さとういずみ(アナウンサー ▶︎▶︎ ゼンタングル 認定講師)

LCUS

「点と点がつながって今がある
眠っていた才能を開花に導く」

現在までの紆余曲折

さとういずみ

さとういずみさん
千葉県出身。東京でフリーのアナウンサーとして活躍した後に渡米。カレッジを卒業後、ロサンゼルスの日本語ラジオ局にアナウンサーとして入社。その後、日本語テレビ局のアナウンサーを務めた後、出産、育児を経験しグラフィックデザイナーに転身。2011年にはゼンタングル認定講師の資格を取得し、日本でのワークショップやオンラインクラスを通じてのべ2500名に教える。著書に『はじめてのゼンタングル』。
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以前やっていたアナウンサーの経 験は13年ほどになります。フリーだったので、東京にいた頃はオーディションで仕事を取っていたんです。でも、ラジオ番組のオーディションで最終選考まで残ったのに選ばれなかったことが3回続きました。当時はバイリンガルのDJが流行っていて、最終的に選ばれた人は皆バイリンガルでした。それでこれからは英語をしゃべれないとダメなんだと思って、アメリカに留学を決めました。26歳で留学してきて、カレッジを出た後に、ロサンゼルスの日本語ラジオ局に採用されました。就労ビザ、さらには永住権もスポンサーしてもらいました。その後、テレビ番組にも携わったのですが、結婚と妊娠をきっかけに、仕事をお休みすることにしたのです。
 
お休みしている間は、もともと興味があったアートを学ぶため、UCLAのエクステンションでグラフィックデザインのコースを取りました。出産と育児で、修了までに4年かかりましたが、オールAの成績で終えることができました。
 
いよいよグラフィックデザイナーとしての仕事を開始したのですが、フリーでやっていると難しい問題が発生しました。当たり前と言えばそうなんですが、自信がある作品でもクライアントが別の意見を持つと、それに従わないといけないことです(笑)。それでフリーランスに限界を感じて、通販の会社を求人情報で見つけ、そこのウェブサイトのデザインを2年続けました。さらに手作りのジュエリーをネットで販売するビジネスを始めたりしていた時に最大の転機が訪れます。それは夫の転職を理由に、ロサンゼルスからサンディエゴに引っ越したことでした。

日本人講師第1号へ

サンディエゴの情報誌に出ていた「ゼンタングルのクラス」の広告に目が止まり、気軽に参加してみると、頭の中で電球がピカッと光りました。そこで、ゼンタングルについて調べたところ、2010年当時、日本語の検索で全く引っかからなかったのです。チャンスだ! と思いました。つまり日本人で教えている人がまだいないということだと思い、ゼンタングルの認定講師になれるセミナーを受講して日本人講師第1号になろう、と思い立ちました。
 
その頃、家族でサンディエゴ近郊のカジノに遊びに行った時、スロットマシーンをやったらジャックポットが出たんです。認定講師のセミナーが開催されるのが東海岸だったので、旅費の心配もあって悩んでいました。でも、その時のジャックポットの金額が880ドル、それがほぼセミナー代だったんですよ。それで、神様が「セミナー代は出すから飛行機代は自分で出しなさい」とメッセージをくれたような気がして、セミナーに参加、晴れて資格を手にしました。
 
そこからがまた大変でした。日本にゼンタングルを広めたいと意気込んで日本のカルチャーセンターに打診したものの、3年間返事がないまま。それで、その間、ゼンタングルについてブログを書いて発信を続けていたところ、日本で教えませんか、と声が掛かったり、本を出版しませんかという連絡をいただいたりするようになりました。まさに石の上にも三年、でした。認定講師になったのが11年、日本でワークショップを開催するようになったのが14年、その後年に2回ずつ、ワークショップ開催のために日本各地を巡るようになりました。私が日本で教えるようになって、日本で100名以上のゼンタングルの認定講師が誕生しました。教えた方の数はのべ2500名ほどになります。

失敗はない、人と比べない

さとういずみ

日本の生徒にオンライン講義。

ゼンタングル講師としてのやりがいは、ペンと紙さえあれば完成するアート作品を手掛けることで、多くの方に自分の中に眠っていた才能に気付いてもらえることです。ゼンタングルは点と点を結んで線を描き、さらに日本の文様のようなパターンを描いていきます。自分なりのアレンジを加えて自由に楽しめる芸術です。「描く瞑想」と言われるように一心に取り組むことで精神集中でき、マインドフルネスにもつながります。
 
今、私はこうしてゼンタングルを教えていますが、過去にやっていたアナウンサーの仕事は人に伝えるということで生かされ、もちろんグラフィックデザインの仕事もアートということで生かされています。まさにゼンタングルのように点と点を結ぶと形になるのです。これまでやってきたことに無駄なことは何もないということです。
 
自分のキャリアを変えることに迷いを感じている方には、自分の直感を信じてほしいというメッセージを送りたいです。ちょっとでも気になる新しいことがあるなら挑戦してください。ゼンタングルの考え方に「ノーミステイク(失敗はない)」というものがあります。何事も失敗ではなく経験になります。さらに言えば、人と自分を比べないことです。比べるとしたら誰か他の人とではなく、昨日の自分と比べるようにするといいと思います。

(2021年10月1日号掲載)
 
※このページは「ライトハウス・ロサンゼルス版 2021年10月1日」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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