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アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

帰国子女受け入れ校ではどんな特別指導をしてくれますか?

帰国子女受け入れ校ではどんな特別指導をしてくれますか?

松本輝彦(INFOE代表)

特別指導やカウンセリングなど
学校ごとに内容と方法はさまざま

帰国子女受け入れ校は、国内の子供たちとは異なった、海外から帰国した児童生徒が必要とする学習指導やサポートを提供する学校のことです。帰国児童生徒が必要とする特別指導についてみてみましょう。

《学習指導内容》
1 補習
日本の学校では、カリキュラム(指導要領)で定められた内容を、一斉授業で学習するのが一般的です。 
その授業に付いていくためには、学習の遅れている教科や内容を勉強して、ほかの子供たちに追い付くことが必要です。
 
例えば、漢字・単語・言葉の量が少ない国語、練習量不足の算数・数学、日本の地理や歴史などの未学習内容の多い社会、現地校とは異なる内容や方法の理科などの、補習学習が必要になります。

2 英語
小学校の英語会話活動や中学校の英語は、現地校でサバイブした帰国生にとっては、英文法や英文和訳などのキャッチアップは必要ですが、トータルには簡単過ぎる学習内容です。苦労して身に付けた英語力をさらに伸ばしてほしい、というのは保護者の望みです。


《指導方法》
1 通常の指導
一斉授業の中で、先生が気を付けて個人的に指導する。授業に付いていくのに大きな問題のない児童生徒の場合や、学校に帰国子女を特別に指導する意図やプログラムのない場合に取られる方法。

2 特別な指導・サポート
A「取り出し授業」 通常の授業時間に、特別に指導の必要な子供だけを別のクラスに「取り出して」指導
B「補習・特別授業」 放課後などに設ける特別なクラスで指導
C「個別指導」 休み時間や放課後などに、担当の先生が個人的に指導
D「習熟度別クラス」 英語・数学などで、国内生も含めて、学習進度やレベル別にクラスを編成して指導。


《その他の指導》
カウンセリング
帰国児童生徒(時には保護者も含めて)は、日本への帰国適応で学校・社会生活で大きなストレスを抱え、精神的・現実的問題に出くわす場合が多くあります。児童生徒の学習態度や成績について、いつでも相談に応じてくれるカウンセラーや教員が常駐しているのが理想です。
進路・受験指導
 
帰国生向けに入学試験などを受験して中学・高校・大学へ進学するための情報や指導内容は、国内受験の場合と大きく異なります。どの学校にも進路指導の教員はいますが、帰国子女入試を熟知している、また、そのための受験勉強を指導できる教員を確保できているかどうかは、帰国生・保護者にとって学校選択の大きな要素となるべきです。



新しい動き「新しい学力」
文部科学省の指導要領にはない、新しい学力や能力の養成を目指した授業を提供する私立学校が増えてきています。「新しい学力」の内容は、海外の学校で子供たちが身に付けてきたエッセイ・レポート・プレゼンテーションなどの「自己表現力」です。帰国生にとっては、これらをさらに伸ばしてくれる教育として期待できます。


「海外の大学への進学」
最近、帰国生の間で増えてきた欧米の大学への進学希望者に、進学についてのアドバイスや、進学準備の学習指導のできる学校が出てきました。


学校選びを慎重に
日本の学校に、子供や保護者が一般的に望む学習や進学についての希望はたくさんありますが、このコラムでは、帰国児童生徒のニーズのみをまとめてみました。ここで述べた項目をすべて提供しているのは「夢の帰国子女受け入れ校」です。残念ながら、そのような学校は、(私の知る限り)ありません。

お子さんの学校選びにあたり、「帰国子女受け入れ校」という学校のPRを漠然と信じないでください。ここで述べた項目のうち、ご自分のお子さんに与えたいのはどれか、どの学校がそれを提供しているのかを、皆さん自身がしっかり調べ、理解して、学校を決めてください。この文章が、そのための参考になれば幸せです。