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アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

日本の小・中学校に体験入学します。何か注意することは?

日本の小・中学校に体験入学します。
何か注意することは?

松本輝彦(INFOE代表)

小学生は、楽しい思い出作り。
中学生は、勉強に注意!

体験入学
西海岸の現地校は6月中旬、日本の学校は7月20日前後に夏休みに入ります。

この時期の違いを利用して、日本の学校の生活や勉強を体験させるために、一時的に、2?3週間程度、日本の学校に通学するのが「体験入学」です。

滞米期間が3?4年を超えたり、帰国予定が近づいた家庭
の小・中学生が、一時帰国の機会を利用して、出身地域の公立の学校に一時的に入学する例が多く見られます。

体験入学の間に寄宿する親戚、友人、知人宅が通学区域になっている学校に連絡を取り、体験入学の希望とお子さんの情報を伝えます。最近は、体験入学もポピュラーになって来ましたので、大きな問題なく引き受けてもらえるでしょう。あとは、学校の指示にしたがって準備してください


小学生は
「面白かった、また行きたい!」「プールでの授業が良かった」。体験入学から帰って来た小学生、特に低学年の子供から多く聞かれる言葉です。
 
現地校の授業では経験したことのない、音楽やプールでの授業を、大変ながら楽しんだり、学級活動での共同作業に少し戸惑ったりします。しかし、アメリカとは異なった日本の学校での体験を楽しんでくる子供が多くいます。

また、毎日の勉強でも、1人の担任の先生が多くの科目を教えるので、先生の目が行き届き、細かな指導を受けることができて、良い印象を抱き、アメリカに帰ってくる小学生が多いようです。


中学生は
「友達ができて良かった」「日本の学校は嫌い」「2度と行きたくない」。小学生と異なり、中学生の体験入学への感想は、賛成・反対とさまざまです。

中学生にとって、同級生との人間関係は大きな関心事です。アメリカからやって来た子供の持つ英語や生活態度に対して、国内の子供達は好奇心・憧れ・反発など複雑な気持ちを抱きます。帰国した子供自身も同級生が示す態度に神経質になっています。この帰国生と同級生の組み合わせで、短いけれども楽しい体験になるのか、つらい一時帰国になるのか分かれます。

また、先生に対しても、現地校との授業の内容や進め方などの違いに批判的であったり、先生の生徒に接する態度に戸惑う中学生も多くいます。

さらに、小学校高学年から中学生になると、授業内容や勉強が、子供たちの判断の基準になる場合も多く出てきます。自信を持って臨んだ英語の授業が、現地校で身に付けた英語とは違った内容や方法で指導されているのに混乱する子供が多くいます。また、算数・数学の進度や授業の進め方の違いに戸惑う場合もあります。

このように、小学校の時の体験入学と似たような経験をしても、感情の豊かな、精神的に多少不安定な思春期の真只中にある中学生同士のクラスでの体験から、子供たちが感じ学び取るものが、大いに異なるのは当然です。


学校をよく調べて
学校をよく調べてください。教育委員会(地域)や学校(校長)により、体験入学についての知識や態度に大きな差があります。「大歓迎」から「冷たい態度」まで、さまざまです。「子供たちの良い刺激になる」と、一時帰国してきた子供たちを歓迎し、さまざまな便宜を図ってくれる学校がほとんどです。
 
しかし、たった2週間の体験入学なのに、住民登録をして正規の入学でないため、お子さん3人分の全教科の教科書・問題集や学校指定の小物入れなどを購入させられた保護者がいました。中学生で「必ず制服」と言われ、大急ぎで近所の子供に借りた例もあります。
 

体験入学する時に補習校で
使っている教科書を持ち帰った方がいいのかどうかなど、先方の学校に「体験入学の受け入れ」をお願いした時に教科書・制服などについて確認してください。そうしないと、お子さんだけではなく、保護者の皆さん自身が嫌な「体験入学」を経験することになるかも?


体験入学は、貴重!
短期間の体験入学ですが、その結果が子供たちにとってプラスでも、マイナスでも、貴重な経験になることは間違いありません。できるだけプラスの経験になるよう、保護者の皆さんの事前準備をお勧めします。


(2009年5月1日号掲載)