで生徒が自主的に踊ることがあっても、体育の授業ではあまり見られなかったものでしょう。しかし、このダンス種目が最も人気が高いのは、「小学生の10人に1人がダンスを習い事に選んでいる」という人気を反映しているのでしょうか?

この現代的なダンスの必修化に学校外の多くの人たちの注目が集まっています。まず、体育の先生にダンスの指導は無理?なので、本職のダンサーを学校に招いて指導を仰ぐ中学が多くなっています。そして、学校で「カッコいい」ダンスが好きになった中学生が、学校外でもダンスに興じるのをビジネス・チャンス到来と待望している業界があります。音楽やエンターテインメントの関係者は言うに及ばす、ダンス衣装やダンス用靴などの販売店まで、保護者の財布を虎視眈々と狙っています。

(2012年5月1日号掲載)