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アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

渡米直後の現地校適応について教えてください。

8月に渡米。1年生と4年生の子供が、英語もわからず、現地校の勉強で苦労しています。

松本輝彦(INFOE代表)

保護者自身が、現地校について理解を深めることが大切です。

●英語

日本から来たばかりなので、言葉(英語)が通じないのは当然です。現地校の先生の指導に従って勉強するのが、渡米直後の英語習得における最良の方法です。お子さんの持ち帰る宿題を、ご両親も一緒にやってください。

1年生と4年生では、どちらのお子さんも英和辞典すら引けません。辞書を引いてあげて日本語で意味を教えたり、問題のやり方の説明をしてあげましょう。その際、お子さんの知っている知識や言葉に関連付けて説明してあげるのが、お子さんの理解を深める秘訣です。毎日の宿題を通して、英語の単語力が伸び、その後の英語読解力につながっていきます。

もし可能なら、教科書の予習を試みてください。明日の授業で学ぶページの写真、絵、図を見ながら、その内容について雑談をするだけでも結構です。授業中の先生の話がおぼろげながらわかるだけでも、お子さんはその授業で何かを理解して、有意義な時間を過ごします。

1年生のお子さんは、「聞き・話す」ための「話し言葉」での勉強が中心です。読書は「楽しんで読む」レベルの指導ですから、まず、会話力の向上に努力しましょう。現地校の友達と英語で遊ぶ機会を積極的に作ってあげるのも、良い方法です。

4年生のお子さんは、「読み・書き」を中心とした「書き言葉」での勉強が中心です。この段階では、日本の学校同様、日常生活の中では使われない、学習のための言葉「学習言語」の習得が目標です。言葉が持つ意味、時には抽象的な意味の理解を、教科書の学習を通して進めます。現地校では、宿題のプリントの質問に答えて、この勉強を進めます。毎日の宿題を時間をかけてでもやり遂げるのが、この学習の早道です。


●現地校を理解する

渡航直後の適応には、時間のかかる英語の習得以上に、「現地校での生活や勉強の仕方・仕組みの理解」が必要です。「与えられた場面で、どんな言動を取ればいいのか」を知らなければ、不安でいっぱいになるのは大人・子供を問わず当然です。「トイレに行きたくなったら、授業中であっても手を上げて行くことができる」ことを知らないと、必要以上のストレスを感じてしまい、勉強にも身が入らなくなります。

保護者自身が、アメリカの教育、現地校の学校生活についての知識を増やし、理解を深めることが先決です。そこで知った事柄を、日本語でお子さんに話してあげてください。この方法や仕組みへの理解が、お子さんの現地校への早い適応の助けとなります。

●クラス内でのボランティア

お母さん自身の現地校理解のために、クラスマザーなどのボランティアに積極的に参加しましょう。学校・クラスでの保護者のボランティアに参加して、子供の学校生活の様子を観察したり、アメリカの学校のシステム・仕組み・ルールなどを保護者自身が理解しましょう。「英語ができないから」はボランティアに参加しない理由にはなりません。ABCもわからない子供が英語に囲まれて奮闘しているのですから。

子供たちが使うワークブックのページの切り取りや鉛筆削りなどの単純作業からも、アメリカの学校の仕組みを知ることができます。その体験で見聞き・感じたことをお子さんと共有してあげれば、子供の学校生活への理解が飛躍的に進みます。「子供に言ってもわからないから」は、お母さんの誤解です。お子さんは、現地校を理解するために多くの情報を必要としています。その情報収集を手伝ってあげてください。


●初めの半年が大切

現地校へ通い始めてしばらく続く「緊張期」とサバイブすることを覚えた後の「弛緩期」を乗り越えて、適応の大きなハードルを越えたことになります。この期間は、子供によって大きく異なりますが、半年くらいが一般的です。

「英語・現地校の右も左もわからない」お子さんの現地校生活へのソフトランディングには、お子さんと一緒に学び、共に行動する保護者の姿勢が不可欠です。「家族が一緒になって、サバイブした」との言葉を、今はもう帰国した子供たちが、海外生活を振り返って多く口にします。海外で生活した保護者と子供たち、みんなが通った道です。頑張ってください。