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アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

トランスファーの際のカレッジの役割とは?

12年生の息子が、卒業後、コミュニティーカレッジからUCに編入を希望しています。カレッジの役割とは?

松本輝彦(INFOE代表)

学校教育で「セカンドチャンス」を与えることです。

編入制度の背景
カリフォルニア州の高校卒業生のトップ10%程度がUCに、トップ35%程度がCal Stateの各キャンパスに進学します。これらの大学の合格を勝ち取るためには、高校3年間の高い学業成績(GPA)と統一試験の高得点が要求されます。さらに、入学後の学習も厳しく、良好な成績(GPA)を維持しないと退学処分になります。

そのため、2年次終了時点で、各大学で3割から半数近くの学生が学業を断念するか、ほかの大学へ移ります。欠員を補充するため、コミュニティーカレッジ(以下、カレッジ)からの編入制度があります。

編入へのステップ
各カレッジの学生が、それぞれの4年制大学(以下、4大)に編入するための条件を取り決めた協定が、カレッジと4大の間で結ばれています。

(1)受け入れる4大の各専攻・学部の1・2年生が受講するのと同等のレベル・内容のカレッジの
   科目・クラス。

(2)それらのクラスの必要単位数と、平均成績(GPA)や最低基準(B以上等)。

4大に編入を希望するカレッジの学生は、カレッジの授業スケジュールから、編入の協定で指定された科目・クラスの授業を受けます。通常、クラスの受講には2年かかります。カレッジ入学時点で実施されるクラス分け試験(Placement Test)の成績が良くないと、指定科目の基礎的な内容を学習するレベルのクラスを取るよう指示されます。数学の基礎クラスや英語の入門クラス(ESL含む)を受講する場合は、3年以上かかることもあります。

指定科目のクラスの受講を完了して、基準の成績をあげた学生は、希望の4大に出願し、入学許可の判定を受けます。合格すれば、4大の3年生として勉強することになります。

カレッジのメリット
(1)4大編入向けのクラスでは、大学レベルの授業の学力・スキルを基礎から身に付けさせるの
   が、カレッジの目標。高校の学習が十分でない学生には、基礎力を補充するカリキュラムが
   組まれ、丁寧な指導をする教員が多く見られる。

(2)高校卒業が、カレッジ入学の基本的な資格。高校で悪い成績でも入学は許可。

(3)1単位20ドル(加州民の場合)、1セメスターに通常12単位程度受講。
   この授業料は、UCの約8千ドル、CSUの約5千ドルの年間授業料に比べて、非常に安い。

(4)どのカレッジも、UC(UCLAやUC Berkeley含む)とCSUへの編入がほぼ可能。

(5)南カリフォルニアには非常に数多くのカレッジのキャンパスがあり、日夜、クラスを開講して
   いる。学生の生活に合わせた受講が可能。

(6)大学の授業は高校と違い、自分の興味のある科目・内容のクラスを自由に選べる。
   また、授業も週に1・2回のものが多く、自分の勉強時間が増える。

編入希望者への注意
「GPA4.0」が編入への目標です。それぞれに4年制大学が求めている科目ですべて「A」を取れば、必ずその大学に編入できます。例え世界でトップレベルのUC Berkeley やUCLAであっても、必ずカレッジから編入させてくれます。

カレッジは、コミュニティーの人たちの学習の場として、若者から退職者まで幅広い年齢や職業の人が、実用からアカデミックな内容までのさまざまなクラスを受講しています。4大編入のための一部のクラスを除けば、編入を希望する学生も、先に述べた多くの人たちと一緒のクラスで授業を受けることになります。のんびりしたクラスの雰囲気に流されずに、「4大編入」という目標を明確にした勉強を続けなければなりません。

そのためには、高校時の勉強方法を大きく変えることです。カレッジで授業に出る時間は高校の時の数分の一で、自分の勉強に使える時間が大幅に増えます。この時間を友人と楽しく過ごしていたのでは、4大編入は叶いません。

すべてのクラスで「A」が取れる勉強を「やってみよう」「やってみたい」という人が、4大への編入ができます。成績(GPA)だけで決まるのが編入です。どんなことをしても「A」が取れれば成功するのです。やる気のある人だけに与えられるのが、「セカンドチャンス」です。